角田裕毅「望んでいた結果ではない」予選結果は新たな僚友リカルドより下…変則的な予選方式に苦心も、決勝での巻き返しに照準｜F1

2023年のF1第12戦、ハンガリーGP予選を終え、アルファタウリの角田裕毅が土曜日のセッションを振り返った。

現地ハンガロリンクはドライで予選を迎えた。今回は予選規定がいつもとは異なり、Q1ではハード、Q2でミディアム、Q3でソフトを装着するという条件に。アルファタウリとしてはFPからハード＆ミディアムタイヤを中心に周回を重ねてきたが、ハードを装着し一発の速さで15番手に入れるかどうかが一つのポイントとなっていた。

そして予選Q1終盤では、ダニエル・リカルドが土壇場でタイムを短縮させた一方で、角田はベストタイム更新とはならず。リカルドは15番手でQ2進出、角田はリカルドと0.013秒差ながら17番手でQ1脱落となっている。

F1復帰初戦の僚友リカルドに予選で敗れた形になった角田。チーム公式メディアを通じて「今日は難しい状況でした。Q1敗退は望んでいた結果ではない」と予選セッションを振り返った。

「この結果には率直にガッカリしています。ペースの改善を目指していましたが、最後は届かずQ2進出を逃してしまった。望んでいたグリッドを手にすることができず、残念です」

「ある程度ペースはありましたし、新しいリアウイングで一歩前進できたと感じています。でも、それを組み合わせて総合的なパフォーマンスを最大限まで引き出すことができなかった」

「この後に向けて良い学習にはなりましたが、自分のペースを最大限に高める機会を失ったことはとても悔しいです。今回の予選はQ1～Q3で異なるタイヤが規定になったこともあり、結果として練習走行からポイントを絞ることが難しくなってしまった。ある程度楽しかった一方で挑戦的でもありました」

アルファタウリはFPの時からロングランを中心に周回を重ねていたこともあり、角田は決勝での巻き返しに意欲を示している。

「フリープラクティスで見たところレースペースに大きな問題はないようでした。それを最大限に活用して、少しでも前の順位に押し上げられるよう、頑張りたい」

Red Bull Content Pool

アルファタウリのチーフエンジニア、クラウディオ・バレストリ氏はFP3から予選までに至る狙いをこう説明した。

「金曜日に収集したデータを踏まえて、土曜日には様々な路面状況を考慮してパッケージを最適化しようと。FP3前半ではロングランのシミュレーションを行った。ここでは燃料を多く積んでのランを行い、決勝想定のパフォーマンスを見た」

「FP3のセッション後半では予選の準備に重点を置いた。特にQ1でハード、Q2でミディアムを装着することもあり、このコンパウンドの最適化を目指したつもりだ」

「多くのチームがソフトタイヤを装着していた一方で、我々はハードコンパウンドをメインにFP3を走っていた。そのため、他のチームとの走行条件も大きく異なり、力関係を予測するのがやや困難だったと思う」

「ただ、残念なことにユウキはQ1の最後にラップペースを上げることができず苦労した。一方でダニエルはQ2進出を果たした。今日は単純にQ3を目指せるだけの速さがなかったと思う。レースは簡単な展開にならないと思うが、ポイント圏内を目指して最善を尽くしていきたい」

今回アップデートを入れたものの、まだまだ上位勢との差は大きい状態のアルファタウリ。予選ではQ1、Q2、Q3と先に進んだドライバーほど、決勝では柔らかい新品タイヤのストックが少なくなる状況となっている。それだけに決勝のタイヤマネージメントは今まで以上に重要度が増す。

決勝17番グリッドから角田はどのようにして巻き返すのか。前方の13番手からスタートする僚友リカルドとの勝負という点でも、決勝ではしっかりと戦況を読みチャンスをつかみたいところだ。

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