アルファタウリは現地時間15日、来季からレギュラードライバーとなるニック・デ・フリースが、イタリア・ファエンツァにあるファクトリーでシート合わせを行ったことを公表した。
第18戦日本GP開催中、日本時間8日AM9に、アルファタウリはピエール・ガスリーの来季アルピーヌ移籍と、ニック・デ・フリースの来季加入を正式発表していた。
日本GPを終えてアルファタウリは一度本拠地イタリアへと戻り、来季に向けてオランダ人ドライバーとの調整を進めている模様だ。
来季、アルファタウリは22歳角田裕毅と、27歳(開幕戦時には28歳)デ・フリースのセットで挑むこととなっている。
オランダ『GP BLOG』は、デ・フリース母国メディアならではの視点で、デ・フリースにとって角田は“手強いチームメート”との見識を示している。
「多くのオランダ人はデ・フリースのほうが速いと考えているかもしれない。だが、この日本人はイージーな対戦相手でないことが示されている。角田は2023年にF1で3年目のフルシーズンを迎える。22歳の日本人は一発の速さを見せる一方で感情的になる場面も散見された」
「角田がヨーロッパに渡ったのはわずか3年前のこと。2016~2018年にかけては日本のF4に参戦していた。フォーミュラカーに乗ったのは2016年で、それから瞬く間にステップアップしていった。だがヨーロッパ以外のレーサーにとって、ヨーロッパへの一歩を踏み出すことが最大の課題となる。ここは最も競争が激しいところであり、本当にトップを目指すに相応しい才能かどうかが精査される。多くのアメリカ人、アジア人がここで挫折してしまうというのが実情だ」
「だが角田は才能が際立っており、その障壁を突き抜けた。2019年にF3で優勝も経験し、3度表彰台に上がった。その年のユーロフォーミュラでも総合4位となっている。ホンダとレッドブルのパートナーシップもあり、この日本人はレッドブルグループにも受け入れられていた。F1に到達するチャンスがあったのだ」
「F2では1年目(2020年)から脚光を浴びた。当時20歳の角田にヘルムート・マルコ博士も関心を寄せ、高く評価。F2では3度優勝、4度のPPを獲得し、ルーキートップの総合3位となった。この少年はアルファタウリからF1デビューすることになる」
「角田はダニール・クビアトの後任となった。ガスリーはレッドブルでプレッシャーや順応に苦労したが、アルファタウリでは存分に力を示している。2020年、予選でガスリーとクビアトは13-4という内容で、タイムの平均差は0.212秒だった」
「ガスリーというドライバーは、優れた才能を有している若手の一人であり、一つの指標になる存在だろう。角田にとっては大きな障壁となった。F1デビュー戦でいきなりポイント(9位)を手にした角田だったが、その後は経験不足を露呈した。日本人ドライバーは多くのミスを犯し、チーム無線でも感情的なところを見せてしまう。結果という点でも、すぐさまガスリーに追い越された」
「角田は1年目、ガスリーに大敗している。フランス人と日本人の予選当該成績は21-1であり、その平均タイム差は0.527秒に及ぶ。このシーズンのポイントは110-32となっている」
「だがレッドブルは角田に2年目の新契約を提示した。それは角田本人も驚いたという。だがレッドブルの決断はサプライズというわけでもないはず。(アルファタウリのフランツ)トスト代表が“F1で才能を最大限に発揮するまで3年はかかる”といつも言っているからだ」
「そして2022年の状況を見ると、その選択は正当だったように見える。2021年はガスリーに及ばなかった一方で、2022年ははるかに優れた同僚に成長した。レース結果は8-3でフランス人が優位となっているが、昨季に比べてポイント差は小さく、現時点で23-11となっている。確かな成長を示した角田は、2023年の新契約を確かなものとした。今の主な課題は、彼がそのまま成長を続けるのか、それとも限界に達するかという点だ」
そしてオランダメディアならではの視点で「デ・フリースにとって不可能ではないが、角田は難しい挑戦になるだろう」と強調し、角田の現状についてこう分析した。
「大幅な改善を見せている角田だが、ガスリーとの真っ向勝負という点では敵わなかった。だが角田はトップレベルのドライバーと同条件で戦っても十分な力を示している。また、彼の若い年齢とバックグラウンドもあり、今後急な学習曲線を描く可能性もあるだろう」
そしてデ・フリースのスタイルについて「大きな挑戦になるだろう。彼は新たなコンペティションに順応するまで時間がかかる」とも伝えている。
