2023シーズンのF1は当初24戦で行われる見通しだったが、新型コロナウイルスの影響で中国GPが見送りとなり、エミリア・ロマーニャGPは豪雨災害により中止に。これで22戦での開催となった。
そして2024年は全24戦で実施される予定。これは過去最多のグランプリ数となる。
F1第23戦カタールGP 概要
近日公開予定
カタールGPの成り立ち
Getty Images
2021年にF1初開催となったカタールGPのトラック、ロサイル・インターナショナル・サーキットは、カタールの首都ドーハから約30km北に位置する2004年に建設された比較的新しいサーキットだ。Moto GPなど2輪のレースではおなじみのサーキットだが、F1開催に必要な「グレード1」を保有しており「カタールGP」の舞台に2021年初めて選ばれた。
コースは照明設備を完備しており、2008年にはMoto GP史上初のナイトレースが開催された。今年のカタールGPでも、決勝は現地時間17時のスタートが予定されているため、トワイライトから夜空に移り変わるなか、照明に煌々と照らされるコースで、激しいバトルが繰り広げられることだろう。
なお、2021年、2023年と過去に2度開催され、今回が3度目のF1開催となる。カタールでのF1レースは2033年までの長期契約を結んでおり、今後も同トラックでは多くの名勝負を生むことになりそうだ。
レース開催日程・DAZN配信予定
F1 第23戦 カタールGP / ロサイル・インターナショナル・サーキット(スプリントフォーマット)※日本時間
日時(日本時間) | 配信内容 | 解説・実況 |
---|---|---|
11月29日(金)22:30~ | フリー走行 | |
11月30日(土)2:30~ | スプリント予選 | |
11月30日(土)22:00~ | スプリントレース | |
12月1日(日)2:00~ | 予選 | |
12月2日(月)2:00~ | 決勝 |
サーキットの特徴(ロサイル・インターナショナル・サーキット)
DAZN
約1kmのメインストレートが特徴的なロサイル・インターナショナル・サーキット。右コーナーが10、左コーナーが6つで構成された時計回りのレイアウトで、決勝は1周5.418kmのコースを57周で行う。
中高速コーナーが連続する区間は、マシンには高いコーナリング性能が求められる。また路面が粗くグリップレベルが高いことも相まって、ドライバーには激しい横Gが連続して襲いかかり、身体への負荷が大きい。
このコース最大のオーバーテイクポイントは、DRS区間が設置されるメインストレートの先にある1コーナー。セクター3区間からDRS検知ゾーンを通過し、最終のターン16へといかに入っていくのか、駆け引きにも注目したい。ターン1で勝負が決しなくとも、そこからのトラクション重視により、ターン4までもつれるような接戦も大いに見られる。
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2023年カタールGPの結果
Getty Images
2023年F1第18戦、カタールGP決勝は2023年10月8日に行われた。
この決勝を前に、ピレリのタイヤ事情から特殊なルールが設けられた。ロサイル・インターナショナル・サーキット内のターン12~13などの段差について、走行時にタイヤへ深刻なダメージを負う可能性があるとして、決勝では使用コンパウンドに関係なく、新品タイヤなら18周までしか走行できないことに。
ユーズドタイヤの場合は、そのタイヤでプッシュラップ(アウトラップ、フォーメーションラップなど含まず)を行った周回数分引かれる。
レースは57周で行われるが、18×3で最大54までにしかならない。つまり、一つのタイヤで18周が上限となったことで、各チーム最低3度のピットストップ、第4スティントまで走ることが必須となった。もしタイヤの周回上限を超えた場合は、ブラックフラッグで失格になる。
各ドライバーごとに持ちタイヤのコンパウンド数、新品&中古のセット数がバラバラという中、57周の決勝ではこれまでにないほどの高度なタイヤ戦略が要求されることになった。
