ホンダで長らく活動したエンジニア浅木泰昭氏が、2026年からのホンダF1復帰について語っている。
元ホンダ・レーシングのF1エンジン開発責任者である浅木氏は『DAZN』の『WEDNESDAY F1 TIME #14』に出演。ホンダが2026年より正式にアストンマーティンへパワーユニットを供給することが明らかになり、自身の見解を示している。同番組MCのサッシャ氏がインタビュアーを行った。
1982年よりホンダF1第2期(1983年~1992年)の活動に携わった後、その後オデッセイやN-BOXなど、同社を代表する市販車の開発にも携わった浅木氏。長らくF1の世界から距離を置いていたものの、2017年より開発責任者として、F1の現場へ復帰することに。
2020年秋、突如ホンダが2021年限りでF1活動を終了すると表明。結果として後にHRCとして2025年までレッドブル・パワートレインズと協力関係を続けることになったが、ホンダとしてのPU供給は2021年限りでピリオドとなった。
そして2023年5月24日、本田技研工業はホンダとして2026年よりアストンマーティンにパワーユニットを供給すると正式発表。3年後から再びF1活動に本腰を入れる形となる。
DAZN
この4月限りでHRCを退職していた浅木氏は、この動きについてサッシャ氏から「知っていたんですか?」と聞かれ「ずっと前から知っていましたよ」と当事者ならではの言葉を口にしている。
「私の心残りがなく(ホンダ&HRCを)辞めることができて良かったなと」
「アストンマーティンと組めるかどうかというのは、(2022)年末から年明けの話ですけど、私の心残りって言ったのはね、このまま本当に(2026年からのパートナーシップが見つからず)撤退してしまうことが心残りで」
ホンダがF1活動を終了すると発表したのは2020年10月2日のこと。そこから浅木氏は、ホンダとF1のつながりをなくさないよう、水面下で尽力していたという。
「どっかしらのチームと組みたいな、ということでね。撤退発表以来、こっそり画策してきた」
「そういう中では、レッドブルは自分たちでパワーユニットを作ろうとしていますから。選択の中では(アストンマーティンは)ベストのチームと組めたんじゃないかと感じている」
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ホンダのパワーユニット開発責任者でもあった浅木氏は、F1活動終了を発表の10日ほど前(2020年9月下旬)に知ったと口にしていた。それから後進や若い技術者たちの今後を憂慮していた模様だ。
「撤退発表して、少し後悔したんですよね。私が(責任者を)やっていなかったら、もっと早く技術者を(F1の現場から)解放して、違う分野に行けたのに。撤退までの数年間をここに縛っておいて、そのままやることがなくなったんじゃあね」
「本当に心残りがあったんですよ。(F1)撤退と発表なったけど、みんなどうしたいんだ?と聞いたんです」
「レッドブルに雇ってもらいたいんだったらそういう風に動くし、と言ったら“ホンダに残ってF1を続けたい”と言うんですよね」
「うーん……どうしたもんかと」
「私がその作戦を“蜘蛛の糸作戦”と名付けて。芥川龍之介ですね。いつ切れるかわからないけど、登ってみるかと。やってきたんですけど、彼らはちゃんと登り切って。素晴らしいな、と思っています」
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そしてHRCとしては、2025年までレッドブルとの協力関係を続け、同年限りでパートナーシップは終了。新レギュレーションとなる2026年より、アストンマーティンにホンダがパワーユニットを供給し、ホンダとしては正式にF1活動再開となる。
「(ローレンス)ストロールさんという絶対的な人がいると、私から見ると強いチームになるような予感がするんですよね。レッドブルも(創業者の故ディートリッヒ)マテシッツさんがこう、ものを決めるとね。それで行こうと」
「昔の話ですと(ホンダ創業者の)本田宗一郎さんがものを決めると、みんなそれで行こうとなる。そうじゃなくなるとね。マテシッツさんが亡くなったレッドブルとか、ファイナンス会社に所有が移ったチームとか、なかなか難しい問題を抱えるんですよね」
