2023シーズンのF1は当初24戦で行われる見通しだったが、新型コロナウイルスの影響で中国GPが開催見送りとなり、エミリア・ロマーニャGPは豪雨災害により中止に。これで22戦での開催となった。
そして2024年は全24戦で実施される予定。これは過去最多のグランプリ数となる。
F1第3戦オーストラリアGP 概要
開幕からの中東2連戦を終え、2024F1グランプリ第3戦オーストラリアGPが開催される。
今シーズンここまでは、開幕戦に続き第2戦サウジアラビアGPでもレッドブルがワンツーフィニッシュを達成し、早くも独走態勢を築きつつある。特にマックス・フェルスタッペンは後続を寄せつけない圧倒的な強さでグランプリを支配している状況だ。
次戦オーストラリアGPの舞台アルバート・パーク・サーキットは、人造湖を囲む公園内の公道を一部使用する半公道コース。例年セーフティカーの出動率が高く、不確定要素を読み切る戦略も重要になる。昨年は三度の赤旗で計8台がリタイアするなど大荒れとなったが、今年はどんな展開が待ち受けているのだろうか。
また、オーストラリアGPは時差が少ないため、日本のファンにとっては数少ない観戦しやすい時間帯のグランプリでもある。さらに日本GP直前のレースでもあるため、注目度の高い一戦と言える。このままレッドブルの独走を許すのか、あるいは待ったをかける者が現れるのか。シーズン序盤の大一番は見逃せない。
オーストラリアGPの成り立ち
(C)Getty Images
舞台はメルボルンにあるアルバート・パーク・サーキット。近年は第3戦だが1996年以降、ほとんどの年で開幕戦の舞台となっていたため「開幕=オーストラリアGP」という印象の方も多いだろう。
この市街地コースでは、毎年F1以外のレースは行われていないのだが、中止となった2021年にサーキットのレイアウト変更を実施。コーナーの角度を緩くしたり、右・左と続く連続シケインを全開走行可能ななだらかなカーブに変更。よりレースを盛り上げるために、平均走行速度もラップタイムも早める方針で大型改修を行った。
コース幅が狭く、ストレートが短いため、比較的コース上での追い抜きは少ないオーストラリアGPだが、2022年より細かなレイアウト改修が重ねられており、ドライバー間の駆け引きも見どころ十分。2023年は3度赤旗の荒れた展開にもなり、今季はどのようなバトルが繰り広げられるのか、とても興味深い。
レース開催日程・DAZN配信予定※日本時間
第3戦 オーストラリアGP / アルバート・パーク・サーキット
日時 | 配信内容 | 解説・実況 |
---|---|---|
3月22日(金)10:30~ | フリー走行 1回目 | 実況:サッシャ コメンテーター:浅木泰昭 |
3月22日(金)14:00~ | フリー走行 2回目 | 実況:サッシャ 解説:小倉茂徳 |
3月23日(土)10:30~ | フリー走行 3回目 | 実況:サッシャ 解説:柴田久仁夫 |
3月23日(土)14:00~ | 予選 | 実況:サッシャ 解説:小倉茂徳 |
3月24日(日)13:00~/配信開始12:20~ | 決勝 | 実況:サッシャ 解説:中野信治 |
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サーキット(アルバート・パーク・サーキット)
DAZN|Getty Images
オーストラリアのメルボルンにあるアルバート・パーク内の湖を周回する道路を使った半公道サーキット。1周は5.303km、全58周で行われる。
常設のサーキットではないため、ランオフエリアが狭い。そして路面はバンピーで滑りやすいことから、荒れたレース展開になることでも知られている。
DRSが4カ所あり、そのDRSが2度続くセクションが大まかに2つとなる。そのため、DRS計測地点で相手の後ろに付け、そこから2つのDRSを使ってどうオーバーテイクを仕掛けるのかという点が大きな注目ポイントとなる。
ターン8~9にかけてのDRS区間は、危険だという指摘もあり、2022年には廃止となったが、2023年はDRS区間復活となった。今季もターン9の飛び込みに向けたアプローチ、その駆け引きに注視したい。
2023年オーストラリアGPの結果
Getty Images