そして土曜日のスプリントレースにおいて、セルジオ・ペレスのマシンはグラベル上で出火し、消火作業をしたためにマシンに手が入った。これがパルクフェルメルールに抵触するとして、ペレスはピットレーンスタートとなる。
カルロス・サインツのマシンからは燃料漏れが確認され、こちらは出走することができず。サインツはグリッドに着けずにDNSとなった。これでカタールGP決勝は19台で競うことに。
各ドライバーは第1スティントに多くがミディアムを選択。ルイス・ハミルトン、バルテリ・ボッタス、リアム・ローソン、ケビン・マグヌッセンがソフトを。ピットレーンのペレスはハードをチョイスした。
レースがブラックアウトとなり、ポールスタートのマックス・フェルスタッペンがトップでターン1へと飛び込む。メルセデス2台が同士討ちで絡む状況となり、ハミルトンはそのままグラベルでマシンストップとなった。ジョージ・ラッセルは大きく順位を下げ、オープニングラップの途中でセーフティーカー出動となっている。
SCの時点でトップはフェルスタッペン、2番手オスカー・ピアストリ、3番手フェルナンド・アロンソ、4番手チャールズ・ルクレール、5番手エステバン・オコン、6番手ランド・ノリス、7番手ピエール・ガスリーと続き、8番手には角田裕毅となった。
SC中、4周目の終わりとともにソフト勢がピットに入ってきて、タイヤ交換を行う。そして5/57周目からローリングスタートでレース再開となった。
レーススタートの際、ニコ・ヒュルケンベルグは14番グリッドではなく、サインツの入るはずだった12番グリッドからスタートしたとして、10秒のタイムペナルティが科された。
角田は10/57周目に最初のピットインを済ませ、ミディアムからミディアムへとつないだ。一度最後尾に回ったものの、角田はこれでクリーンエアでの走行となる。ここから各ドライバーが徐々にタイヤチェンジへと入っていった。
17周になり、タイヤ未交換がこぞってピットへと入ってくる。これで一通り全車ピットインを終えた状態で、トップはフェルスタッペン。8秒後方に2番手ピアストリ、3番手ボッタス、4番手フェルナンド・アロンソ、5番手ストロール、6番手ノリス、7番手ルクレール、8番手オコン、9番手ガスリーという順番になっている。
角田は第2スティントのミディアムで13周走行し、23周目にピットへと入ってハードの第3スティントへ移行した。タイヤの使用周回数がバラバラながら、角田は事実上アレクサンダー・アルボンとのアンダーカット合戦を行う形に。
トップのフェルスタッペンは35周目に2度目のピットインを行い、ハードへとスイッチ。後方ピアストリとの差は約6秒で、コントロールしながらトップでの周回を続けた。
40/57周目からはピットストップに入るマシンが増えていく。ここから先に新品のタイヤに履き替えたドライバーは、あとは最後まで走り切る流れとなった。
ローガン・サージェントは41周目、体調不良を訴えてピットに入り、そこでレースを終えている。これでレースは17台となった。完走を断念したサージェントの体調不良なども含め、各ドライバーは脱水症状によるレースでの消耗が顕著に。走行中にはヘルメットのバイザーを開けたり、ストレート区間では両手をステアリングの上で走行風に当てて冷やす場面も見られた。
そしてターン5やターン12でトラックリミット違反を取られるケースが多発。ペレスやガスリーは複数回の5秒加算が科されている。
フェルスタッペンは52周目に最後のタイヤ交換を行い、ミディアムを装着してトップでトラックへと戻る。4秒後方に2番手ピアストリ、そこから1.7秒差で3番手ノリスという並びになった。
結局フェルスタッペンがそのまま盤石のレースで逃げ切り、終盤にはファステストラップも記録して57周目のフィニッシュチェッカーを受けた。2位には4.8秒差でピアストリ、そこから1.1秒差で3位ノリスとなった。フェルスタッペン&マクラーレン勢のトップ3は、前レースの日本GPと同じ顔ぶれとなっている。
4位は1周目のターン1でコースアウトしたラッセル。その後は抜群のレースペースを示しながらP4まで押し上げてきた。
5位ルクレール、6位アロンソ、7位オコン、8位ボッタス、9位チョウ・グァンユ、10位ペレスまでがポイントを手にした。
角田裕毅はP15。ライバル勢のウィリアムズ、ハースと競った展開の中、レースペースで伸び悩み、15位フィニッシュとなっている。