角田裕毅、カナダGPはミスで今季初リタイア…中野信治氏は「教訓として繰り返さないこと」と後輩にエール｜Wednesday F1 Time

2022年の第9戦カナダGPを終え、アルファタウリの角田裕毅がリタイアに終わった同レースについて振り返っている。ピットアウトで角田が犯したミスについて、先輩ドライバーであり、F1中継で解説を務める中野信治氏が見解を示した。

角田はカナダGPで最後尾スタートながら粘りの走りを見せ、一時はポイント圏内でのフィニッシュも狙える位置で戦っていた。ハードでの第2スティントではデグラデーションが顕著になったことから、48／70周目の終わりにピットへと入り、ハードからハードへとつないだ。

だが角田はピットアウトした後のターン1～2合流地点でオーバーラン。曲がりきれずにそのままタイヤバリアへと追突し、レースをここで終えてしまう。2シーズン目の角田にとっては、今季9レース目にして初のリタイアとなった。

角田はレース後『DAZN』に対して「僕のミスです。チームに申し訳なく思っている」と語った。その様子は『Wednesday F1 Time #15』で公開されている。

「ブレーキングが遅すぎた。それに加えて、後方からの突風にあおられたせいもあると思う。結果的に止まることが難しくなってしまった」

「ずっとDRSトレインの後ろにいて、今回はバトルもできなかった。レースペースも良かっただけに、その点は残念だった」

カナダGPにおける角田の戦いぶりについて、生中継の解説を務めた中野信治氏は「戦略は良かったと思う。順位を一気に上げることができて、流れを作れていた」と『Wednesday F1 Time #15』で見識を述べている。

「すごくクルマ（のセットアップ）が決まっていたかというと、そうではないと思う。それは（ピエール）ガスリーを見ればわかりますし。その中で、裕毅は良い走りを見せていた。タイヤのマネージメントもうまくやっていたと思う」

ピットアウト後、オーバーランした角田のミスについてはレーサーならではの視点で「これはちょっとやっちゃいましたね」と振り返った。

「ポイントを手にしていたら、チームとしても裕毅の評価はさらに上がったと思いますし、その観点から見ると非常に残念な結果だった」

「ここ（ジル・ヴィルヌーヴ・サーキット）は普通のサーキットと違って、ピットアウト後にフル加速してからコーナーに入っていくようなイメージなので、確かに難しいんです」

「シフトアップして、ダウンシフトしながらブレーキングしてターン1に入っていく。しかも路面は若干荒れていて、バンピーになっている。そこに乗っかったというのと、明らかにブレーキングが遅れていた」

このことを踏まえ、中野氏は「長いレースをしているとそういったミスも起こり得る。ただ続けちゃダメ。これを教訓として同じミスを繰り返さないこと」と、失敗を糧にすることの大切さを強調した。

カナダGPではパワーユニットの交換により最後尾グリッドからのスタートを余儀なくされた角田。だが初走行のトラックながら、粘りの走りで入賞圏内を狙える位置まで順位を押し上げた。

ここからF1はヨーロッパに戻り、イギリス、オーストリア、フランス、ハンガリーと角田にとってもすでに走行経験を積んでいるコースでの戦いが続くだけに、次戦からの巻き返しに注目したいところだ。

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