元王者アロンソ、角田裕毅のライン取りに警告のジェスチャー「なぜツノダが押し出そうとしたのかわからない。僕は芝生でも、片手でも問題ないよ」｜F1

アルピーヌのフェルナンド・アロンソが、第11戦オーストリアGPを終えてコメントを発している。その中ではターン3～4のDRS区間で幅寄せをされる形になった角田裕毅についても言及した。

アロンソは第11戦、スプリントレースのスタート前にマシントラブルが発生したため、土曜日の午後はレースに参加することなくセッションを終えた。日曜の決勝では最後尾スタートとなるはずだったが、バルテリ・ボッタスのグリッド降格ペナルティにより、アロンソは19番グリッドから決勝開始となった。

決勝でアロンソはタイヤをいたわりながら徐々に順位を上げていき、第2スティントの34周目にはターン3～4のDRS区間で角田をオーバーテイクした。だがこの時、トラクションのかかりが良いアロンソが並びかけ、角田はコース外に押し出すようなライン取りを行ったことから、アロンソは角田を抜いたあとにコクピット内から右手のジェスチャーで「それはダメだ」と諭す場面も。

結局アロンソはその後も粘りの走りを見せ、ファイナルラップではボッタスをターン3で抜き、なんとか入賞圏内の10位で1ポイントをもぎ取った。

スペイン人ドライバーはレース後「もっと前でフィニッシュもできたんだろうけど。まあ仕方ない」と怒涛の追い上げも満足ではないポジションだと口にしている。その言葉をスペイン版『DAZN』が伝えた。

「今シーズンはトラック上で理解しがたいことが多々ある。ただ、後半戦はもっとうまく結果につながるよう頑張る必要があるね。チームは良い仕事をしてくれたと思うよ」

「それにしてもハードなレースだった。後ろから他のドライバーを抜きたくても、多くのマシンがDRSトレインに乗っていて、追い越すことがイージーではなかった。かなり時間を失ったよ」

「正直、もっとスムーズにできれば6位ぐらいでのフィニッシュも可能だったと思う。タイヤのデグラデーションもおかしかったし、変な振動が出てしまった。結果としてピットストップの回数も想定以上になってしまったんだ」

34周目、ターン3～4の区間で角田に押し出され、右タイヤが芝生に出たときのことについては、次のように振り返っている。

「自分は芝生を走るハメになってしまったね。なぜツノダが僕を押し出そうとしたのかはわからない。ただ、あの区間はDRSでもあるし、自分も立ち上がりからすでに並びかけている状況だったから、引くわけにはいかない」

「実際に並列していたわけだし、高速区間でそのようなことは避けるべきだと思う。もしかしたらそのラインが見えていなかったのかもしれないけどね」

40歳アロンソはF1で2年目の角田について苦言を呈しつつ「ただ、僕は大丈夫だった。草の上を走っても、（ジェスチャーのため）片手でドライブしても問題ないよ」と笑いながらそのシーンについて回顧している。

このレースでは16位フィニッシュとなった角田は、レースペースが足りずに大苦戦したことを認めている。そして自身のSNSでは、アロンソが自身にジェスチャーを送った34周目の場面を動画投稿し、アイコンで留意する旨のリアクションを行っている。

昨季はコンストラクターズランキングで5位争いを展開したアルピーヌとアルファタウリ。今季は22レース中11戦を終え、アルピーヌは81ポイントの総合5位（総合4位のマクラーレンも同一ポイント）。一方でアルファタウリは27ポイント奪取に留まり、アルファロメオとハースの躍進もあって、折り返し地点で総合8位に転落してしまった。

アルファタウリの角田にとっては、自身の幼少期からF1で大活躍している偉大な先輩から、危険なシーン創出により注意されてしまった形に。

今後、角田はアルファタウリにおいて巻き返しを図りたいところだが、トラック上では失敗を避けつつ、常にクリーンな姿勢を貫くことも求められる状況となっている。

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