「そういう意味で言うと、今いるF1チームの中で(アストンマーティンは)一番強くなる可能性を感じる。一人の優秀な人がね、お金も持っているし、気合いも入っていることになると。迷いがないですよねチームとして」
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3年後には現在パートナーシップを結んでいるレッドブルとライバル関係になる。新規定となる2026年について、浅木氏は「ひょっとしたら最大の敵になる」と、よく知るレッドブルへの警戒心を口にした。
「絶対車体は良いはずなんで。アストンマーティンも相当良くなるはずだと思うんですけど、ホンダとしてはパワーユニットで、トータルでそこを凌駕していきたいな、という気持ちでやっていく」
「バッテリーを作っていたイギリスのホンダのメンバーは(レッドブル・パワートレインズに)雇っていただいたのでね。そのへんのノウハウは(レッドブルへ)持っていくことになりますが、エンジンはずっとさくら(栃木県:本田技術研究所 HRD Sakura)で作っていましたから」
浅木氏は、協力関係を続けているレッドブルへの感謝を示しながら、アストンマーティンが新規定のF1で頂点に立ってくれることを期待し、こう続けた。
「レッドブルのおかげで、ホンダはチャンピオンにしていただいた。今度チャンピオンになったら、ホンダがチャンピオンにしたと言えなくもないじゃないですか。そういう違うワクワクが次あるんじゃないかと思っている」
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チーム・ドライバー
日程・番組表
レース | フリー走行・予選 | 決勝 | |
---|---|---|---|
第1戦 | バーレーンGP | 3月3日(金) ~4日(土) | 3月5日(日) |
第2戦 | サウジアラビアGP | 3月17日(金) ~18日(土) | 3月19日(日) |
第3戦 | オーストラリアGP | 3月31日(金) ~ 4月1日(土) | 4月2日(日) |
第4戦 | アゼルバイジャンGP | 4月28日(金) ~ 29日(土) | 4月30日(日) |
第5戦 | マイアミGP | 5月5日(金) ~ 6日(土) | 5月7日(日) |
第6戦 | エミリア・ロマーニャGP | 5月19日(金) ~ 20日(土) | 5月21日(日) |
第7戦 | モナコGP | 5月26日(金) ~ 27日(土) | 5月28日(日) |
第8戦 | スペインGP | 6月2日(金) ~ 3日(土) | 6月4日(日) |
第9戦 | カナダGP | 6月16日(金) ~ 17日(土) | 6月18日(日) |
第10戦 | オーストリアGP | 6月30日(金) ~ 7月1日(土) | 7月2日(日) |
第11戦 | イギリスGP | 7月7日(金) ~ 8日(土) | 7月9日(日) |
第12戦 | ハンガリーGP | 7月21日(金) ~ 22日(土) | 7月23日(日) |
第13戦 | ベルギーGP | 7月28日(金) ~ 29日(土) | 7月30日(日) |
第14戦 | オランダGP | 8月25日(金) ~ 26日(土) | 8月27日(日) |
第15戦 | イタリアGP | 9月1日(金) ~ 2日(土) | 9月3日(日) |
第16戦 | シンガポールGP | 9月15日(金) ~ 16日(土) | 9月17日(日) |
第17戦 | 日本GP | 9月22日(金) ~ 23日(土) | 9月24日(日) |
第18戦 | カタールGP | 10月6日(金) ~ 7日(土) | 10月8日(日) |
第19戦 | アメリカGP | 10月20日(金) ~ 21日(土) | 10月22日(日) |
第20戦 | メキシコシティGP | 10月27日(金) ~ 28日(土) | 10月29日(日) |
第21戦 | サンパウロGP | 11月3日(金) ~ 4日(土) | 11月5日(日) |
第22戦 | ラスベガスGP | 11月16日(木) ~ 17日(金) | 11月18日(土) |
第23戦 | アブダビGP | 11月24日(金) ~ 25日(土) | 11月26日(日) |