今季F1デビューの角田裕毅を『F1』公式が特集「F3＆F2で見せた5つの重要な瞬間」｜F1

2021シーズン、アルファタウリからF1デビューする角田裕毅について『Formula1』公式が特集記事を組んだ。

20歳の日本人F1ドライバーについて「角田をスーパーライセンス取得に導いた、ここまでの道のり素晴らしき5つの瞬間」という見出しで、過去2シーズンの活躍にスポットを当てている。

1、アントワーヌ・ユベールのためのレース：彼はヨーロッパに来て間もない2019年にF3へと参戦し、順応はゆっくりだった。彼の状況が本当に好転したのは2019年ラウンド6のスパ（フランコルシャン）からだった。F2ではアントワーヌ・ユベールが悲劇的な事故死を遂げた。角田はここから躍進を見せた。その翌日、スパのレース2において初のF3表彰台を獲得した。後に本人は「僕はユベールから学び、彼のためにレースをしました」と語っている。

2、2019年のモンツァで大胆不敵な勝利：F3で角田がつかんだ初勝利は、本物の才能が垣間見えたものだった。当時19歳のドライバーは6位スタートから、最初のコーナーで3位まで順位を上げた。彼はジェイク・ヒューズと競り合い、パラボリカの外側から大胆なオーバーテイクを仕掛けた。自信を深めたことをF3のレースで明確に示した。

3、レッドブルとホンダからのプレッシャーに対処：角田が2020年、F2へと昇格したのは少なからず驚きを伴った。確かに2019シーズン、後半戦で素晴らしい戦いを見せたかもしれないが、シーズンを通じて全体9位だったからだ。大半の人は翌シーズンもF3で2年目を迎えると思っていたはずだ。

2020年のF2では、F3と同様に序盤8レース中6レースでポイント加算ができなかった。だがシルバーストンのレース2ではライバルとなるミック・シューマッハ、ロバート・シュワルツマンを抜いてトップに躍り出た。角田の株価はここで急上昇した。

4、厳しい条件となった最初のF1テスト：角田が初めてF1のマシンに乗ったのは11月4日。カーリンのドライバーはイモラでチャンスを得て、2018年型のマシンに収まり、ウェットとドライの両方で325kmを走行した。レッドブルのジュニアドライバーは「驚いた」とF1のマシンが持つパワー、ポテンシャルについて語った。だが対処したと明かしながらも、ステップアップにふさわしい経験を積み重ねていた。角田は「次にF1のマシンに乗る機会を待ちわびている」と当時言っていた。

そして最後の5つ目には、F1昇格に向けてポイント奪取が必須というプレッシャーがかかる中、結果を残した2020年のF2ラウンド7、バーレーン2（第13戦＆第14戦）に注目した。

5、ダブル表彰台でスーパーライセンスを確保：当時順位を総合5位としてバーレーン2を迎えたカーリンのレーサーは、年間5位以上がマストだった。だがクリスチャン・ルンガーも6位から差を詰めており、油断ができない状況。

それでも角田はサクヒールGPの週末で、フリープラクティスでトップに立った。そして予選ではシーズン4回目となるポールポジションも獲得。フィーチャーレースでは今季3勝目を目指して戦い、周冠宇（チョウ・グアンユー）とニキータ・マゼピンを撃破した。見事、困難を打ち破った。

スプリントレースにおいても眩いばかりのパフォーマンスを継続させた。日曜のレース2ではリバースグリッドで8番手からスタート。徐々にポジションを上げ、ファイナルラップの最終コーナーではダン・ティクタムから劇的な形で2位を奪った。

そして記事では「彼のことを存じなかった人たちに対しても、角田が特別なレーサーであることを知らしめた瞬間と言えるだろう」と締めくくった。

2014年にケータハムからF1に参戦した小林可夢偉以来、実に7年ぶりの日本人F1ドライバーとなった角田裕毅。『F1』公式も若き日本人ドライバーのトップカテゴリー挑戦を前に、これまで見せてきた成長ぶりを踏まえて期待を寄せている。

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