「ツノダに勝ち続ける必要がある」英国のF1ご意見番がリカルドに期待…一方で懸念も「最も遅いクルマ…リスクの大きい移籍」｜F1

元F1ドライバーであり、英国のご意見番マーティン・ブランドル氏が、ダニエル・リカルドのアルファタウリ入りについて自身の見解を示している。

アルファタウリは現地時間11日、ニック・デ・フリースが離脱し、今季の第12戦ハンガリーGPよりリカルドがシートに収まると発表した。28歳のオランダ人ドライバーは今季10レース消化時点でシート喪失となり、ここからは34歳のオーストラリア人ドライバーがアルファタウリのシートに収まる。

ブランドル氏は自身が解説を務めるイギリス『Sky』を通じて「リカルドにとってはリスクの大きいチャレンジだ」と今回のドライバー入れ替わりについて主張した。

「おそらくアルファタウリのクルマは今、グリッド上で最も遅い。そのマシンに乗るということは、リカルドにとってとてもリスクの大きいチャレンジだろう」

「まずは、チームメイトのツノダ（角田裕毅）に勝ち続ける必要がある。それは予選でも、決勝でも同様だ。評価の対象がツノダになるからね。期待されている範囲の絶対条件と言える」

「今のAT04でポテンシャルを上げ、トップ10での戦いができるようになれば、彼の評価は改めて高まるだろうし、リカルドにとって安泰だろう。ただ、マシンの競争力を上げるのはとても難しいことだろうね」

「彼がF1に戻ってきたのは率直に嬉しいよ。ただ、大きな挑戦になると思う」

ブランドル氏は「デ・フリースはかなり苦労していたし、実際、最後尾に近い位置で戦っていた。それは事実だ」と発言。アルファタウリのマシンでライバル勢と太刀打ちするには、難しいのではないかとの懸念も示した。

リカルドが持つ明るいキャラクターもあり、ブランドル氏は34歳オーストラリア人ドライバーのF1帰還を喜んでいる。

「リカルドは一度（マクラーレンで）期待通りの活躍ができず、居場所を失った。熱意を取り戻す必要があるとも本人が語っていたんだ。ただ、しばらくの期間を経てすぐに戻ってくるとは思わなかった」

「ここ6カ月ほどの彼は、F1の現場とは異なる仕事をしていた。だからこそ、グリッド上の20人でいることについて、とても魅力的に感じていたのだろう。リカルドはグリッド上にいると雰囲気が華やかになるし、彼がグリッド上とは違う場所で歩き回っているのが気の毒で、私にとっては嫌だった」

Red Bull Content Pool

そしてブランドル氏は、リカルドにとって角田との当該成績で優勢になることが重要だと説いた。

「ダニエルが今後しばらくF1で走り続けられるかどうか。それは、ツノダを上回り続けることができるかに懸かっている。初日のセッションであるFP、予選、決勝と毎回ツノダを倒し続けることが、リカルドにとって理想のシナリオだ」

今季AT04は大苦戦し、10チーム中10位という成績に沈んでいる。ここまで手にしたポイントは、角田の2度10位入賞による2点のみだ。

第12戦から加わるリカルドは、すぐさまAT04にアダプトして速さを見せることができるのだろうか。リカルドは2012年～2013年に前身トロロッソで走り、一度レッドブル昇格を勝ち取った百戦錬磨のベテランでもある。

3年目を迎えている“古株”の角田にとっても、新加入のリカルドには絶対に負けられない状況となる。ブランドル氏が口にしたように、角田とリカルドの戦いはここから要注目となりそうだ。

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