元王者ヴィルヌーブ氏「フェラーリは新しいメルセデス」名門の完全復活を主張…レッドブル勢の信頼性欠如には同情｜F1

F1元王者ジャック・ヴィルヌーブ氏が、勢力図が大きく変わった今シーズンのF1について、自身の見解を示している。

2022年のF1は第3戦を終え、シャルル・ルクレールが2勝をマーク。フェラーリはコンストラクターズポイントでもリードしており、今季は名門完全復活をアピールしている状況となる。フェラーリと互角の勝負を演じながらも、マシントラブルによってこれまでレッドブルはポイントを失ったケースが3度、DNF（フィニッシュに至らず）50％という信頼性の欠如から、レッドブルはポイント争いでも劣勢となっている。

ヴィルヌーブ氏は『Formule1.nl』を通じて「追いかけるレッドブルはフラストレーションを溜めているだろう。フェラーリがあまりに順調だからね」とここまでの戦況を受けて語っている。

「確かにレッドブルのマシンは速い。だが乗りこなすのがとても難しいという面もあるように見える。フェラーリと互角の勝負を演じるのなら、（マックス）フェルスタッペンと（セルジオ）ペレスはマシンのポテンシャルをすべて引き出す必要がある」

「それでも傍から見ていて、フェラーリのほうがわずかに速そうだと私は思うね。何より、彼らのマシンはドライビングしやすく、トラック上でもコントロールがしやすい」

「レッドブル側にとっては心理的にもかなり厳しい状況だと思う。彼らは昨季までの状況から、メルセデスを追いかけるのには慣れている。だが彼らはドライバーズタイトルを手にして、今では追われる側でもあるんだ。これは昨季までとは違ったプレッシャーがもたらされるものなんだよ」

「そして、ここまで結果が伴っていない点が一番の悩みどころだ。彼らはドライバーズでもコンストラクターズでも、トップ争いから離れている。それは何よりもDNFの問題があるからだ。信頼性を含んだこの課題は、レッドブルにとってとてつもなく大きな痛手になっている」

そしてヴィルヌーブ氏は、今季アドバンテージを示しているフェラーリが優勝候補の筆頭であり「彼らは新しいメルセデス」という表現を使って赤い跳ね馬の復活を称えている。

「（シャルル）ルクレールが明確なポテンシャルを示し、実際に勝ち続けているという状況は、これまでのF1とは流れが異なるものだ。もちろんまだレースは20も残っているし、やるべきことはたくさんある。それでもライバルであるはずのフェルスタッペンとは大きなギャップを築いているよね」

「イタリアでは“今年こそ、今年こそは本当に頂点に立てるのか”とティフォーシ（フェラーリの熱心なファン）たちが待っている。それと同時に“序盤から好調でも、いつつまづいてうまくいかなくなるのか”という恐怖にも怯えているんだよ。彼らは（フェルナンド）アロンソや（セバスチャン）ベッテルでそんなシーズンを過去に見てきた。その失望感にも慣れている」

元王者は「だけど、フェラーリは今年とてつもなく速い。紛うことなくね。それは事実上、新しいメルセデスなんだ」と主張し、今季フェラーリが見せている速さは、黄金時代到来を思わせるものだと強調している。

レギュレーションの変わった2014年より、メルセデスはコンストラクターズタイトルを8連覇してきた。そして同様に規定が大きく変わった今季はパワーバランスが再び大きく変わり、3レースを終えた段階ながらフェラーリがライバル勢を大きく突き放してポイントリーダーの位置に名を刻んでいる。

そして次戦第4戦エミリア・ロマーニャGPはフェラーリのお膝元イタリアでの開催となる。次戦でもフェラーリがライバルを圧倒して勝利するとなると、ヴィルヌーブ氏が主張したようにフェラーリ時代の本格到来と言えるのかもしれない。

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