2023シーズンのF1は当初24戦で行われる見通しだったが、新型コロナウイルスの影響で中国GPが見送りとなり、エミリア・ロマーニャGPは豪雨災害により中止に。これで22戦での開催となった。
そして2024年は全24戦で実施される予定。これは過去最多のグランプリ数となる。
第9戦:カナダGP概要
モナコGPでチャールズ・ルクレールが感動的なホーム初勝利を飾った後、F1の舞台は再び北米へ。
今回のカナダGPはカレンダーの中でも最も見ごたえのあるレースのひとつであり、オーバーテイクが容易ではなかった過去の2戦と比べて様々な追い抜きポイントがあることがこのサーキットの魅力だ。
開幕戦前、今年もレッドブルの絶対的な支配が予想された中、蓋を開けてみれば8戦を終了してすでに4人の異なるドライバー、3つの違うチームが優勝を記録するなど波乱のシーズンとなっており、次戦もし烈なフロントロウ争いが期待される。
また、今季大躍進を遂げている角田裕毅は現在8戦中6戦Q3に進出しており、直近のレースでは中国GPを除いて6戦中5戦入賞を果たしている。すでに昨年の得点数(17ポイント)を超えた19ポイントを獲得して、堂々のドライバーズランキング10位をキープ。この成長著しい4年目のドライバーから今週末も目が離せない。
コースの成り立ち
Getty Images
ジル・ヴィルヌーヴ・サーキットが完成したのは1978年。モントリオールを流れるセント・ローレンス川の中洲に、当時はサーキット・イル・ノートルダムの名前で建設された。中洲はノートルダム島という人工島で、1976年のモントリオールオリンピックでは、ボート競技の会場にもなった場所であり、五輪後は水と緑に囲まれた市民が集う公園となっていた。
F1初開催もサーキット完成と同じく1978年。それ以来、40年以上に渡って、カナダGPの舞台として様々な名勝負が生まれてきた。
1982年には、その年のベルギーGP予選で事故死したカナダの国民的英雄、ジル・ヴィルヌーヴの功績を称えて、サーキット名にその名前を冠することとなった。
このサーキットでは、印象的な初優勝を挙げたドライバーが多く、1995年にはジャン・アレジがキャリア唯一の勝利をマークしている。その他にも1年目から速さを見せつけた2007年のルイス・ハミルトンや、マシンが大破する大クラッシュの翌年(2008年)にポーランド人としてF1初優勝を果たしたロバート・クビサ、完走13台という波乱のレースを制した2014年のダニエル・リカルドなど、様々なストーリーが紡がれてきた。
市街地からのアクセスも良く、例年多くのF1ファンが駆け付けるジル・ヴィルヌーヴ・サーキット。しかし、新型コロナウイルスの影響で2020年から2年連続で開催がキャンセルとなり、2022年は3年ぶりのF1開催となった。そして2023年、2024年と3シーズン連続での実施となる。
レース開催日程・DAZN配信予定
F1 第9戦 カナダGP / サーキット・ジル・ヴィルヌーヴ
日時(日本時間) | 配信内容 | 解説・実況 |
---|---|---|
6月8日(土)2:30~ | フリー走行1回目 | 実況:サッシャ コメンテーター:浅木泰昭 |
6月8日(土)6:00~ | フリー走行2回目 | 実況:サッシャ 解説:田中健一 |
6月9日(日)1:30~ | フリー走行3回目 | 実況:サッシャ 解説:小倉茂徳 |
6月9日(日)5:00~ | 予選 | 実況:サッシャ 解説:中野信治 |
6月10日(月)3:00~ | 決勝 | 実況:サッシャ 解説:中野信治 |
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サーキットのレイアウト(ジル・ヴィルヌーヴ・サーキット)
DAZN|Getty Images
4つの長いストレートを、ヘアピンとシケインで繋いだようなレイアウトとなっており、ストップ・アンド・ゴーの特性がやや強い。急減速と急加速を繰り返すため、ブレーキ性能とパワーが求められるトラックでもある。1周は4,361mと平均的だが、平均速度は時速200km近くに達し、最高速は時速350kmにもなる。
ストレートが長いため、スリップストリームを使った追い抜きは比較的容易となり、最終コーナーのシケインでは今年も多くの追い抜きが見られるだろう。しかし、このシケインは要注意だ。外側には「チャンピオンズ・ウォール」と呼ばれるコンクリートウォールがあり、コース幅ギリギリを攻めるとあえなく壁の餌食となってしまう。これまでミハエル・シューマッハやナイジェル・マンセル、ジャック・ヴィルヌーブといった歴代のワールドチャンピオンがその壁にぶつかってきたことから、その名が付いている。
