開幕前のプレシーズンテストを終え、『Formula1』公式が最新のパワーランキングを発表した。
各チームのポテンシャルを推測して順位付けるパワーランキング。12日~14日にバーレーンで行われた公式テストの内容を受け『F1』が開幕前ながら、現状の各チーム力関係を予測している。
その中では「開幕前のテスト段階で、そのシーズンの勢力図を把握することはできない。正確性もほとんどないという警告もあるが」と前置きしたうえで、10位~1位までランク付けした。
10位:ハース
初日の午前でギアボックスの問題が起こったことを除けば、テストを通して悪いと思われる要素はほとんどなかった。だが2021年は苦戦が避けられないという不吉な兆候がいくつもある。
ハースの新型VF-21は冬季間のアップデートがほとんどなかった。ミック・シューマッハ&ニキータ・マゼピンのドライバーズラインナップはともにルーキーであり、全チームで最もグリッドでの経験が少ないという点も懸念材料。テストでも全チームを見渡した時、最も遅いチームであるように見えた。
9位:ウィリアムズ
新型FW43Bは空力性能含め多くのことが改善されている。ジョージ・ラッセルも「おそらく特定のレースでは早いところもあれば、遅いところもあるだろう」と予測していた。
ウィリアムズのロングランはテストでハースより大きく優れていた。10番手の位置から今季は抜け出すことをチームは望んでいることだろう。そしてシーズン早い段階で投入されるアップデート要素は、ウィリアムズにとって大きな恩恵となる可能性がある。
8位:アルファロメオ
キミ・ライコネンは最終日の終盤、全体4番手のタイムをマークして注目を集めた。だが今季もハース、ウィリアムズと競うことが不可避となりそうだ。
新型のC41は確かに規則的にラップを刻み、多くの周回数(3日間でトップタイの422周)をマークしている。大きな問題もなかったし、ドライバーも一定の満足感を示していた。それでも昨年から劇的に躍進したようには見えない。
7位:アストンマーティン
おそらく現時点で最も興味深く、未知のものはアストンマーティンがどれだけ速いかという点だろう。
1日目と2日目ではそれぞれトップに近い最速ラップを刻んだものの、最終日には予選想定のシミュレーションをすることができなかった。彼ら最大の懸念は信頼性に関するものであり、ギアボックスの問題、ブースト圧の喪失などによるところが大きい。
セバスチャン・ベッテルは3日間のテストで117周しかできなかった。これはテストに参加したウィリアムズのテストドライバー、ロイ・ニッサニーを除けば最も少ないラップ数となる。
このような状況にも関わらず、チームはテスト後に満足感を示しているようにも見えた。ベッテルは3日間を「とても生産的な内容だった」と振り返っている。現時点でリストの7番手に付けたものの、アストンマーティンは開幕後、ここから大きくポジションが変わる可能性を秘めている。
6位:アルファタウリ
ルーキー角田裕毅が最終日にマークしたタイムは驚きを伴うもの。ストレートではDRSボタンを使用するのが早かったと言われているが、それはテストの状況下では完全に合法である。それがトップタイムを叩き出したマックス・フェルスタッペンから、0.093秒差のラップを演出したことは間違いないだろう。
それでもアルファタウリにとって実りのある、印象深いテストとなった。彼らの新型AT02は技術的にも洗練されており、速さと安定感を備えているように見えた。その上で全チームで最多(アルファロメオと並んでトップタイ)となる422周のラップを刻んでいる。
それに加え、2020年にスターの一人となったイタリアGPウィナーであるピエール・ガスリー、話題の的となっている角田のドライバーセットは、2021年にいくつか大きな結果をもたらすかもしれない。ダークホースになる可能性も十分にあり得るだろう。
リアルな疑問点はロングランのペースであり、その安定性はまだ判断が難しいところだ。その点だけはまだ全体7番手のようにも見える。
5位:フェラーリ
苦難のシーズンとなった2020年を終え、2021年のプレシーズンテストを迎えた。2019年の頃に有していた、ポールポジションを獲得したり、決勝で勝利できるほどの力を取り戻したとは現時点で言えないだろう。
それでもマラネッロ(フェラーリの本拠地)のチームは楽観的に思えるいくつかの理由がある。チーム再建に向け、ある程度の自信を取り戻していたようにも思えた。
シャルル・ルクレール、新加入のカルロス・サインツはテスト最終日、何度か一発の速さを見せていた。チームがまだバーレーンで本気を出していないという兆候があったことも確か。しかし3日間のテストではルクレールとサインツの両方がテクニカルな問題で苦しんでいた点も見られた。
4位:アルピーヌ
テストでアルピーヌはロングランとショートランの両方で力強い周回を重ねた。チームはルノーの昨年からそのまま良い形でポテンシャルを引き継いだようにも見える。2020年、3度表彰台に上がったことを考えたら、悪い内容ではないだろう。
フェルナンド・アロンソは2月に(ロードバイク事故で)負傷したにも関わらず、ダメージの影響を感じさせなかった。おそらく元王者はA521のポテンシャルを最大限まで引き出せるだろう。同僚エステバン・オコンとともに、表彰台に上がる瞬間も近いはずだ。
3位:マクラーレン
