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【コラム】第38回「角田裕毅とリカルドの激烈バトルが勃発する?」|F1解説者ムッシュ柴田のピットイン

【コラム】第38回「角田裕毅とリカルドの激烈バトルが勃発する?」|F1解説者ムッシュ柴田のピットインDAZN
【F1 コラム】解説者も務めるモータースポーツジャーナリスト、柴田久仁夫がF1の今に迫る。
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突然のデ・フリース契約解除、そしてリカルドのアルファタウリ入り

ニック・デ・フリースのF1への挑戦は、わずか10戦で終止符を打ちました。その後任には、かつてレッドブルで唯一マックス・フェルスタッペンを凌ぐ速さを見せていたダニエル・リカルドが就きました。

今回起こったアルファタウリのドライバー交代劇は、いろんな見方、分析ができると思います。

たとえばデ・フリース更迭の理由にしても、ひとことで言えば「期待された結果を出せなかったから」ですが、なぜもう少し使い続けられなかったのか。走り慣れたヨーロッパラウンドに入ってからは、角田裕毅選手とのペース差も縮まってきていただけに、疑問に感じる人も多いでしょう。

レッドブル首脳陣にあった思惑&見込み違いとは

2023-07-14 De Vries Tost Marko F1 Formula 1Red Bull Content Pool

これに関してはレッドブル上層部、クリスチャン・ホーナー代表とヘルムート・マルコ博士の確執絡みという見方もできそうです。

ご存知のようにデ・フリース抜てきのきっかけは、去年のイタリアGPにおいて虫垂炎で欠場したアレックス・アルボンの代役として、いきなり9位入賞を果たしたことでした。

マルコ博士はこの走りにすっかり魅了されましたが、ホーナー代表はデ・フリースがレッドブル育成ドライバーでないこともあり、採用に難色を示していたとのことです。

結果としてマルコ博士が押し切った形になったわけですが、アルファタウリでは角田選手の後塵を拝し続け、1ポイントも取れませんでした。

即戦力の期待が完全に外れた以上、マルコ博士としては早期に切らざるを得なかった。一方でマルコ博士は、レッドブル育成システムの責任者です。レッドブルジュニアドライバーたちを押しのけて抜てきしたデ・フリースが大外れだったことで、結果的に育成システムを自ら否定したことになってしまいました。

長年の盟友でもあったレッドブル創始者ディートリッヒ・マテシッツ氏が昨年亡くなり、マルコ博士は大きな後ろ盾を失っています。デ・フリース抜てきの失敗は、チーム内においてマルコ博士の影響力を、今後さらに低下させることにもなるでしょう(直近の報道では、今度はランド・ノリス獲得に乗り出しているようですが、マルコ博士は失地回復にかなり焦っているということなんでしょうね)。

ベテラン&実力者のリカルドがアルファタウリ入り…その狙いとは

2023-07-12 Ricciardo Daniel Alphatauri F1 Formula 1Red Bull Content Pool

ではデ・フリースの後任はなぜリカルドだったのか。スーパーフォーミュラで素晴らしい結果を出しているリアム・ローソンという選択肢もあったはずです。

今季途中から不振のセルジオ・ペレスに替えて、いきなりレッドブルからリカルドを復帰させるといううわさも出ていました。

なのにリカルドをあえてアルファタウリに押し込んだ大きな理由は、現時点で彼の実力を評価し切れていないからだと思います。

かつてレッドブル在籍中(2014年~2018年)に7勝を挙げ、あれほど輝いていたリカルドが、特にマクラーレンでの2年間(2021年~2022年)はまるで別人のようにマシンコントロールに手こずり、僚友ノリスにまったく敵いませんでした。

サードドライバーとしてレッドブルに戻ってからは「かなり復調している」(ホーナー代表)とされ、シミュレーターでの貢献も高く評価されています。とはいえレッドブルとしては、まずはアルファタウリに乗せて、今の実力を見極めたいということでしょう。

