今季、第8戦スペインGPを終えた時点で2度の入賞、2ポイントを獲得している角田裕毅について、欧州のモータースポーツ専門メディアは、角田が今季過小評価されているドライバーの一人だと特集で取り上げている。
オランダの専門メディア『GP FANS』は「F1で最も過小評価されているドライバーは誰か」というタイトルで特集を展開。
記事では「F1では世界で最も才能のあるドライバーが何人もいる。ルイス・ハミルトン、マックス・フェルスタッペン、チャールズ・ルクレールなどがその最たる例だ。しかしその陰では、常に高いレベルでパフォーマンスを発揮しながらも、それ相応の評価を受けていないドライバーが存在する」として、角田を含めた5人のドライバーについてそれぞれ現状を伝えた。
角田裕毅については「ここまで2ポイントしか獲得していないにも関わらず、2023年シーズンにおける角田のパフォーマンスは際立っている」と強調。5人取り上げた中で、最後の5人目として紹介している。
エステバン・オコン/アルピーヌ
Getty Images
エステバン・オコンは、モナコGPで表彰台を獲得した後、簡単に第一候補となる。このフランス人選手は、このスポーツのトップドライバーについて議論する際に注目されないことが多いが、彼の進歩は否定できない。
フォース・インディア離脱から不遇の時もあったがそれからルノー、そして現在のアルピーヌで安住の地を見つけた。
2021年のハンガリーGPでは記憶に残る勝利をマークした。安定したフィニッシュは彼の才能を際立たせている。彼はまた、2022年シーズンには2度の世界チャンピオンであるフェルナンド・アロンソを成績面で上回ることに成功した。
過去にメルセデスとのつながりがあり、トト・ヴォルフ代表の指揮下にもあった。この26歳がトップチームへ移籍する可能性を否定する人もいる。ただ、何が起こっても不思議ではないはずだ。
ランス・ストロール/アストンマーティン
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ランス・ストロールのF1キャリアも懐疑的な見方によって損なわれてきた。2023年シーズンのスタートも彼にとってはプラスにはならなかった。チームメイトに64ポイント差をつけられている選手を「過小評価されている」と呼ぶには、確かに難しい仕事と言えるかもしれない。それでも、このストロールというドライバーがトラック上で我々に示してくれたことを忘れてはならないだろう。
父親ローレンスのサポートがあるからこそ、レースをしているという一面もある。その疑念を克服するのは簡単なことではない。
2017年にウィリアムズからF1人生をスタートさせたものの、ストロールはルーキーシーズンのアゼルバイジャンGPで3位となり、当時18歳で表彰台に上がっている。この記録はマックス・フェルスタッペンに次ぐ、史上2番手となる表彰台を経験した若いドライバーというものだ。レーシング・ポイントでの2年目(2020年)ストロールはさらに表彰台とポールポジションも獲得している。
レーシング・ポイントがアストンマーティンに変わって以来、ストロールは苦戦している。それでも今年のマシンではフェルナンド・アロンソにかなり近づくはず。
ただ、2023年のシーズン開幕前に大規模な手首の手術を乗り越えたことを忘れてはいけない。F1で6年以上の経験を持つ24歳の彼が一貫性の問題を解決できれば“ペイドライバー”としての見方を払拭することができるだろう。
ニコ・ヒュルケンベルグ/ハース
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ニコ・ヒュルケンベルグは、最も多くのレースキャリア積みながら表彰台に恵まれていないドライバーという不運な称号を持っている。
このドイツ人のハードワークとスポーツに対する献身性は否定できないものだ。35歳のヒュルケンベルグがF1復帰へと至るには、ハースがミック・シューマッハとの契約を継続しなかったことによって実現した。このベテランはVF-23のポテンシャルを限界まで押し上げることに成功している。特に土曜日(予選セッション)はその傾向が顕著だ。
ハルクはケビン・マグヌッセンを多くのレースで上回り、トップ10で戦うケースが目立つ。ハースにとってヒュルケンベルグは重要な人材となっている。
聖域とも言える表彰台には永遠に手が届かないかもしれない。それでも彼の穏やかな振る舞いや態度、開発を後押しする正確なフィードバックは、ハースにとって大きな好材料となっている。
アレクサンダー・アルボン/ウィリアムズ
Getty Images
アレックス・アルボンはレッドブル時代、マックス・フェルスタッペンのパートナーとして抜てきされたが、僚友と対等な走りができずシートを失うことになってしまった。その後、タイ人ドライバーはウィリアムズでキャリアを見事に復活させている。
パフォーマンス面で物足りないウィリアムズのマシンを駆りながら、それでもアルボンは多くのレースでインパクトを残している。
