F1直下のカテゴリー、今季のF2では、F3から昇格したばかりの岩佐歩夢が早くも存在感を示している。
昨季、F3で総合8位だった岩佐は、今季DAMSよりF2に参戦している。ラウンド1のサクヒール(バーレーン)ではスプリントレース(レース1)で8位に入り、1ポイントを奪取。フィーチャーレース(レース2)では16位に終わり、入賞を逃した。
結果だけ表記するとこのとおりとなるが、8位&16位という結果でありながら、どちらも圧巻のレースぶりを見せ、絶大なインパクトを残したという点は強調しておきたい。
バーレーンのフリー走行では、全体2番手タイムを叩き出し、好調ぶりを見せた岩佐。だが予選ではトラックに出て間もなく、スピンを喫してグラベルから動けなくなってしまう。赤旗中断の原因となったため、タイムを出せず岩佐はそのまま予選セッションを終えることになった。
岩佐はレース1、レース2ともに最後尾の22番グリッドからスタートすることが確定。F2での初戦から岩佐にとっては最悪の予選結果となってしまった。
だが岩佐はレース1で最後尾から圧巻の走りを見せる。22番グリッドからスタートし、抜群のタイヤマネージメントを見せつつ、次々にライバルたちをオーバーテイクしていく。レース終盤に入っても勢いは衰えず、タイヤの劣化でペースの上がらないドライバーを次々に抜き、14ポジションアップの8位でレース1を終えた。
そしてレース2でも22番手からのスタートながら、安定したオーバーテイクショーを見せた。スタートからロングランを敢行した岩佐は、最後尾スタートながら16周目にはラップリーダーとなる。そして岩佐は18周目の終わりに満を持してピットインするも、左リヤのタイヤ交換に時間がかかり、トラックに戻ったときには10番手まで順位を落とした。
レースは27/32周の終盤、リチャード・フェルシュフォーがスピンしたためにセーフティーカー導入となる。これでこの時点で7番手の岩佐はライバル勢に比べてフレッシュなタイヤを履いた状態で、トップとの差が一気に狭まる。
岩佐にはここからの上位進出に期待が懸かったものの、セーフティーカー明けのローリングスタートでスピードが上がらず、マシントラブルでそのまま順位を落とす結果に。レース2で岩佐は16位フィニッシュとなった。
バーレーンの2レースで、岩佐は8位、16位という結果に終わった。だがレース終了後、F2が公式SNSで「この週末、あなたにとって最高のドライバーは誰だった?」と意見を募ったところ、世界じゅうのモータースポーツファンが岩佐を推す結果に。
「岩佐はなにもないところから、卓越したペースを見せてポジションを上げてきた」
「岩佐はすごかった。ピットでのミスやマシントラブルがなければ、レース2で表彰台も可能だったはず」
「あの追い上げっぷりはすさまじい。オーバーテイクキングの称号に相応しいレースだった」
レース1で優勝したリチャード・フェシュフォー、レース2勝者のテオ・プルシェールの名前も挙がったが、16位&8位の岩佐がベストだったと推す声が多く寄せられる結果に。F2ではバーレーンの2レースで1ポイントを手にしただけの岩佐だが、早くも今季のF2ではトップ争いができるのではないかと高い評価を得ている。
そして現地時間25日、ラウンド2のジェッダで岩佐は予選7番手となり、スプリントレースではP4スタート、フィーチャーレースでは予選順どおりP7スタートとなった。前レースで速さを見せた岩佐が、上位グリッドからどのようなレースを見せるのか要注目だ。ラウンド1と同様に巧みなレースぶりを見せることができたら、眼前にある表彰台にも上がれるはずだ。
レッドブルジュニアチームの一員でもある岩佐は、ユーリ・ビップス、リアム・ローソン、ジェアン・ダルバラ、デニス・ハウガーらとともにF1のシートを目指す状況となっている。今季F2で速さを見せ、もしもスーパーライセンス取得条件をクリアした場合、来季はF1のシートを手にするという可能性もゼロではない。
レッドブルグループの重鎮であるヘルムート・マルコ博士は、F2の若手に大きな期待を抱きつつ、彼らの戦いぶりを温かく見守っているはずだ。果たしてマルコ博士は、バーレーンの最後尾から驚異的な追い上げを見せた、岩佐の走りをどう見たのだろうか。
もしレッドブルグループが若手を来季F1に上げるとなると、ビップスやローソンではなく、岩佐がリストの最上位に浮上するということも十分にあるだろう。レッドブルグループの一員として、F1で戦う角田裕毅を脅かす位置に岩佐が迫っているのだ。また、もしピエール・ガスリーがステップアップを果たした場合、アルファタウリのドライバーセットが角田&岩佐という組み合わせになることも十分にあり得る。
今季F2はバーレーンの2レースを終えただけで、チャンピオンシップがどうなるのか、まだまだわからない状況だ。だが、もし岩佐がジェッダの2レースで結果を残せたら、F2でより一層注目を集めることになる。早くも“オーバーテイクキング”と評価を高めている二十歳の日本人ドライバーは、今季F2のチャンピオンシップで、主役を演じることになるかもしれない。
■F2ジェッダ日程/日本時間
レース1:3月26日(土)21:30~
レース2:3月27日(日)22:35~
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チーム・ドライバー
日程・番組表
レース | フリー走行・予選 | 決勝 | |
---|---|---|---|
第1戦 | バーレーンGP | 3月18日(金) ~19日(土) | 3月20日(日) |
第2戦 | サウジアラビアGP | 3月25日(金) ~26日(土) | 3月27日(日) |
第3戦 | オーストラリアGP | 4月8日(金) ~4月9日(土) | 4月10日(日) |
第4戦 | エミリア・ロマーニャGP | 4月22日(金) ~ 23日(土) | 4月24日(日) |
第5戦 | マイアミGP | 5月6日(木) ~7日(土) | 5月8日(日) |
第6戦 | スペインGP | 5月20日(金) ~21日(土) | 5月22日(日) |
第7戦 | モナコGP | 5月27日(金) ~ 28日(土) | 5月29日(日) |
第8戦 | アゼルバイジャンGP | 6月10日(金) ~11日(土) | 6月12日(日) |
第9戦 | カナダGP | 6月17日(金) ~ 18日(土) | 6月19日(日) |
第10戦 | イギリスGP | 7月1日(金) ~ 2日(土) | 7月3日(日) |
第11戦 | オーストリアGP | 7月8日(金) ~9日(土) | 7月10日(日) |
第12戦 | フランスGP | 7月22日(金) ~23日(土) | 7月24日(日) |
第13戦 | ハンガリーGP | 7月29日(金) ~ 30日(土) | 7月31日(日) |
第14戦 | ベルギーGP | 8月26日(金) ~ 27日(土) | 8月28日(日) |
第15戦 | オランダGP | 9月2日(金) ~3日(土) | 9月4日(日) |
第16戦 | イタリアGP | 9月9日(金) ~ 10日(土) | 9月11日(日) |
第18戦 | シンガポールGP | 9月30日(金) ~10月 1日(土) | 10月2日(日) |
第19戦 | 日本GP | 10月7日(金) ~ 8日(土) | 10月9日(日) |
第20戦 | アメリカGP | 10月21日(金) ~ 22日(土) | 10月23日(日) |
第21戦 | メキシコGP | 10月28日(金) ~ 29日(土) | 10月30日(日) |
第22戦 | サンパウロGP | 11月11日(金) ~ 12日(土) | 11月13日(日) |
第23戦 | アブダビGP | 11月18日(金) ~ 19日(土) | 11月20日(日) |