エラーコード %{errorCode}

モータースポーツ

【コラム】第33回「なぜモナコは“F1の華”なのか」|F1解説者ムッシュ柴田のピットイン

【コラム】第33回「なぜモナコは“F1の華”なのか」|F1解説者ムッシュ柴田のピットインDAZN
【F1 コラム】解説者も務めるモータースポーツジャーナリスト、柴田久仁夫がF1の今に迫る。
▶▶▶DAZNの詳細をチェックする◀◀◀

F1伝統のモナコGP

北イタリアが甚大な豪雨被害に見舞われ、エミリア・ロマーニャGPがまさかのキャンセルとなってしまいました。3連戦で幕を開けるはずだったヨーロッパラウンドが、いきなり出鼻を挫かれた格好です。でもすぐさま“F1の華”モナコGPが控えています。

なぜ数あるグランプリの中で、モナコGPが“F1の華”と称されるのでしょう。歴史的な古さでいえば、モナコの第1回が1929年(昭和4年)に対して、1921年(大正10年)のイタリアGPの方が古い。

ただしイタリアGPの舞台があちこちのサーキットを点々としたのに対して、モナコ公国の公道を使用するモナコGPは、当然ですがずっと同じ場所で開催されています。さらに驚異的なのは第1回から現在まで、コースレイアウトも全長も基本的に同じということです。

考えてみるとこれは凄いことで、狭く曲がりくねったエスケープゾーンのほとんどない約100年前とほぼ同じコースを、今は700馬力のモンスターマシンが駆け抜けていくわけです。

しかも舞台は王宮やカジノなど、石造りの歴史的建築群が建ち並ぶモナコ公国。マリーナには大型クルーザーが停泊し、世界中の富豪たちが観戦する。現在のF1には計7つの市街地サーキットがありますが、モナコの他にはない特別さが、それだけでも理解していただけるかと思います。

約100年に渡る歴史を持つ

2023-05-23 1956 Monaco Juan Manuel Fangio Ferrari F1 Formula 1Getty Images

ちなみに1929年第1回大会での勝者ウィリアム・グローバー=ウィリアムズ(1903~1945)の最速タイムは、1周2分15秒でした。そして去年2022年のモナコGP決勝レースで最速だったランド・ノリスは、1分14秒693。93年の間に、ほぼ60秒速くなったことになります。

ブレーキ、サスペンション、空力、エンジン、そして何よりもタイヤの進化が、これだけのタイム短縮を可能にしたのでしょう。

W・ウィリアムズの駆った2300ccスーパーチャージャー搭載のブガッティT35Bが、どんなエンジン音を立てていたのか。それは想像するしかありませんが、たとえ今より60秒遅かったとしても、さぞ迫力ある走りだったはずです。

モナコGP現地取材でF1に魅了される

2023-05-23 1992 Senna Monaco F1 Formula 1Getty Images

僕の初めてのモナコ取材は、1987年でした。中嶋悟という日本人が初めてF1初参戦するというニュースを聞き、当時はTVディレクターをしていましたが休暇をもらって出かけていきました。自動車レース自体が人生初体験の僕には、モナコGPは驚きの連続でした。

約2時間のレースを走り終えた中嶋選手は、約4000回のシフトチェンジで右手の皮がべろりと剥け、しばらく口もきけないほどの疲労困憊状態でした。「F1は格闘技だ」そう思ったものです。

そのチームメイト、当時27歳の若者だったアイルトン・セナが、その年の勝者でした。ウィリアムズやマクラーレンに比べて圧倒的に戦闘力の劣るロータス・ホンダを駆っての、モナコ初勝利でした。

これですっかりF1の魅力にはまってしまった僕はF1取材の副業を本格的に始め、モナコにも通い続けました。首位独走中にポルティエでクラッシュし、そのまま自宅に帰ってしまった88年、ナイジェル・マンセルと歴史的なデッドヒートを繰り広げた92年。

そして1994年のモナコGPは、非業の死を遂げたイモラの2週間後の開催でした。マルボロ主催の木曜日のパーティでは、マクラーレン・ホンダでモナコを疾走する生前の車載映像に涙しました。今も破られていないモナコ最多記録の6勝全てを現場で目撃したことも含め、僕のモナコはセナと分かちがたく結びついています。

