2023シーズンのF1は当初24戦で行われる見通しだったが、新型コロナウイルスの影響で中国GPが開催見送りとなり、エミリア・ロマーニャGPは豪雨災害により中止に。これで22戦での実施となった。
そして2024年は全24戦で実施される予定。これは過去最多のグランプリ数となる。
なお、第1戦バーレーンGP、第2戦サウジアラビアGPと開幕2戦までは土曜日が決勝実施日となる。3月途中からラマダンの時期に入るため、その前の序盤2レースは決勝日が従来の前日にスライドすることに。
F1第2戦サウジアラビアGP 概要
ついに新たなシーズンが幕を開けたF1。開幕戦バーレーンGPの興奮冷めやらぬうち、間髪入れずすぐさま第2戦サウジアラビアGPが開催される。
開幕戦ではマックス・フェルスタッペンとセルジオ・ペレスがワンツーフィニッシュを果たし、レッドブルが完勝。昨季からの圧倒的な強さを再び目の当たりにすることとなった。次戦の舞台はこれまで3度の開催で、幾多のドラマを生み出してきたジェッダ市街地コース。
史上最速の市街地コースとも評されるジェッダでは、手に汗握るスリリングなバトルが見物だ。バーレーンよりも高速で路面もスムーズなこのサーキットでは、開幕戦での勢力図が変わる可能性も大いにある。
昨年の優勝者はストリートサーキットで無類の強さを発揮するセルジオ・ペレス。予選ではここ2年連続でトップタイムを記録し、ポールポジションを獲得している。“ストリートファイター”ペレスは、得意とするサウジアラビアGPで再び輝きを放つことができるだろうか。
今季も他を寄せつけぬ異次元の強さが健在の絶対王者フェルスタッペンに対抗しうるドライバーは現れるのか。世界が注目する第2ラウンドが始まる。
サウジアラビアGPの成り立ち
Getty Images
紅海を望むサウジアラビア第2の都市・ジェッダに建設された「ジェッダ市街地コース」が、F1人気の高い中東の開催地として2021年よりカレンダーに加わった。これまでに多くのサーキット建設に携わったヘルマン・ティルケ氏による設計だが、これまでのものとは一線を画す特徴的なコースとなっている。
「ドライバーが挑戦したくなるようなサーキット」をテーマとしてデザインされており、サーキットの全長は6.147kmで、カレンダー中ベルギーGPに次ぐ2番目の長さで、コーナー数は最多。しかし、多くのコーナーは全開もしくはブレーキを必要としない程度の緩やかなレイアウトになっており、1周の平均速度は時速250kmと予想される。これはイタリアGPが行われるモンツァに次ぐスピードで、「歴代最速の市街地レース」となる。
高速コーナーの連続は、強烈なダウンフォースを持つ現代のF1マシンの特徴をいかんなく発揮できるため、猛スピードでコーナーを駆け抜ける迫力満点の走行にも注目だ。
また、ドライバーたちにとって難易度を高めるのが、市街地コース特有のガードレールだ。ランオフエリアはほとんどなく、ブラインドコーナーも多いため、一つのミスでリタイアになりかねない。そのため、決勝ではセーフティーカー出動によって、波乱のレース展開になる可能性も少なくないだろう。予選でもトラフィックに引っかからず、いかにクリーンラップで良いタイムを出せるかが上位グリッド獲得のカギとなる。
2022年は予選中にミック・シューマッハがコース上で大クラッシュ。マシンの修復が困難な状況かつ本人の経過観察に伴い、翌日の決勝ではグリッドに着けなかったというケースも生まれている。
レース開催日程・DAZN配信予定※日本時間
第2戦 サウジアラビアGP / ジェッダ・コーニッシュ・サーキット
日時 | 配信内容 | 解説・実況 |
---|---|---|
3月7日(木) 22:30~ | フリー走行 1回目 | 実況:サッシャ コメンテーター:浅木泰昭 |
3月8日(金) 2:00~ | フリー走行 2回目 | 実況:サッシャ 解説:田中健一 |
3月8日(金) 22:30~ | フリー走行 3回目 | 実況:サッシャ 解説:小倉茂徳 |
3月9日(土) 2:00~ | 予選 | 実況:サッシャ 解説:中野信治 |
3月10日(日) 2:00~/配信開始1:10~ | 決勝 | 実況:サッシャ 解説:中野信治 |
