今季、アルファタウリのレギュラードライバーとなったニック・デ・フリースについて、シートを危ぶむ声が浮上している。地元オランダメディアはデ・フリースの現状についてF1の識者に聞いた。角田裕毅とデ・フリースの比較についても見識を述べている。
2019年のF2王者デ・フリースは、かつてマクラーレンのテストドライバーを担当。その後メルセデスのリザーブドライバーを担う一方でフォーミュラEに参戦し、同コンペティションで総合優勝を果たすなど、多くの経験を積み重ねてきた。
F1のシートにはなかなか縁がなかったところ、2022年のイタリアGPでは虫垂炎となったアレクサンダー・アルボンの代役として、スポット参戦ながらウィリアムズからF1デビューを果たすことに。
モンツァのレースではいきなり決勝で9位フィニッシュを果たし、改めてその才能が高く評価された。そして2023年からは28歳にしてようやくアルファタウリのレギュラーシートを獲得するものの、マシンが競争力不足に悩まされていることもあり、今季は7レースを終えてまだ入賞することができず。古株角田との比較もあり、オランダ人ドライバーの力に懐疑的な見方をする論調も少なくない。
オランダのモータースポーツ専門メディア『F1MAXIMAAL』は、著名ジャーナリストのピーター・ウィンザー氏にインタビューを実施。デ・フリースについて「まだ状況は好転できるはず」と述べている。
かつてはナイジェル・マンセルのマネージャーを務め、ウィリアムズやフェラーリでも活動してきたウィンザー氏。その後F1の現場で長年リポーターを務めてきた識者はこう語った。
「ニックはモータースポーツで複数のコンペティションを勝ち抜いてきたし、長く携わっていることもあって現場のことをよく知っている。F1の舞台では確かに経験こそ少ないが、ドライバーとしての強みは持っているし、ドライビング技術も確かなものだ」
「何より、本人が自分の力に自信を持っている。それがなかったら、彼はF1にいなかっただろうね。彼の持つポテンシャルがあれば、状況を好転させることができるはずだよ」
2022年のイタリアGPでは、ウィリアムズのマシンを駆っていきなり9位入賞を果たした。この成果に「彼に対する期待が高まりすぎていたという点もあると思う」と、同情の声も口にした。
「やっぱりあのレースで彼の評価は一変した。実際にヘルムート・マルコとフランツ・トストも、それで迎え入れようとする決定打になったわけだからね」
「ニック本人も、自らを過大評価していたところもあるだろう。もちろん彼は、自分がすべきことに集中すべきだと思う」
そしてアルファタウリの角田とデ・フリースについて、角田が過小評価されているとの見解を示した。一方でデ・フリースがすべきことを説いている。
「角田は未来を担う、若くて速いドライバーだ。アルファタウリ側はデ・フリースに対し、マシンが十分に速かった場合、多くのレースでポイントを持ち帰ってくれる堅実なドライバーだと考えていたんじゃないかと思う」
「ニックより角田のほうが明確な速さを示している。ただ、マシンの限界点を探るあまり、ちょっとしたミスもあるかもしれない。つまり、ニックがしてはいけないことは間違いを犯すこと。ミスの少なさがあるからアルファタウリはニックを雇った。それが契約の理由だ」
「マクラーレンのテストドライバー時代もそうだったが、キャリアの中では実戦数がそれほど多くない。もちろんフォーミュラEでも走っているが、それはF1とは全く別物のレースだと認識すべきだしね」
「何よりも他のドライバーに後ろからぶつかるようなことは許されない。それはむしろランス・ストロールが改善すべきことのようにも思えるがね。これは明確に良くないことであり、修正すべきところ。なぜなら、これについては言い訳が全くできない要素だからだ」
今季の第5戦マイアミGPでは、スタート直後のターン1でデ・フリースはタイヤをロックさせ、ランド・ノリスに追突するというシーンがあった。ウィンザー氏はその時の印象が良くないものだったと見ていたようだ。
「ニックはスピードを失わずに、F1においてのレーススキルを磨いていく必要がある。瞬間的な反応はプレッシャーが高く、アドレナリンが湧いている状況でミスをしがちになる」
