メルセデスのヴォルフ代表、マゼピンのハース契約解除に同情「引き続きF1で走ってほしかった」｜F1

メルセデスのチーム代表トト・ヴォルフ氏が、ハースがニキータ・マゼピンとの契約を解消したことについて、持論を展開している。

2月24日、ロシア軍がウクライナに軍事侵攻を行ったことにより、ハースF1チームはバルセロナの合同テスト中にメインスポンサーであるロシア・ウラルカリ社のロゴをマシンから排除。フロントウイングやカウルに入っていたロシア国旗のあしらいも外す処置をしていた。そして3月5日になり、ハースはウラルカリ社とのスポンサーシップ即時終了、そしてマゼピンとの契約も打ち切る運びとなった。

メルセデスのヴォルフ代表は『ブルームバーグ』のマイクに対して「ニキータは引き続きF1で走ってほしかった」とロシア人ドライバーの離脱を惜しんでいる。

「ニキータについては気の毒に思っているよ。他のスポーツコンペティションでは、ロシアのアスリートについて参加を許可しているところもある。もちろんロシア人選手の出場について、厳しく禁じている大会もあるね。アスリートの観点からしてとても難しい状況だけど、このような厳しい措置は理解できる部分もある」

「ロシアのウクライナ軍事侵攻は、今日における圧倒的なトピックであり、我々が携わっているスポーツにおいても、ストレスや煩わしさがついて回る部分でもあると思う」

「ただ、もっと重要なことがあるという点も周知されるべきだ。私たちのチームにはウクライナ人とロシア人のスタッフがいる。それぞれ家族や故郷が不安定な状況にあるため、彼らはとても心を痛めている。また、私自身もスラブ系のルーツを持っているから、とても困難な状況にあることは確かだ」

そしてヴォルフ代表はロシアGP開催については妥当だったとの見解も示している。

「私はオーストリア人だ。ウクライナ国境からわずか400キロほどしか離れていないウィーンが地元だからね。ヨーロッパで戦争が起こるなんて誰も思っていなかった。F1や私たちはロシア・ソチでレースをしないことを選択した。これは、世界中の他の企業にとっても良い手本となるだろう」

ロシアのウクライナ軍事侵攻は様々な点に影響を及ぼし、モータースポーツ界も対応に追われている状況となる。ヴォルフ代表はロシアでのグランプリ中止に理解を示した一方、F2時代にメルセデスからテストに参加したこともあるマゼピンのハース解雇については、同情的な見方をしているようだ。

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