「速さが足りなかった」重鎮マルコ博士がデ・フリース更迭を説明「我々を驚かせるスーパーラップは一度もなかった」｜F1

レッドブルグループの重鎮、ヘルムート・マルコ氏がアルファタウリのニック・デ・フリースを更迭し、ダニエル・リカルドを起用したことについて説明している。

アルファタウリは現地時間11日、今季の第12戦ハンガリーGPより、ニック・デ・フリースが離脱し、ダニエル・リカルドがシートに収まることを発表した。レッドブルグループのドライバー人事を統括するマルコ博士は、デ・フリースの母国メディアであるオランダ『De Telegraaf』に対し、今季10レースでオランダ人ドライバーと契約解消に至った理由を明かした。

「我々がニックと契約したのは、彼が昨年モンツァ（※イタリアGPでは虫垂炎による欠場となったアレクサンダー・アルボンの代役を務めた。スポット参戦ながら初戦9位入賞）で素晴らしいパフォーマンスを見せたからだった」

「今季、彼は少なくともチームメイト（角田裕毅）と同等の速さを見せてくれると期待していたが、そうではなかったということだ」

「実際、1ラップあたりコンマ3秒ほど遅れていたことは事実だ。そしてシーズン中盤に入っても改善の傾向が見られそうになかった」

Getty Images

そしてマルコ博士は、デ・フリースがこれまでマクラーレンやメルセデスでテストドライバーを務め、F2やフォーミュラEで結果を残してきたこと、今季開幕時点で28歳だったこともあり、若手ドライバーとは評価基準が異なっていたと述べている。

「彼は28歳でシートを得た。テストドライバーとして様々なF1マシンに乗ってきたし、実際に多くの経験と知識を有している。だから、彼について若いドライバーと比較することはできないと思う」

「4月末のバクー（アゼルバイジャンGP）ではいい調子で週末に入っていったから、パフォーマンスはもっと良くなるだろうと思っていた。だが結果として彼はクラッシュしてしまったんだ」

マルコ博士は「残念ながら、彼は我々を驚かせるようなスーパーラップを一度も見せたことがなかった」と発言。デ・フリースにはここからの上積みが期待できないと認識した模様だ。

Getty Images

本来であればベルギーGPを終えた後の夏休み期間にこういったドライバー交代が起こっていた。なぜサマーブレイクまであと2レースを残した段階でこの決断に至ったのか、記者から問われるとこう返答している。

「我々はアクションを起こす必要があった」

「改善の傾向が見られないのに、なぜ待つ必要がある？ この状況が続くなら、あと2レースでどんな違いが生まれるというのだ？ ニックはとても人柄が良い。ただ、スピードが足りなかった。そういうことだ」

「F1という舞台では厳しい結果になったかもしれない。ただ同時に本人もここまでの内容を自覚し、この時が来ることを予見していたはずだ。ここでは難しかったかもしれないが、ニックは耐久レースなどの異なるカテゴリーでは良いキャリアを築くことができると思うよ」

Red Bull Content Pool

そしてレッドブルのリザーブでもあったリカルドが、ハンガリーGPからアルファタウリのAT04を駆ることになった。F1で実績ある34歳のベテランが前身トロロッソ時代以来、10年ぶり古巣帰還となる。マルコ博士はリカルドへの期待を口にしている。

「もしリカルドに速さがなかったら、我々は別のプランを考えていただろう。ただ、アルファタウリは今コンストラクターズランキングで最下位と低迷しているわけだし、何かをもたらすためには決断が必要だったということだ」

「こういったドライバー交代後、チームに新しいエネルギーがもたらされるものだ。リカルドはその役目をしっかりこなしてくれるだろう」

関連記事

DAZNについて

DAZNなら好きなスポーツをいつでも、どこでもライブ中継&見逃し配信！今すぐ下の記事をチェックしよう。

●  【番組表】直近の注目コンテンツは？
●  【お得】DAZNの料金・割引プランは？