決勝では多くのドライバーがミディアムのコンパウンドを第1スティントに選択。アルピーヌとアルファロメオの2チーム4人がソフト、ニック・デ・フリースとローガン・サージェント、セルジオ・ペレスがハードを選んでいる。
レースがブラックアウトになり、2番グリッドのジョージ・ラッセルがトップでターン1に飛び込む。ターン3でルイス・ハミルトンがマックス・フェルスタッペンを抜き、これでメルセデス1-2の状態に。
ターン3ではチャールズ・ルクレールがランス・ストロールと接触してコースアウトを喫し、そのままマシンストップ。そのままレースはセーフティーカー導入となった。
ここですぐさまピットインするマシンも出てくる。エステバン・オコン、チョウ・グァンユ、バルテリ・ボッタスはハードに履き替え、タイヤ交換義務を早くも消化。サージェントとペレスに至ってはハードスタートからミディアム、ハードと立て続けに2度のタイヤ交換を行い、これで最後まで走り切る流れになっている。
4/58周目よりセーフティーカーエンドでローリングスタート。ラッセル、ハミルトン、フェルスタッペン、カルロス・サインツ、フェルナンド・アロンソの順番でレースが進む。角田裕毅は10番手で前のニコ・ヒュルケンベルグを追いかける展開となる。
すると7周目のターン6で、6番手走行中のアレクサンダー・アルボンがグラベルからウォールにヒットし、そのままリタイア。レースはセーフティーカー導入が確実と見越したドライバーが、続々とピットへと入ってくる。
ラッセルやサインツがピットに入り、タイヤをチェンジ。これでハミルトンがラップリーダーに。フェルスタッペン、アロンソ、ストロール、ピエール・ガスリー、ヒュルケンベルグの順番となった。
だがターン6ではデブリや砂が散っていることから、赤旗中断に切り替わる。これにより再開までにタイヤ交換が可能となるため、ステイアウトしていたクルマが得をする流れになった。
赤旗中断は15分ほど。トップはハミルトン。フェルスタッペン、アロンソ、ストロール、ガスリー、ヒュルケンベルグ、ラッセル、角田、ランド・ノリス、オスカー・ピアストリの順番で、スタンディングスタートでの再開となった。ほとんどのマシンがハードのコンパウンドに履き替え、タイヤストックの事情からデ・フリースとサージェントのみがミディアムを装着している。
10周目から2度目のスタートとなり、ハミルトン、フェルスタッペン、アロンソ、ガスリー、ラッセル、ストロール、ヒュルケンベルグと続き、角田は8番手に。12周目のバックストレートでフェルスタッペンが仕掛け、ハミルトンを抜いてトップに浮上した。
角田は後方から迫るサインツ、ランド・ノリスのレースペースが速く、15周目には10番手までポジションを落としてしまう。
18周目に入るタイミングで、4番手走行中ラッセルのマシンから火が出る。ラッセルはピットレーン出口でマシンをストップさせたため、これでピットクローズド状態に。レースはバーチャルセーフティーカーとなった。
20/58周目よりグリーンフラッグに。ここからトップのフェルスタッペンが独走態勢に入り、2番手のハミルトン以下を突き放しにかかる。
角田は9番手で走行するも、後方から迫ってきたペレスのレースペースが速く、23周目には再びP10に順位を落とした。28周目のターン9ではオコン、29周目にはピアストリにも抜かれ、角田は12番手となる。35周目にはチョウ、マグヌッセンにもパスされ、P14となった。
トップのフェルスタッペンはレースペースをコントロールしながらのクルーズ状態になり、時折ファステストラップを叩き出す。10秒後方にハミルトンがいて、そこからアロンソ、サインツ、ガスリーの間隔がいずれも2秒以内に詰まる。
47周目のターン13でフェルスタッペンが止まれず芝生に飛び出すも、大勢には影響なし。終盤にはトラックエボリューションが効力を発揮し、各マシンはタイヤが劣化した状態ながらラップタイムは逆に上がっていく状況となる。
54/58周目、マグヌッセンがターン2の壁にヒット。そのままレースを終えることになった。右リアのタイヤ含め、デブリがコース上に散乱していることもあり、レースはセーフティーカー導入となった。
ここで角田やチョウ、ボッタスを始め、ソフトタイヤに変更するドライバーが出てくる。そしてレースは残り2周で再び赤旗中断となった。