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サーキットのレイアウト(ジェッダ・コーニッシュ・サーキット)
Getty Images
6kmを超える全長に27のコーナー、3か所のDRS区間を持つ、他に類を見ない特徴的な市街地サーキットで行われるサウジアラビアGP。決勝は50周で行われる。
メインストレートの先にある左→右のシケインを抜けると、そこから左右に流れるようなカーブを繰り返してターン13へ。大きなヘアピンカーブを抜けると再び緩やかにコーナーが連続し、ターン19から22まではDRS区間になっており、アクセル全開で勢いよく駆け抜ける。左曲がりのほぼストレート区間であるターン25~26を通過して、最終コーナーで大きく曲がり、メインストレートに戻ってくる。
オーバーテイクを最重要課題に盛り込んだレイアウトでもあるが、エスケープゾーンが少なく、ミスがそのまま致命的なことにもなり得る。そのため、接触からすぐさまセーフティーカー入りという展開も十分に考えられる。2022年にはハースのミック・シューマッハが予選で大クラッシュを喫したため、決勝に出走できないという事例も起こっている。
グランドエフェクト要素の強まった2022年は、DRS検知ポイントでライバルより前にいたくないという状況から、ターン27の手前で過剰に減速するという駆け引きも頻発した。
だが2023年は最終ターン27を立ち上がり、ホームストレートに入ってから170メートル地点にDRSの検知ポイントが変更された。そのため、ブレーキングゾーンでの不自然な減速は前年に比べて大きく減っている。
2023年サウジアラビアGPの結果
Getty Images
2023年F1第2戦、サウジアラビアGP決勝ではドライバー16名が第1スティントにミディアムを選択。7番グリッドのルイス・ハミルトン、最後尾のローガン・サージェントがハードを選んだ。12番グリッドのチャールズ・ルクレール、19番グリッドのランド・ノリスがソフトをチョイスしている。
レースがブラックアウトとなり、2番手スタートのフェルナンド・アロンソがトップでターン1に飛び込む。だがその直後、アロンソのスタート位置に誤りがあったとアナウンスされ、5秒のタイムペナルティとなった。
アロンソ、セルジオ・ペレス、ジョージ・ラッセル、ランス・ストロールの順番で1周目を終えた。オスカー・ピアストリはスタート直後に接触があり、すぐさまウイング交換を余儀なくされている。
4/50周目のターン1でペレスがアロンソをパスし、トップを取り戻した。後方では15番手スタートのマックス・フェルスタッペンが6周時点で11番手までポジションを上げた。16番グリッドからレース開始の角田裕毅も14番手までアップしている。
ペレスとアロンソだけ1ラップ1分34秒台を連発し、3番手以下は1秒ほど遅いペースで周回を重ねる。
11/50周目にはチョウ・グァンユやニコ・ヒュルケンベルグがピットに入り、ハードの第2スティントへ。ここからハードにつなぐドライバーが徐々に出てくる。
18周目、ストロールが突如トラブルによりターン14でマシンストップ。その後セーフティーカー導入となり、これで第1スティント勢は続々とピットに入ってくる。角田も第2スティントにつなぎ、アンダーカットに成功。アルピーヌ勢の前でピットアウトとなった。
これでサージェント以外すべてのマシンがタイヤ交換義務を消化し、ペレス、アロンソ、ラッセル、フェルスタッペン、カルロス・サインツ、ルイス・ハミルトン、ルクレールと続き、角田は8番手まで一気にジャンプアップしている。
21/50周目よりローリングスタートでレース再開。隊列が詰まったものの、大きな混乱はなく各マシンは周回を重ねていく。24周目にDRSが使用可能となった後、角田はエステバン・オコンとピエール・ガスリーに抜かれ、10番手に順位を落とした。
トップのペレスが逃げ、5秒後方には2番手のフェルスタッペン。両者がファステストラップを連発する展開となる。レッドブル勢の2人だけ1分32秒台で周回を重ねていき、3番手以下が引き離される。
アルピーヌの2人に抜かれた角田は10番手を走行。後方から迫るケビン・マグヌッセンと1秒前後を推移しつつ、駆け引きが続いた。