2023年カナダGPの結果
Red Bull Content Pool
2023年のF1第9戦、カナダGP決勝は2023年6月18日行われた。
日曜日の現地モントリオールは前日の雨とは異なり、晴天のドライコンディションとなった。
決勝では20人中16人がミディアムを第1スティントに選んだ。12~14番グリッドのセルジオ・ペレス、ケビン・マグヌッセン、バルテリ・ボッタスはハードをチョイス。15番グリッドのピエール・ガスリーはソフトを選んでいる。
レースがブラックアウトとなり、マックス・フェルスタッペンがトップでターン1へと入っていく。3番グリッドのルイス・ハミルトンが2番手に上がり、以下フェルナンド・アロンソ、ジョージ・ラッセルという順番でオープニングラップを終えた。
19番グリッドからレース開始の角田裕毅は1周目の終わりに早くもピットに入り、ハードタイヤの第2スティントに切り替えている。
7/20周目、ローガン・サージェントがマシントラブルによりターン6過ぎでストップ。レースは一時的にバーチャルセーフティーカーとなるものの、すぐさまグリーンフラッグとなった。
レースはフェルスタッペンがトップを快走し、11/70周目には2番手ハミルトンとの差を3.5秒まで広げる。
11周目からガスリーやニコ・ヒュルケンベルグ、ランス・ストロールなどもピットに入り、ハードタイヤに切り替えた。すると12周目の途中にラッセルがウォールにヒットし、ここでレースはセーフティーカーとなる。ここでタイヤ未交換組は一気にピットへと入ってきた。
角田はクリーンエアでここまで良いレースペースを示していたものの、セーフティーカー導入のタイミングがあまり特にならず。この時点で13番手となっている。
セーフティーカーエンディングとなり、17/70周目よりローリングスタートでレース再開。ここからは大きな混乱なく、18周目のホームストレートに各車戻ってきた。
22周目には3番手アロンソが前のハミルトンを抜いて2番手に浮上。約3秒前のフェルスタッペンを追う展開となる。
13番手の角田は、11番手ケビン・マグヌッセン、12番手アレクサンダー・アルボンと続くトレインに付き合う形になっていた。29周目にアルボンがマグヌッセンを抜き、ここから角田は前のマグヌッセンを追いかける。
角田は35周目に入るタイミングでハードからハードにつないで第3スティントに入るも、このピットインで6秒ほどストップに時間がかかってしまった。
スタートからミディアムで粘っていたフェラーリ勢も40周手前でピットへ入り、ハードにつないだ。上位3台も3番手ハミルトン、2番手アロンソ、トップのフェルスタッペンという順番で、セオリー通りにタイヤ交換を実施。これで各車は最後まで走り切る流れとなる。
49/70周目のターン13で角田はヒュルケンベルグを抜き、15番手に浮上している。ここからは4.4秒前方のガスリーを追う。
一度ウォールに接触し、SCを誘発したラッセルは入賞圏内で戦っていたものの、55周目にブレーキの問題でリタイアを余儀なくされた。
トップはフェルスタッペンがクルーズ状態で先導し、残り10周で8秒後方に2番手アロンソ、そこからさらに1.8秒差でハミルトンが3番手という並びに。結局フェルスタッペンとアロンソは後方との差を意識しつつ、ペースコントロールした走りに徹し、そのままフィニッシュチェッカーを受けた。
フェルスタッペンは2023年の6勝目をマークし、通算F1勝利記録を41に伸ばした。故アイルトン・セナに並ぶ歴代5位タイ(当時)に浮上した。なお、オランダ人ドライバーはPPのうえに全周回トップだったが、ファステストラップは逸したために2戦連続のグランドスラムとはならなかった。
2位アロンソ、3位ハミルトンと続き、表彰台の顔ぶれはワールドチャンピオン経験者が並んだ。4位ルクレール、5位サインツと続き、6位ペレスがファステストラップの1ポイントも加えた。
1度のタイヤ交換で粘りのロングランを見せたアレクサンダー・アルボンが殊勲の7位入賞となった。8位エステバン・オコン、9位ストロール、10位ボッタスまでがポイントを手にしている。
角田は2度のタイヤ交換で堅実な走りを見せたが、2度目のピットインでのタイムロスが響き、14番手でフィニッシュ。ウィリアムズのアルボンが6ポイントを加えたため、アルファタウリは同年のコンストラクターズランキングで最下位に転落する結果となった。