パワーユニットをメルセデスにチェンジし、新ドライバーとしてダニエル・リカルドがやってきた。2021シーズンに向けて不安要素が多いようにも思えたが、現時点でそれはほとんど感じられない。
新型MCL35Mはスピードを示しているし、周回数は決して多い方ではなかったものの、効率的なテストを行っていたように見えた。
ロングランとショートランのどちらでも効果的なラップ(後者はメルセデスと同等のレベルだった)を見せ、チームが新たに導入したディフューザーのアプローチはリカルドとランド・ノリスの2人にプラスのパフォーマンスを与えたようだ。2021年、マクラーレンは復活のステップを踏む準備ができているように思える。
2位:メルセデス
メルセデスは悪いように見えて、実はとても良い、というケースが多々ある。
シルバーアローのガレージではいくつもの険しい顔が散見された。ルイス・ハミルトン、バルテリ・ボッタスの2人にとっても、W12で効率的なテストができたわけではなかった。
公式テストのデータをちょっと掘り下げてみたい。メルセデスはロングランのペースで最も良かったようにも見えるが、ショートランの周回ではレッドブルより明らかに遅かった。
やるべきことはまだたくさんある。それでも、問題を解決した場合はすぐさま最も強いチームに戻ることとなるだろう。
1位:レッドブル
マックス・フェルスタッペンはテストの印象を「間違いなく最高だった」と述べている。彼らレッドブルは3日間でとても強く、ショートラップでも最もポテンシャルがあることを示した。だがロングランの内容はメルセデスに次ぐものだった。
新加入のセルジオ・ペレスはRB16Bをコントロールするのに時間を要するのではと思われていた。だが、今季のレッドブルは、昨年まで見られたリアの挙動が不安定な点など、問題が改善されているようにも見えた。
テストの兆候は、レッドブルが開幕前ながら最強ではないかと思わせるものがあった。
だが、繰り返しになるが、プレシーズンテストは過去にも予想の間違いをもたらしてきた。いざ開幕すると、各チームのポテンシャルが大きく異なっていた、というケースも実際にあった。
それでも彼らがトラックで戦ったときにどちらが上なのか、それがはっきりとわかるシーズン開幕は間もなくとなった。
以上のような内容で、パワーランキングとして10チームの寸評を紹介している。
果たして2021年のF1はこのような力関係となっているのか。それとも、開幕まで大きく勢力図が変わり、何かしらのサプライズが起こるのか、大いに注目されるところだ。
2021シーズンのF1は全23戦が行われる予定。運命の開幕戦、バーレーンGPは3月26日~28日に行われる。
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チーム・ドライバー
日程・番組表
レース | フリー走行・予選 | 決勝 | |
---|---|---|---|
第1戦 | バーレーンGP | 3月26日(金) ~27日(土) | 3月28日(日) |
第2戦 | エミリア・ロマーニャGP | 4月16日(金) ~17日(土) | 4月18日(日) |
第3戦 | ポルトガルGP | 4月30日(金) ~5月1日(土) | 5月2日(日) |
第4戦 | スペインGP | 5月7日(金) ~ 8日(土) | 5月9日(日) |
第5戦 | モナコGP | 5月20日(木) ~22日(土) | 5月23日(日) |
第6戦 | アゼルバイジャンGP | 6月4日(金) ~5日(土) | 6月6日(日) |
第7戦 | フランスGP | 6月18日(金) ~ 19日(土) | 6月20日(日) |
第8戦 | シュタイアーマルクGP | 6月25日(金) ~26日(土) | 6月27日(日) |
第9戦 | オーストリアGP | 7月2日(金) ~ 3日(土) | 7月4日(日) |
第10戦 | イギリスGP | 7月16日(金) ~ 17日(土) | 7月18日(日) |
第11戦 | ハンガリーGP | 7月30日(金) ~31日(土) | 8月1日(日) |
第12戦 | ベルギーGP | 8月27日(金) ~28日(土) | 8月29日(日) |
第13戦 | オランダGP | 9月3日(金) ~ 4日(土) | 9月5日(日) |
第14戦 | イタリアGP | 9月10日(金) ~ 11日(土) | 9月12日(日) |
第15戦 | ロシアGP | 9月24日(金) ~25日(土) | 9月26日(日) |
第16戦 | トルコGP | 10月8日(金) ~ 9日(土) | 10月10日(日) |
第17戦 | アメリカGP | 10月22日(金) ~ 23日(土) | 10月24日(日) |
第18戦 | メキシコGP | 11月5日(金) ~ 6日(土) | 11月7日(日) |
第19戦 | サンパウロGP | 11月12日(金) ~ 13日(土) | 11月14日(日) |
第20戦 | カタールGP | 11月19日(金) ~ 20日(土) | 11月21日(日) |
第21戦 | サウジアラビアGP | 12月3日(金) ~ 4日(土) | 12月5日(日) |
第22戦 | アブダビGP | 12月10日(金) ~ 11日(土) | 12月12日(日) |