彼がとても印象的なパフォーマンスを見せたレースの一つは、2022年のオーストラリアGPだろう。レース全体を第1スティントのタイヤで走行し、ファイナルラップでピットに入り、そのまま10位フィニッシュを果たした。この1点はウィリアムズにとって同シーズン初めてのポイントだった。
限られたリソースで物事を成し遂げる彼の能力は、優れた才能と明確な決意を示したもの。ドライバーとしてより経験を積んでいくことで、ウィリアムズに多くのことをもたらすことができれば、さらなるビッグチームから注目を集めることになるだろう。
角田裕毅/アルファタウリ
Red Bull Content Pool
ここまで2ポイントしか獲得していないにも関わらず、2023年シーズンにおける角田のパフォーマンスは際立っている。
ほんの数カ月前まで、ニック・デ・フリースが加わったことで懐疑的な見方もなされた。だが角田は一貫して非力なアルファタウリのマシンをポイント争いまで押し上げている。
チームラジオではコミカルな一面を見せたり、感情を爆発させることも多かったが、トレーナーのサポートもあり、メンタル面でのコントロールをしっかり学んだ。より穏やかになり、トラック上でも堅実に結果へと結びつけるドライバーに生まれ変わった。
レッドブルグループのドライバーとして、23歳の彼が引き続きこのレベルの安定性とパフォーマンスを維持できれば、先々レッドブルでマックス・フェルスタッペンのパートナー候補になり得る存在だろう。
Red Bull Content Pool
以上の5人を紹介しながら、堅実に存在感を示しているドライバーがいかに重要な存在であるかを強調し、こう締めくくった。
「これらのドライバーは、必ずしも大きな見出しで紹介されたり、表彰台に上がって特別なスポットを浴びるわけではない」
「それでも一貫したパフォーマンスを見せることにより、彼らはF1において縁の下の力持ちのような存在となっている。我々は水面下で奮闘している素晴らしい才能を認識し、しっかりそれを評価する必要がある。なぜなら、彼らこそがスポーツとしてのスリルとエキサイティングに貢献してくれるドライバーだからだ」
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チーム・ドライバー
日程・番組表
レース | フリー走行・予選 | 決勝 | |
---|---|---|---|
第1戦 | バーレーンGP | 3月3日(金) ~4日(土) | 3月5日(日) |
第2戦 | サウジアラビアGP | 3月17日(金) ~18日(土) | 3月19日(日) |
第3戦 | オーストラリアGP | 3月31日(金) ~ 4月1日(土) | 4月2日(日) |
第4戦 | アゼルバイジャンGP | 4月28日(金) ~ 29日(土) | 4月30日(日) |
第5戦 | マイアミGP | 5月5日(金) ~ 6日(土) | 5月7日(日) |
第6戦 | エミリア・ロマーニャGP | 5月19日(金) ~ 20日(土) | 5月21日(日) |
第7戦 | モナコGP | 5月26日(金) ~ 27日(土) | 5月28日(日) |
第8戦 | スペインGP | 6月2日(金) ~ 3日(土) | 6月4日(日) |
第9戦 | カナダGP | 6月16日(金) ~ 17日(土) | 6月18日(日) |
第10戦 | オーストリアGP | 6月30日(金) ~ 7月1日(土) | 7月2日(日) |
第11戦 | イギリスGP | 7月7日(金) ~ 8日(土) | 7月9日(日) |
第12戦 | ハンガリーGP | 7月21日(金) ~ 22日(土) | 7月23日(日) |
第13戦 | ベルギーGP | 7月28日(金) ~ 29日(土) | 7月30日(日) |
第14戦 | オランダGP | 8月25日(金) ~ 26日(土) | 8月27日(日) |
第15戦 | イタリアGP | 9月1日(金) ~ 2日(土) | 9月3日(日) |
第16戦 | シンガポールGP | 9月15日(金) ~ 16日(土) | 9月17日(日) |
第17戦 | 日本GP | 9月22日(金) ~ 23日(土) | 9月24日(日) |
第18戦 | カタールGP | 10月6日(金) ~ 7日(土) | 10月8日(日) |
第19戦 | アメリカGP | 10月20日(金) ~ 21日(土) | 10月22日(日) |
第20戦 | メキシコシティGP | 10月27日(金) ~ 28日(土) | 10月29日(日) |
第21戦 | サンパウロGP | 11月3日(金) ~ 4日(土) | 11月5日(日) |
第22戦 | ラスベガスGP | 11月16日(木) ~ 17日(金) | 11月18日(土) |
第23戦 | アブダビGP | 11月24日(金) ~ 25日(土) | 11月26日(日) |