元ホンダ浅木泰昭氏「レッドブルパワートレインズを見に行き、これは26年組めないな」3年後よりアストンマーティンへPU供給、その経緯を口に｜F1

ホンダで長らく活動したエンジニア、浅木泰昭氏が2026年よりホンダとしてパワーユニットを供給するアストンマーティンについて言及した。

元ホンダ、元HRCのF1エンジン開発責任者である浅木氏が『DAZN』のオーストリアGPのスプリントシュートアウトの生中継にコメンテーターとして出演。2023年4月限りでHRC退職となった浅木氏は、現場でホンダパワーユニットの陣頭指揮を執っていた。2020年10月のホンダF1活動終了発表も直前に寝耳に水で聞かされたと明かしていたが、2021年には翌シーズンから導入予定だった新型エンジンの投入を前倒しで実現させ、同年マックス・フェルスタッペンのドライバーズタイトル奪取に大きく貢献。その後もF1との結び付きを絶やさないよう、水面下で尽力していた。アストンマーティンとのパートナーシップ締結までの流れも当事者の一人として現場で見てきている。

F1は2026年よりパワーユニットのレギュレーションが大きく変わる。電動化（EV）比率が大幅増加し、カーボンニュートラル・フューエル（CNF）の100パーセント使用へと舵を切ることが確定済みだ。2025年限りで提携解消となるレッドブルについて、レッドブルパワートレインズの力を入れ方を把握し、ホンダとしては手を引くしかないと認識した模様。

「2026年から（ホンダはアストンマーティンと）組むってことですけど、レッドブルがレッドブルパワートレインズというものを作って、一回（施設を）見に行ったんですけど。もうすごい投資をして。すごくお金をかけて作っちゃっているんで」

「これはレッドブルとは26年組めないな、と思った。そうなるとね、ホンダがやるとしてもレッドブルの手助けみたいなポジションしかない。そうなると（ホンダが）やりたいこととは違うんですよね」

浅木氏は「そういう意味でじゃあ次どこだ、というとマクラーレン、アストンマーティン、そこらへんと組まないと戦えないんじゃないの、というような感じで見ていた」と発言。レッドブルは結果として2026年よりフォードとタッグを組むことに。ホンダは2026年からのF1活動正式復帰に向けて、他のチームとの協力関係を模索していたという。

そしてアストンマーティンと2026年からのパートナーシップ締結は2023年5月に正式発表された。これから同チームはF1界において、強大な勢力になる可能性があると浅木氏は見ているようだ。

「やっぱり（ローレンス）ストロールさんの存在がすごくデカいですよね。最初はストロールパパってイメージだったけど、やっぱり違うんですよね。すごく有能な実業家が絶対F1で勝ちたいんだっていうようなのが見えてイメージが変わりました」

「レッドブルがそうだった。（創業者の故ディートリッヒ）マテシッツさんがやりたくてチームを作り上げたじゃないですか。それと同じような感じで、アストンマーティンは成長して行くんじゃないかと見ている」

アストンマーティンについてはホンダが3年後からパートナーになる相手ということもあり「応援してますよ」とホンダOBとして、率直にエールを贈っている。

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