レースは現地時間16:56にスタンディングスタートで再開とアナウンスされる。残り2ラップのみのスプリントレースがブラックアウトとなり、ターン1~2にかけて複数の接触が発生。オコンとガスリーは同士討ち、サージェントがデ・フリースに追突し、それぞれがマシンストップ。この直後、すぐさま同レース3度目の赤旗となった。
なお、13番手からスタートを切った角田はこの混乱に乗じ、P5まで一気にジャンプアップ。だがレース再開のアナウンスでは、1周のみで赤旗前の順位、17:33に開始と発表。4度目のスタートではフェルスタッペン、ハミルトン、アロンソ、サインツ、ストロール、ペレス、ノリス、ヒュルケンベルグ、ピアストリ、チョウ、角田、ボッタスの順番となった。
サインツはターン1でアロンソに接触したことにより、5秒のタイムペナルティ加算とここで発表されている。
残り1周のみの再開は、スタンディングではなくローリングスタートに。そのため、セーフティーカー先導のパレードランでファイナルラップを消化する形に。フェルスタッペンがそのままトップチェッカーとなり、2023年の2勝目をマーク。オーストラリアでは自身初勝利となった。2位ハミルトン、3位アロンソと、ワールドチャンピオン経験者3人が表彰台に上がっている。
4位ストロール、5位ペレス、6位ノリス、7位ヒュルケンベルグ、8位ピアストリ、9位チョウと続き、角田裕毅はサインツのペナルティにより10位フィニッシュ。2023年初の入賞となった。
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チーム・ドライバー
日程・番組表
レース | フリー走行・予選 | 決勝 | |
---|---|---|---|
第1戦 | バーレーンGP | 2月29日(木) ~3月1日(金) | 3月2日(土) |
第2戦 | サウジアラビアGP | 3月7日(木) ~8日(金) | 3月9日(土) |
第3戦 | オーストラリアGP | 3月22日(金) ~ 3月23日(土) | 3月24日(日) |
第4戦 | 日本GP | 4月5日(金) ~ 6日(土) | 4月7日(日) |
第5戦 | 中国GP | 4月19日(金) ~ 20日(土) | 4月21日(日) |
第6戦 | マイアミGP | 5月3日(金) ~ 4日(土) | 5月5日(日) |
第7戦 | エミリア・ロマーニャGP | 5月17日(金) ~ 18日(土) | 5月19日(日) |
第8戦 | モナコGP | 5月24日(金) ~ 25日(土) | 5月26日(日) |
第9戦 | カナダGP | 6月7日(金) ~ 8日(土) | 6月9日(日) |
第10戦 | スペインGP | 6月21日(金) ~ 22日(土) | 6月23日(日) |
第11戦 | オーストリアGP | 6月28日(金) ~ 29日(土) | 6月30日(日) |
第12戦 | イギリスGP | 7月5日(金) ~ 6日(土) | 7月7日(日) |
第13戦 | ハンガリーGP | 7月19日(金) ~ 20日(土) | 7月21日(日) |
第14戦 | ベルギーGP | 7月26日(金) ~ 27日(土) | 7月28日(日) |
第15戦 | オランダGP | 8月23日(金) ~ 24日(土) | 8月25日(日) |
第16戦 | イタリアGP | 8月30日(金) ~ 31日(土) | 9月1日(日) |
第17戦 | アゼルバイジャンGP | 9月13日(金) ~ 14日(土) | 9月15日(日) |
第18戦 | シンガポールGP | 9月20日(金) ~ 21日(土) | 9月22日(日) |
第19戦 | アメリカGP | 10月18日(金) ~ 19日(土) | 10月20日(日) |
第20戦 | メキシコGP | 10月25日(金) ~ 26日(土) | 10月27日(日) |
第21戦 | サンパウロGP | 11月1日(金) ~ 2日(土) | 11月3日(日) |
第22戦 | ラスベガスGP | 11月21日(木) ~ 22日(金) | 11月23日(土) |
第23戦 | カタールGP | 11月29日(金) ~ 30日(土) | 12月1日(日) |
第24戦 | アブダビGP | 12月6日(金) ~ 7日(土) | 12月8日(日) |