「F2でチャンピオンになるまで3シーズンかかった。角田はF2最初のシーズンで総合3位になっており、それはヨーロッパにおけるたった2シーズン目での出来事だ。それはデ・フリースと角田の明確な違いだろう」
「デ・フリースには経験という利点がある。角田はF1で多くの進歩を見せたが、デ・フリースはF1以外のコンペティションでも明確な結果を示した。27歳のドライバーは安定して力を発揮するレーサーであり、角田との戦いという点でも、明確な違いを生むことができるはず。ただし、オランダ人にとってそれが決してイージーなミッションではない点は留意しておきたい」
1995年生まれ、現在27歳のデ・フリースは2019年のF2チャンピオンとなるも、シートが空いていないことから翌2020年のF1昇格は実現せず。その後メルセデスのリザーブ&テストドライバーを務めるかたわら、フォーミュラEに参戦し総合優勝を果たしている。
今季のイタリアGPでは、アレクサンダー・アルボンが虫垂炎で急遽欠場となったことから、ウィリアムズよりデ・フリースはスポット参戦という形で待望のF1デビューを果たした。決勝ではミスのない堅実な走りで、F1初戦から9位入賞を果たしている。コンストラクターズ最下位ウィリアムズのマシンを駆っての大きな成果により、オランダ人ドライバーは一躍評価を高める状況となった。
そして日本GPの週末、デ・フリースは晴れて来季よりガスリーの代案としてアルファタウリのシートに収まることが発表されている。
来季、22歳の角田は28歳(来季開幕時)のデ・フリースとコンビを組んで、F1における3シーズン目を迎える。角田にとっては来季の僚友デ・フリースは共闘する立場でありながら、間近にいる負けられない相手。また、年下ながらチームの古株としてチームを牽引するリーダーシップも角田には求められることとなりそうだ。オランダメディアが記したように、ここからのさらなる成長が角田にとっては今後の大きなポイントとなるかもしれない。
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チーム・ドライバー
日程・番組表
レース | フリー走行・予選 | 決勝 | |
---|---|---|---|
第1戦 | バーレーンGP | 3月18日(金) ~19日(土) | 3月20日(日) |
第2戦 | サウジアラビアGP | 3月25日(金) ~26日(土) | 3月27日(日) |
第3戦 | オーストラリアGP | 4月8日(金) ~4月9日(土) | 4月10日(日) |
第4戦 | エミリア・ロマーニャGP | 4月22日(金) ~ 23日(土) | 4月24日(日) |
第5戦 | マイアミGP | 5月6日(木) ~7日(土) | 5月8日(日) |
第6戦 | スペインGP | 5月20日(金) ~21日(土) | 5月22日(日) |
第7戦 | モナコGP | 5月27日(金) ~ 28日(土) | 5月29日(日) |
第8戦 | アゼルバイジャンGP | 6月10日(金) ~11日(土) | 6月12日(日) |
第9戦 | カナダGP | 6月17日(金) ~ 18日(土) | 6月19日(日) |
第10戦 | イギリスGP | 7月1日(金) ~ 2日(土) | 7月3日(日) |
第11戦 | オーストリアGP | 7月8日(金) ~9日(土) | 7月10日(日) |
第12戦 | フランスGP | 7月22日(金) ~23日(土) | 7月24日(日) |
第13戦 | ハンガリーGP | 7月29日(金) ~ 30日(土) | 7月31日(日) |
第14戦 | ベルギーGP | 8月26日(金) ~ 27日(土) | 8月28日(日) |
第15戦 | オランダGP | 9月2日(金) ~3日(土) | 9月4日(日) |
第16戦 | イタリアGP | 9月9日(金) ~ 10日(土) | 9月11日(日) |
第17戦 | シンガポールGP | 9月30日(金) ~10月 1日(土) | 10月2日(日) |
第18戦 | 日本GP | 10月7日(金) ~ 8日(土) | 10月9日(日) |
第19戦 | アメリカGP | 10月21日(金) ~ 22日(土) | 10月23日(日) |
第20戦 | メキシコGP | 10月28日(金) ~ 29日(土) | 10月30日(日) |
第21戦 | サンパウロGP | 11月11日(金) ~ 12日(土) | 11月13日(日) |
第22戦 | アブダビGP | 11月18日(金) ~ 19日(土) | 11月20日(日) |