経歴
2009年にルノーからF1デビュー
1986年、スイスに生まれたロマン・グロージャンはスイス・フォーミュラ・ルノー1.6選手権、フランス・フォーミュラ・ルノー、ユーロカップ・フォーミュラ・ルノー、F3で腕を磨き、2008年からGP2を主戦場とした。
2008年よりルノーのテストドライバーも担当していたが、ネルソン・ピケJr.がシーズン途中でシートを失ったことにより、突如グロージャンにレギュラー昇格の話が浮上。この年の第11戦ヨーロッパGPでF1デビューを果たすことになった。
この後7レースで5度完走を果たしたものの、グロージャンはヨーロッパGP、イタリアGP、ベルギーGPと接触事故を起こしている。とりわけベルギーGPではこの年のワールドチャンピオンとなるジェンソン・バトンに追突し、バトンをこの年初のリタイアに追い込んだことで非難された。
翌2010年はルノーのシートを失い、無所属状態に。本人は後にこの時レース生活にピリオドを打ち、調理師への転身を考えたこともあったという。2011年はチーム名がロータス・ルノーに変わった古巣のテストドライバーに就任した傍ら、GP2にも参戦。GP2のメインシリーズでは王座を獲得している。
F1レギュラー復帰も荒っぽさに批判集中
GP2王者の功績が評価され、迎えた2012年はロータスより再びF1で出走することになった。初戦のオーストラリアGPではいきなり予選3番手のタイムをマークして周囲を驚かせる。この年はカナダGPで最高位となる2位を経験し、3度表彰台に上がった。96ポイントを奪取してドライバーズランキング8位でシーズンを終えたものの、クラッシュを誘発する姿勢は2009年と同様で、何かと物議を醸した。2012年はオーストラリア、マレーシア、スペイン、モナコ、イギリス、ドイツ、ベルギー、日本と各グランプリで事故を招いている。
とりわけ問題視されたのがベルギーGP。このレースでは当時ザウバーの小林可夢偉が予選2番手で決勝を迎えたものの、第1コーナーでグロージャンが突っ込み、多重クラッシュの原因を招く。この時にはポイントリーダーを争っていたフェルナンド・アロンソのリタイアを招いたことでも批判されたが、日本のF1ファンにとっては“小林可夢偉のフロントローが台無しになったレース”として苦い記憶かつ、語り草になっている一戦でもある(小林は13位で完走したものの、スタート直後の接触に巻き込まれて順位を大きく落としていた)。
このように事故を誘発するレースが散見されることから、グロージャンは「オープニングラップの狂人」「サーキットの通り魔」「壊し屋」といった不名誉な肩書きで呼ばれることも。なお、グロージャンはベルギーGPでの事故により、次戦イタリアGPは出走禁止+5万ユーロの罰金ペナルティを受けている。
2013年はモナコGPでダニエル・リカルドに対して接触事故を起こしたものの、前年までに比べるとその頻度は激減。19戦中15戦で完走(完走扱い含む)を果たし、6度の表彰台を経験。132ポイントでドライバーズランキング7位だった。
ロータスはこの後上位争いから遠ざかり、グロージャンは2014年14位、2015年11位に終わる。そして2016年より新チームとして立ち上がったハースF1にエース待遇で新天地を求めることに。また、2011年よりグロージャンとともに仕事をしてきた日本人エンジニア、小松礼雄氏もハースに加わることとなった。
2016年よりハースで奮闘
新興勢力のハースは2016年よりF1にフル参戦を果たすも、上位争いに加わることはなかなか難しく、13位、14位、14位と苦戦が続く。そして2019年はマシンの力不足に泣き、3度の入賞を果たしたものの年間8ポイント、ドライバーズランキング18位で終えている。
ハース5年目の2020年、34歳とベテランの域に入ったグロージャンはチームを躍進へと導けるのか、勝負の一年となる。
プロフィール
ロマン・グロージャン
1986年4月17日生まれ|フランス国籍(出生地はスイス)|ルノー(2009)、ロータス(2012~2015)、ハース(2016~)
通算成績(2020年開幕時点)
- 出走/166回
- 優勝/0回
- PP/0回
- FL/1回
年 | チーム名 | 勝利数 | 年間成績 |
---|---|---|---|
2009年 | ルノー | 0勝 | 23位 |
2012年 | ロータス | 0勝 | 8位 |
2013年 | ロータス | 0勝 | 7位 |
2014年 | ロータス | 0勝 | 14位 |
2015年 | ロータス | 0勝 | 11位 |
2016年 | ハース | 0勝 | 13位 |
2017年 | ハース | 0勝 | 13位 |
2018年 | ハース | 0勝 | 14位 |
2019年 | ハース | 0勝 | 18位 |
2019年の成績
- 年間:8ポイント/18位
- 優勝/0回
- PP/0回
- FL/0回
レース名 | 決勝順位 |
---|---|
第1戦オーストラリアGP | Ret. |
第2戦バーレーンGP | Ret. |
第3戦中国GP | 11位 |
第4戦アゼルバイジャンGP | Ret. |
第5戦スペインGP | 10位 |
第6戦モナコGP | 10位 |
第7戦カナダGP | 14位 |
第8戦フランスGP | Ret. |
第9戦オーストリアGP | 16位 |
第10戦イギリスGP | Ret. |
第11戦ドイツGP | 7位 |
第12戦ハンガリーGP | Ret. |
第13戦ベルギーGP | 13位 |
第14戦イタリアGP | 16位 |
第15戦シンガポールGP | 11位 |
第16戦ロシアGP | Ret. |
第17戦日本GP | 13位 |
第18戦メキシコGP | 17位 |
第19戦アメリカGP | 15位 |
第20戦ブラジルGP | 13位 |
第21戦アブダビGP | 15位 |
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チーム・ドライバー
日程・番組表
レース | フリー走行・予選 | 決勝 | |
---|---|---|---|
第1戦 | オーストリアGP | 7月3日(金) ~ 4日(土) | 7月5日(日) |
第2戦 | シュタイアーマルクGP | 7月10日(金) ~11日(土) | 7月12日(日) |
第3戦 | ハンガリーGP | 7月17日(金) ~18日(土) | 7月19日(日) |
第4戦 | イギリスGP | 7月31日(金) ~ 8月1日(土) | 8月2日(日) |
第5戦 | 70周年記念GP | 8月7日(金) ~ 8日(土) | 8月9日(日) |
第6戦 | スペインGP | 8月14日(金) ~15日(土) | 8月16日(日) |
第7戦 | ベルギーGP | 8月28日(金) ~29日(土) | 8月30日(日) |
第8戦 | イタリアGP | 9月4日(金) ~ 5日(土) | 9月6日(日) |
第9戦 | トスカーナ・フェラーリ1000GP | 9月11日(金) ~12日(土) | 9月13日(日) |
第10戦 | ロシアGP | 9月25日(金) ~ 26日(土) | 9月27日(日) |
第11戦 | アイフェルGP | 10月9日(金) ~ 10日(土) | 10月11日(日) |
第12戦 | ポルトガルGP | 10月23日(金) ~24日(土) | 10月25日(日) |
第13戦 | エミリア・ロマーニャGP | 10月31日(土) | 11月1日(日) |
第14戦 | トルコGP | 11月13日(金) ~ 14日(土) | 11月15日(日) |
第15戦 | バーレーンGP | 11月27日(金) ~ 28日(土) | 11月29日(日) |
第16戦 | サクヒールGP | 12月4日(金) ~5日(土) | 12月6日(日) |
第17戦 | アブダビGP | 12月11日(金) ~ 12日(土) | 12月13日(日) |