批判集中のルーキー、マゼピンをジーン・ハース氏が擁護「過ちが良い教訓になることを願う」｜F1

2021年、ハースはレギュラードライバーとして、ミック・シューマッハ＆ニキータ・マゼピンというルーキーコンビを迎え入れることになった。

だがマゼピンはサーキット内外で多くのトラブルを生んでいることから、ハースはすでに手を焼く状況となっているようだ。

昨年12月、ハースと契約発表直後にマゼピンは自身の『Instagram』で、女性の胸を触るわいせつな動画をアップロード。後にその動画を削除したものの、大きな問題となりハースには多くの批判が集中した。ハースは「忌まわしい」と公式声明で示したうえでマゼピンに対し厳重注意。チーム内部で適切な処理を行ったと表明している。

ハースチームの創設者であるアメリカの実業家、ジーン・ハース氏は雑誌『Racer』のインタビューで、マゼピンの一件について次のように述べている。

「ギュンター（チームディレクターのシュタイナー氏）は、マゼピンに対して“お前は馬鹿か？まったくもって受け入れられない行動だ”と言ったそうだ。それは全く同意で、私たちの総意だと思うよ」

糾弾した一方で、ハース氏は21歳のロシア人ドライバーに対して擁護の姿勢も見せている。

「マゼピンはあらゆる方面から様々な批判を受けている。まだ21歳の若者だ。そんな彼にとって、多くの否定的な言葉を投げられるのは、つらい状況であることに間違いない。確かにあの行動は過ちだったと思うが、これが良い教訓になることを願っている」

「もちろんハースとして多くの批判があることを受け止めている。彼のドライバー採用を取りやめるよう望む声も多かった。それもかなり攻撃的なニュアンスでね。だがそれを受けて彼を追い出すことが正しい道だとは思っていない」

なお、マゼピンの父ドミトリー・マゼピン氏はロシア最大級の肥料会社ウラルカリ社のトップであり、ハースチームは同社からの後援を受けている。また、ドミトリー・マゼピン氏は、財政状況の厳しくなりつつあるハースチームについて、買収話を持ちかけたともまことしやかに囁かれている。

ハースはシューマッハ＆マゼピンのセットで2021シーズンに挑む。そしてリザーブには昨季第16戦、第17戦でロマン・グロージャンの代役を務めた、ピエトロ・フィッティパルディが控えている。

“悪童”と言われているマゼピンは、昨季のF2年間1位であり偉大な父を持つサラブレッド、同僚ミック・シューマッハよりも好成績でF1デビューシーズンを終えることができるのか。批判の多い状況ではあるが、マゼピンの戦いぶりは2021シーズンのF1界において、大きな注目ポイントとなりそうだ。

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