角田裕毅選手にとっても改めて真価が問われる時

2023-07-20 Tsunoda Yuki Ricciardo Daniel Alphatauri F1 Formula 1Red Bull Content Pool

アルファタウリに加わったリカルドにとって、具体的な比較対象となるのはいうまでもなく角田選手です。

彼と比較してどれほど速いのか、遅いのか。あるいは現在最下位に低迷するAT04の戦闘力を、どこまで引き上げることができるのか。リカルドにとっては将来を懸けたシーズンであり、必死で取り組むことでしょう。

正念場なのは、角田選手も同様です。非力なマシンで結果を出してきたことで評価は急上昇しましたが、リカルドに遅れを取るようだとそれも一変するでしょう。

逆に文句が出ないほどの速さを披露すれば、レッドブルが今後ホンダと決別する云々とは関係なく、ペレス後任の目も出て来るはずです。第12戦ハンガリーGP以降の12レース、この2人からますます目が離せません。

文・柴田久仁夫(しばた・くにお)

1956年静岡県生まれ。1980年代よりフランス・パリを拠点とし、TV番組制作の現場で手腕を振るう。1987年よりF1の世界にも足を踏み入れ、それ以来数々のレースを取材してきた。訪れたサーキットでは素足でトラックの感触を確かめるというライフワークも行っている。2016年より本拠地を東京に移し、現在は『DAZN』のモータースポーツ中継でも解説を務める。
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【レース情報】
F1  第12戦:ハンガリーGP※日本時間
7月21日(金)20:30~フリー走行1回目
7月22日(土)0:00~フリー走行2回目
7月22日(土)19:30~フリー走行3回目
7月22日(土)23:00~予選
7月23日(日)22:00~決勝

F2 第10戦:ハンガリー
7月21日(金)18:05~フリー走行
7月21日(金)23:00~予選
7月22日(土)21:15~レース1
7月23日(日)17:05~レース2

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チーム・ドライバー

日程・番組表

 レースフリー走行・予選決勝
第1戦バーレーンGP 3月3日(金) ~4日(土)3月5日(日)
第2戦サウジアラビアGP 3月17日(金) ~18日(土)3月19日(日)
第3戦オーストラリアGP 3月31日(金) ~ 4月1日(土)4月2日(日)
第4戦アゼルバイジャンGP 4月28日(金) ~ 29日(土)4月30日(日)
第5戦マイアミGP 5月5日(金) ~ 6日(土)5月7日(日)
第6戦エミリア・ロマーニャGP 5月19日(金) ~ 20日(土)5月21日(日)
第7戦モナコGP 5月26日(金) ~ 27日(土)5月28日(日)
第8戦スペインGP 6月2日(金) ~ 3日(土)6月4日(日)
第9戦カナダGP 6月16日(金) ~ 17日(土)6月18日(日)
第10戦オーストリアGP 6月30日(金) ~ 7月1日(土)7月2日(日)
第11戦イギリスGP 7月7日(金) ~ 8日(土)7月9日(日)
第12戦ハンガリーGP 7月21日(金) ~ 22日(土)7月23日(日)
第13戦ベルギーGP 7月28日(金) ~ 29日(土)7月30日(日)
第14戦オランダGP 8月25日(金) ~ 26日(土)8月27日(日)
第15戦イタリアGP 9月1日(金) ~ 2日(土)9月3日(日)
第16戦シンガポールGP 9月15日(金) ~ 16日(土)9月17日(日)
第17戦日本GP 9月22日(金) ~ 23日(土)9月24日(日)
第18戦カタールGP 10月6日(金) ~ 7日(土)10月8日(日)
第19戦アメリカGP 10月20日(金) ~ 21日(土)10月22日(日)
第20戦メキシコシティGP 10月27日(金) ~ 28日(土)10月29日(日)
第21戦サンパウロGP 11月3日(金) ~ 4日(土)11月5日(日)
第22戦ラスベガスGP 11月16日(木) ~ 17日(金)11月18日(土)
第23戦アブダビGP 11月24日(金) ~ 25日(土)11月26日(日)