「先ほど語ったとおりで、ニックに期待されることはミスなくしっかり走り切ることである。そういった意味では、トラック上での落ち度があるような走りは、真っ先に改善すべきことと言えるね」
2023年の第8戦スペインGPを終えた次点で、角田は2度の入賞で2ポイント、デ・フリースはまだアルファタウリでノーポイントとなっている。デ・フリースとの対比を口にしつつ、ウィンザー氏は角田のほうがデ・フリースより高いパフォーマンスを発揮して当然であるかのように説いた。そして今後デ・フリースがどれだけチャンスが与えられるのか、その猶予については「わからない」と答えつつ、こう続けた。
「レッドブルはドライバーが望んだとおりのパフォーマンスを発揮していない場合、容赦なく見切りをつけるグループだ。ニックが角田よりも速いと本気で思っていた人がいるかどうかはわからないがね」
「ただ、マルコ博士やトスト代表など、ニックを採用すると決めた人は皆“優秀な人材を(ピエール・ガスリー)失ってしまったから、補填する必要がある”という考えをもとに、動いたのだろう」
「ニックはミスをしない堅実なドライバーでありつづける必要がある。角田が隣にいることを踏まえてもね。それをニックは提供し続けていかなくてはならない」
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チーム・ドライバー
日程・番組表
レース | フリー走行・予選 | 決勝 | |
---|---|---|---|
第1戦 | バーレーンGP | 3月3日(金) ~4日(土) | 3月5日(日) |
第2戦 | サウジアラビアGP | 3月17日(金) ~18日(土) | 3月19日(日) |
第3戦 | オーストラリアGP | 3月31日(金) ~ 4月1日(土) | 4月2日(日) |
第4戦 | アゼルバイジャンGP | 4月28日(金) ~ 29日(土) | 4月30日(日) |
第5戦 | マイアミGP | 5月5日(金) ~ 6日(土) | 5月7日(日) |
第6戦 | エミリア・ロマーニャGP | 5月19日(金) ~ 20日(土) | 5月21日(日) |
第7戦 | モナコGP | 5月26日(金) ~ 27日(土) | 5月28日(日) |
第8戦 | スペインGP | 6月2日(金) ~ 3日(土) | 6月4日(日) |
第9戦 | カナダGP | 6月16日(金) ~ 17日(土) | 6月18日(日) |
第10戦 | オーストリアGP | 6月30日(金) ~ 7月1日(土) | 7月2日(日) |
第11戦 | イギリスGP | 7月7日(金) ~ 8日(土) | 7月9日(日) |
第12戦 | ハンガリーGP | 7月21日(金) ~ 22日(土) | 7月23日(日) |
第13戦 | ベルギーGP | 7月28日(金) ~ 29日(土) | 7月30日(日) |
第14戦 | オランダGP | 8月25日(金) ~ 26日(土) | 8月27日(日) |
第15戦 | イタリアGP | 9月1日(金) ~ 2日(土) | 9月3日(日) |
第16戦 | シンガポールGP | 9月15日(金) ~ 16日(土) | 9月17日(日) |
第17戦 | 日本GP | 9月22日(金) ~ 23日(土) | 9月24日(日) |
第18戦 | カタールGP | 10月6日(金) ~ 7日(土) | 10月8日(日) |
第19戦 | アメリカGP | 10月20日(金) ~ 21日(土) | 10月22日(日) |
第20戦 | メキシコシティGP | 10月27日(金) ~ 28日(土) | 10月29日(日) |
第21戦 | サンパウロGP | 11月3日(金) ~ 4日(土) | 11月5日(日) |
第22戦 | ラスベガスGP | 11月16日(木) ~ 17日(金) | 11月18日(土) |
第23戦 | アブダビGP | 11月24日(金) ~ 25日(土) | 11月26日(日) |