角田裕毅成長の陰に先輩ドライバーの存在が…F1公式が注目「水面下で日本人のサポートを担っている」｜F1

アルファタウリの角田裕毅について、レッドブルジュニアチームの先輩ドライバーが大きなサポート役を担っていると『F1』公式メディアを通じて著名ライターのローレンス・バレット氏が説いている。

角田は今季、F1デビュー戦のバーレーンGPでいきなり9位入賞を果たすも、その後はフリープラクティスセッションで不用意なミスが散見され、マシンにダメージ負うクラッシュが何度かあった。

その角田について「レッドブルは不用意なミスも見せた角田の将来性を信頼し、アルファタウリのレギュラードライバーとして2022年の契約も結んだ」としたうえで、サポート役の存在があったとフォーカスしている。

「レッドブルはリザーブドライバーでもあるアレックス・アルボンを角田のサポート役に据えた」

「アルボンは日本人のドライバーコーチとしてではなく、自身の経験を踏まえて立ち振る舞いだったり、様々なアドバイスを水面下でしていた模様だ」

記事によると、アルボンはレッドブルのリザーブドライバーでありながら、アルファタウリのセッション中及びエンジニアブリーフィング中の無線について確認し、角田に対してアドバイスをしていたという。

今季、角田は予選セッション中に「トラフィックパラダイスだ！」と語り、その造語が世界中のF1ファンから注目された。その一方、走行中には激昂しながら言葉を発する場面もあり、チームとのコミュニケーションやメンタル面が課題と指摘する声も。だが、今季後半戦に入ってから角田は強い言葉を用いる場面が激減。安定したレースぶりを見せるようになっている。

「アルファタウリの角田は今季、イタリアに移り住んでチームエンジニアとコミュニケーションの時間を多く設けるようになった。そのことについてもアルボンの助言やサポートがあったようだ」

「（アルファタウリのフランツ）トスト会長は若手ドライバーの育成者として最高の一人であり、2006年にF1の世界に加わってからは多くの有望な若手を育ててきた。その時間と労を惜しまない人物としても知られる。角田は今季、アメリカGPで最もクリーンな週末を過ごした。サマーバケーション明けで最初のポイントを手にする、9位フィニッシュを果たしている」

1996年生まれ、現在25歳のアルボンはイギリス人の父とタイ人の母の間に生まれたドライバー。2018年にはF3でジョージ・ラッセル、ランド・ノリスに次ぐ年間3位となり、翌2019年にトロ・ロッソからF1デビューを果たした。

デビューイヤーの前半12戦はトロ・ロッソから出走し、ピエール・ガスリーと入れ替わる形でシーズン途中からレッドブルに昇格。それ以降レッドブルでは2020年に2度表彰台に上がるも、同年限りでレギュラーシートを失い、2021年はレッドブルのリザーブドライバーとなっていた。また、アルボンは2022年、ラッセルの穴埋め役としてウィリアムズからレギュラー復帰することが決まっている。この間もレッドブルの開発ドライバーとして、様々な役割を担い、角田へのサポート役としても一役買っていたようだ。

今季の終盤戦を迎えるにあたり、トラック上では冷静な走りを見せるようになっていた角田。日本人ドライバーの成長の陰に、レッドブルジュニアチームの先輩アルボンの存在があった模様だ。

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