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モータースポーツ

【コラム】第32回「角田裕毅は“まだレッドブルのレベルにない”のか?」|F1解説者ムッシュ柴田のピットイン

【コラム】第32回「角田裕毅は“まだレッドブルのレベルにない”のか?」|F1解説者ムッシュ柴田のピットインDAZN
【F1 コラム】解説者も務めるモータースポーツジャーナリスト、柴田久仁夫がF1の今に迫る。
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3年目の角田裕毅がかつてないほどの安定感を示す

得意のハードブレーキングで、ライバルたちを抜き去っていく。ほぼ全周回で接近戦を繰り広げながら、タイヤを完璧に持たせてノーミスで走り切る。第5戦マイアミGPは、F1ドライバー角田裕毅のひとつの到達点だったと言っていいでしょう。

そんな角田選手の奮闘を、F1関係者も高く評価しています。アルファタウリのフランツ・トスト代表が激賞するのは当然としても、レッドブルのクリスティアン・ホーナー代表も最近「素晴らしい進歩を遂げている」と『motorsport.com』の取材に答えていました。

去年までの角田選手には辛口評価だった旧知のイギリス人ジャーナリストも「全20台が完走する中、あのクルマで11位。今年のツノダは本当に安定している」と、わざわざ僕にメッセージを送ってきました。

奮闘を続ける角田にあと一つ欲しい実績とは

2023-05-08 Tsunoda Yuki Alphatauri F1 Formula 1Getty Images

多くのF1関係者が今季の角田選手に熱い視線を送っているのは、本当に嬉しいことです。ただし純粋に数字だけを見れば、ここまでの5戦で10位入賞が2回、ドライバーズ選手権では20人中16位に過ぎません。

さらに言えばデビュー以来49GPに出場して、まだ一度も表彰台に上がっていない。最終的に結果だけが評価されるF1において、角田選手はまだ「その他大勢のドライバーの一人」ということです。

上述のホーナー代表も同じインタビューで「彼はまだレッドブルのレベルには達していない」とコメントしています。

その真意はどこにあるのか。ホーナー代表も角田選手の実力は、十分に認めているはず。求めているのは「具体的な実績」なのだと思います。

かつて2012年には小林可夢偉も苦労

2023-05-12 2012 Kamui Kobayashi perez Sauber F1 Formula 1Getty Images

それで思い出すのは、2012年のセルジオ・ペレスと小林可夢偉です。当時ペレスがデビュー2年目だったのに対し、可夢偉選手は車体開発にも初期段階から関わる、名実ともにザウバーのエースドライバー的存在でした。

しかし2012年の可夢偉選手は、予選こそフロント・ロー2回、3番グリッドも2回と予選ではペレスを凌ぐ速さを見せながら、決勝レースでなかなか結果を出せずにいました。

一方のペレスは後方グリッドのスタートから表彰台に上がる活躍を見せ(カナダGPでの15番手→3位など)、当時トップチームだったマクラーレンから高く評価され、2013年に大抜擢されます。

可夢偉選手の場合、不可解なレース戦略やチームの判断ミスも少なからずあったのですが、やはり結果が全てです。シーズン終盤、日本GPでの3位表彰台でも状況をひっくり返すことはできず、ザウバーを去ることになりました。

その後のペレスは何度もシート喪失の危機に遭いながらも生き残り、今やマックス・フェルスタッペンとタイトルを争うドライバーにまで成長しました。ペレスの積み上げてきた実績の素晴らしさには、賞賛しかありません。

しかし同時に2012年当時を知る者としては「ならば可夢偉くんも、もう少しF1で活躍できたのでは」という思いを、いまだに拭えずにいます。

今季で去るトスト代表への恩返しはできるのか

2023-04-30 Tsunoda Yuki Tost Alphatauri F1 Formula 1Getty Images

今年限りで退任が決まったトスト代表は、これまで自分が育ててきたドライバーについて、こう語っています。

「結果を残せなかったドライバーの中にも(カルロス)サインツや(ピエール)ガスリー、そして(ダニエル)リカルドやツノダに匹敵する速さを持った者は何人もいた。彼らは間違った時期に、間違ったチームにいたのかもしれないね」

今、最高に輝いている角田選手も、残念ながらその技量にふさわしい道具を持てずにいます。

しかしF1では時に、信じられないような僥倖が訪れることがあります。そして今の角田選手は、たとえばオーストラリアGP終盤に5番手まで大躍進したような、そんな数少ないチャンスを自分の方に引き寄せる実力を間違いなく持っているドライバーです。大いに期待しつつ、「その時」が来るのを待ちましょう。

文・柴田久仁夫(しばた・くにお)

1956年静岡県生まれ。1980年代よりフランス・パリを拠点とし、TV番組制作の現場で手腕を振るう。1987年よりF1の世界にも足を踏み入れ、それ以来数々のレースを取材してきた。訪れたサーキットでは素足でトラックの感触を確かめるというライフワークも行っている。2016年より本拠地を東京に移し、現在は『DAZN』のモータースポーツ中継でも解説を務める。

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【レース情報】
F1  第6戦:エミリア・ロマーニャGP※日本時間
5月19日(金)20:30~フリー走行1回目
5月20日(土)0:00~フリー走行2回目
5月20日(土)19:30~フリー走行3回目
5月20日(土)23:00~予選
5月21日(日)22:00~決勝

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直近のDAZN番組表(F1)

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チーム・ドライバー

日程・番組表

 レースフリー走行・予選決勝
第1戦バーレーンGP 3月3日(金) ~4日(土)3月5日(日)
第2戦サウジアラビアGP 3月17日(金) ~18日(土)3月19日(日)
第3戦オーストラリアGP 3月31日(金) ~ 4月1日(土)4月2日(日)
第4戦アゼルバイジャンGP 4月28日(金) ~ 29日(土)4月30日(日)
第5戦マイアミGP 5月5日(金) ~ 6日(土)5月7日(日)
第6戦エミリア・ロマーニャGP 5月19日(金) ~ 20日(土)5月21日(日)
第7戦モナコGP 5月26日(金) ~ 27日(土)5月28日(日)
第8戦スペインGP 6月2日(金) ~ 3日(土)6月4日(日)
第9戦カナダGP 6月16日(金) ~ 17日(土)6月18日(日)
第10戦オーストリアGP 6月30日(金) ~ 7月1日(土)7月2日(日)
第11戦イギリスGP 7月7日(金) ~ 8日(土)7月9日(日)
第12戦ハンガリーGP 7月21日(金) ~ 22日(土)7月23日(日)
第13戦ベルギーGP 7月28日(金) ~ 29日(土)7月30日(日)
第14戦オランダGP 8月25日(金) ~ 26日(土)8月27日(日)
第15戦イタリアGP 9月1日(金) ~ 2日(土)9月3日(日)
第16戦シンガポールGP 9月15日(金) ~ 16日(土)9月17日(日)
第17戦日本GP 9月22日(金) ~ 23日(土)9月24日(日)
第18戦カタールGP 10月6日(金) ~ 7日(土)10月8日(日)
第19戦アメリカGP 10月20日(金) ~ 21日(土)10月22日(日)
第20戦メキシコシティGP 10月27日(金) ~ 28日(土)10月29日(日)
第21戦サンパウロGP 11月3日(金) ~ 4日(土)11月5日(日)
第22戦ラスベガスGP 11月16日(木) ~ 17日(金)11月18日(土)
第23戦アブダビGP 11月24日(金) ~ 25日(土)11月26日(日)