角田裕毅「ガスリーに邪魔された」オーストリアの予選Q2を回顧…一方で自身の前進も実感「ガスリーは去年より僕を意識している」｜WEDNESDAY F1 TIME

アルファタウリの角田裕毅が、苦戦続きとなっている自身の現状について語った。

角田は『DAZN』の『WEDNESDAY F1 TIME #19』にリモートインタビューで出演。角田にとって師でもある中野信治氏、F2でともに戦った先輩でもある松下信治氏がリモートでインタビュアーを行った。

今季、角田は序盤戦から大きなミスもなく、着実に結果を残す堅実さを見せた。だが第8戦アゼルバイジャンGPでは、決勝の中盤でリアウイングのDRSフラップがまさかの破損。6位入賞のチャンスを逃し、ポイント圏外での完走となった。

そこからカナダ、イギリス、オーストリアといずれも結果を残すことができずにいる。カナダではピットアウト後ウォールに衝突、イギリスではトラック上で僚友ピエール・ガスリーと接触の原因を創出したことから、角田には批判の声も寄せられていた。

角田は大先輩である中野氏から自身の改善点について問われると「各セッション、特に予選から決勝に向けて、冷静さを失うところがある」と正直に語っている。

「というのもまだガスリーを意識しすぎているところもあって。去年からそうでしたが、今年になってより（ガスリーを）意識することになってしまった。少しでもリズムが崩れたら、焦ってしまうところがある」

「その例がシルバーストン（イギリスGP）でしたね。僕のほうが（ガスリーより）ペースが速くて、抜くことはできたんですけど、後ろのクルマが来ていたり焦りが出てしまって。ガスリーの後ろにいたので、タイヤもオーバーヒート気味でした。グリップも少なくなり、早く抜かさなくちゃと焦ったのが、あの結果（リアが滑ってガスリーと接触）で」

ガスリーとのトラック内でのチーム間トラブルは次戦も続き、オーストリアGP予選のQ2ラストアタック直前、ターン9手前で僚友ガスリーに追い越され、角田はアタック順が後ろになるというシーンがあった。

角田はチーム無線で「どういうことなのかハッキリ言ってよ！」とガスリーの追い抜き行為について、不満を口にした。その直後、アタックラップに入った角田は、タイヤの温度が下がった影響もあり、ターン1で止まりきれず。ベストタイムを出せずに14番手でQ2敗退になった。この一件について、角田は次のように振り返っている。

「この間のオーストリアで言うと、予選Q1で僕のほうが速くて（Q1突破は角田12番手、ガスリー15番手）。最終的にはQ2のラン2でガスリーに思いっきり邪魔されたんですけど」

「僕はやっぱり（ガスリーを）意識しちゃっているんですけど、ガスリーのほうも去年より（僕を）意識しているな、と感じている。自分としては落ち着いて、集中しきれていないというのはありますね。この前からメンタルトレーナーも変わって、少しずつ改善していくようにしています」

新しく指導を受けているメンタルトレーニングについては「正直、まだ（指導が）活きているかは分からない」と現状について語っている。

「その方とは（メンタルトレーニングを）始めたばかりで、それが活きて結果に結びついているかというと、まだ実感はしていない」

「メンタルトレーナーが僕のことを理解するのに時間が必要ですし、そういったところは時間をかけてやってみたいですけど、実際は時間もないので。お互い慎重にやっているという感じです」

次戦フランスGPでアルファタウリは、大幅アップデート投入を予定している。角田にとってもここ数戦苦戦が続いたこともあり、ポール・リカール・サーキットではしっかり結果を残し、後半戦からの逆襲に結びつけたい。

また、本人が語ったように対ガスリーでの自信、いかにタフさを示していくかなど精神面での成長も、躍進のカギを握るポイントと言えそうだ。

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