フェリペ・マッサ氏が古巣フェラーリに提言「ドライバーの順列よりもマシンを改善すべき」前戦リタイア、失意のサインツにもエール｜F1

かつてフェラーリのレギュラードライバーを務めたフェリペ・マッサ氏が、古巣の現状について語っている。

2022年のF1は、開幕戦バーレーンGPでフェラーリが1－2フィニッシュ。今季初戦からイタリアの名門はタイトル争いで主役を演じるのではないかと印象付けた。だがそこからレッドブルが徐々に巻き返し、第11戦を終えた段階でドライバーズ、コンストラクターズともに、レッドブルをフェラーリが追いかける展開となっている。

だがフェラーリは速さを見せる一方で、第11戦オーストリアGPではカルロス・サインツのエンジンから火が出てリタイアを余儀なくされるなど、信頼性の点で不安を残している。また、タイトルレースを想定してポイント先行のシャルル・ルクレールをエースとして、サインツをサポート役に徹するようにすべきではないかとの声も少なからずある。

マッサ氏は古巣の現状について「今、ドライバーの順列はまったく重要ではない。ポイントはそこじゃないんだ」と、フェラーリを憂いているとイタリア『ガゼッタ・デッロ・スポルト』に語った。

「フェラーリがまずいま注力すべきことは、マシンの信頼性を改善することだ。誰がファーストドライバーかという話ではなく、クルマをどうすべきか考えるほうが重要だね」

「突如としてレース続行不可能となるトラブルをなんとかすべきだ。マシンの状況が不安定なのに、現時点でドライバーの順列をチーム戦略として取り入れるのはナンセンスだ。問題はそこじゃない」

第11戦オーストリアGP決勝において、突如エンジントラブルでレースを終えた失意のサインツについて「次のレースでカルロスは普通に優勝争いに加わることができるかもしれない。私が見る限り、シャルルに力が劣っているわけでもない」とエールを贈りつつ「まずはチームとしてクルマの信頼性を高めることが必要」と、マシンの改善に努めるべきだと解いている。

2006年～2013年まで、8シーズンにわたってフェラーリで戦ったブラジル人ドライバー、マッサ氏は、2008年に6勝をマークするも土壇場でルイス・ハミルトンに逆転され、ワールドチャンピオンのタイトル奪取を逸した。フェラーリ在籍時代にはミハエル・シューマッハ、キミ・ライコネン、フェルナンド・アロンソと、歴戦のチャンピオン経験者とコンビを組んできたこともあり、度々サポート役に徹するなど、チーム間の競争という点で苦労してきたことで知られる。

また、フェラーリは前半戦こそ好調ながら、中盤戦以降に失速してタイトル争いから脱落したケースも多い。そんなチーム事情をよく知るマッサ氏だけに、古巣について思うところがあるようだ。

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