今回のモナコはどのような結末となるのか

2022-06-04 Leclerc Sainz Ferrari F1 Formula 1Getty Images

その後もモナコでは、数えきれないほどの名勝負が繰り広げられてきました。悪天候やクラッシュ、マシントラブル、あるいはチームの戦略ミスなどによる波乱の展開も、確かにモナコの見どころのひとつでしょう。一方でほとんど抜きどころがないモナコでの決勝レースは、ポールシッターがそのまま優勝することが多いのも事実です。

でもそんな一見単調なレースでも、なぜかモナコだと1周1周を凝視してしまいます。セナの思い出も含め、わずか3km余りのコースに刻み込まれた約100年のレースの痕跡が、そうさせるのかもしれませんね。

文・柴田久仁夫(しばた・くにお)

1956年静岡県生まれ。1980年代よりフランス・パリを拠点とし、TV番組制作の現場で手腕を振るう。1987年よりF1の世界にも足を踏み入れ、それ以来数々のレースを取材してきた。訪れたサーキットでは素足でトラックの感触を確かめるというライフワークも行っている。2016年より本拠地を東京に移し、現在は『DAZN』のモータースポーツ中継でも解説を務める。

************

【レース情報】
F1  第7戦:モナコGP※日本時間
5月26日(金)20:30~フリー走行1回目
5月27日(土)0:00~フリー走行2回目
5月27日(土)19:30~フリー走行3回目
5月27日(土)23:00~予選
5月28日(日)22:00~決勝

************

関連記事

直近のDAZN番組表(F1)

DAZNについて

DAZNなら好きなスポーツをいつでも、どこでもライブ中継&見逃し配信!今すぐ下の記事をチェックしよう。

●  【番組表】直近の注目コンテンツは?
●  【お得】DAZNの料金・割引プランは?

チーム・ドライバー

日程・番組表

 レースフリー走行・予選決勝
第1戦バーレーンGP 3月3日(金) ~4日(土)3月5日(日)
第2戦サウジアラビアGP 3月17日(金) ~18日(土)3月19日(日)
第3戦オーストラリアGP 3月31日(金) ~ 4月1日(土)4月2日(日)
第4戦アゼルバイジャンGP 4月28日(金) ~ 29日(土)4月30日(日)
第5戦マイアミGP 5月5日(金) ~ 6日(土)5月7日(日)
第6戦エミリア・ロマーニャGP 5月19日(金) ~ 20日(土)5月21日(日)
第7戦モナコGP 5月26日(金) ~ 27日(土)5月28日(日)
第8戦スペインGP 6月2日(金) ~ 3日(土)6月4日(日)
第9戦カナダGP 6月16日(金) ~ 17日(土)6月18日(日)
第10戦オーストリアGP 6月30日(金) ~ 7月1日(土)7月2日(日)
第11戦イギリスGP 7月7日(金) ~ 8日(土)7月9日(日)
第12戦ハンガリーGP 7月21日(金) ~ 22日(土)7月23日(日)
第13戦ベルギーGP 7月28日(金) ~ 29日(土)7月30日(日)
第14戦オランダGP 8月25日(金) ~ 26日(土)8月27日(日)
第15戦イタリアGP 9月1日(金) ~ 2日(土)9月3日(日)
第16戦シンガポールGP 9月15日(金) ~ 16日(土)9月17日(日)
第17戦日本GP 9月22日(金) ~ 23日(土)9月24日(日)
第18戦カタールGP 10月6日(金) ~ 7日(土)10月8日(日)
第19戦アメリカGP 10月20日(金) ~ 21日(土)10月22日(日)
第20戦メキシコシティGP 10月27日(金) ~ 28日(土)10月29日(日)
第21戦サンパウロGP 11月3日(金) ~ 4日(土)11月5日(日)
第22戦ラスベガスGP 11月16日(木) ~ 17日(金)11月18日(土)
第23戦アブダビGP 11月24日(金) ~ 25日(土)11月26日(日)