37/50周目に入ると、2番手走行中のフェルスタッペンがマシンに異音があると無線で主張。それでもペースを守りながらペレスを追っていく。ペレスとフェルスタッペンの差は約5秒。そこから3番手アロンソまで17秒も開き、レースは完全にレッドブル1-2のマッチレース状態となった。
46周目、角田はずっとマグヌッセンと戦ってきたが、ロングストレートのDRSゾーンで抜かれ、P11にポジションを落としてしまう。
ペレスはその後もペースを落とさず、2番手フェルスタッペンに約7秒の差をつけて、2戦目で同シーズン初優勝を飾った。15番手スタートのフェルスタッペンが2位に入り、開幕から2戦連続のレッドブル1-2となった。
その15秒後方でアロンソが3番手フィニッシュ。表彰台に上がったものの、この後一度アロンソにはSC中のペナルティ消化が不十分だったとして、10秒ペナルティ加算により4位降格とスチュワードで発表された。だがさらにその後、アストンマーティンの抗議を受け、検証してペナルティを取り消し。アロンソが3位表彰台で決着となった。スペイン人ドライバーはこれがキャリア100度目のポディウムとなる。
4番手ラッセル、5位ハミルトン、6位サインツ、7位ルクレール、8位オコン、9位ガスリーと続き、10位マグヌッセンまでが入賞となった。
角田はマグヌッセンから2.6秒差で11位フィニッシュ。前レース開幕戦と同様の順位で、またしてもあと一歩ポイントに手が届かなかった。
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直近のDAZN番組表(F1)チーム・ドライバー
日程・番組表
レース | フリー走行・予選 | 決勝 | |
---|---|---|---|
第1戦 | バーレーンGP | 2月29日(木) ~3月1日(金) | 3月2日(土) |
第2戦 | サウジアラビアGP | 3月7日(木) ~8日(金) | 3月9日(土) |
第3戦 | オーストラリアGP | 3月22日(金) ~ 3月23日(土) | 3月24日(日) |
第4戦 | 日本GP | 4月5日(金) ~ 6日(土) | 4月7日(日) |
第5戦 | 中国GP | 4月19日(金) ~ 20日(土) | 4月21日(日) |
第6戦 | マイアミGP | 5月3日(金) ~ 4日(土) | 5月5日(日) |
第7戦 | エミリア・ロマーニャGP | 5月17日(金) ~ 18日(土) | 5月19日(日) |
第8戦 | モナコGP | 5月24日(金) ~ 25日(土) | 5月26日(日) |
第9戦 | カナダGP | 6月7日(金) ~ 8日(土) | 6月9日(日) |
第10戦 | スペインGP | 6月21日(金) ~ 22日(土) | 6月23日(日) |
第11戦 | オーストリアGP | 6月28日(金) ~ 29日(土) | 6月30日(日) |
第12戦 | イギリスGP | 7月5日(金) ~ 6日(土) | 7月7日(日) |
第13戦 | ハンガリーGP | 7月19日(金) ~ 20日(土) | 7月21日(日) |
第14戦 | ベルギーGP | 7月26日(金) ~ 27日(土) | 7月28日(日) |
第15戦 | オランダGP | 8月23日(金) ~ 24日(土) | 8月25日(日) |
第16戦 | イタリアGP | 8月30日(金) ~ 31日(土) | 9月1日(日) |
第17戦 | アゼルバイジャンGP | 9月13日(金) ~ 14日(土) | 9月15日(日) |
第18戦 | シンガポールGP | 9月20日(金) ~ 21日(土) | 9月22日(日) |
第19戦 | アメリカGP | 10月18日(金) ~ 19日(土) | 10月20日(日) |
第20戦 | メキシコGP | 10月25日(金) ~ 26日(土) | 10月27日(日) |
第21戦 | サンパウロGP | 11月1日(金) ~ 2日(土) | 11月3日(日) |
第22戦 | ラスベガスGP | 11月21日(木) ~ 22日(金) | 11月23日(土) |
第23戦 | カタールGP | 11月29日(金) ~ 30日(土) | 12月1日(日) |
第24戦 | アブダビGP | 12月6日(金) ~ 7日(土) | 12月8日(日) |