ガスリー「ディナーに招待されなくても構わない」昔から不仲、僚友オコンとの隔たりは変わらず…角田裕毅については「健全な関係」｜F1

今季よりアルピーヌのドライバーとなったピエール・ガスリーが、新天地におけるチームメイトとの現状について述べている。

今季の僚友は同じくノルマンディ地方育ちで、幼い頃から旧知の仲で知られるエステバン・オコン。だが、下部年代でフランスのスカラシップ枠を競ったことから、両者は不仲として以前から知られていた。ガスリーはオコンと良好な関係ではなくとも、チームのために協力し合うビジネスパートナーと主張している。

フランス人ドライバーは『F1』の公式ポッドキャスト『Beyond The Grid』を通じて、アルファタウリからアルピーヌに加わった今季の現状について語った。オコンとコンビを組むことについて「簡単じゃないことは最初からわかっていた」と証言している。

「僕らは昔から知っている間柄ではあるけれど、自分たちは大きく成長した。彼が自分をしっかり歓迎してくれるのかは少し懸念していたけれど、エステバンと僕は長い付き合いだからね」

「もちろんお互いの持ち味はよく把握しているし、それぞれ異なるパーソナリティを持っている。違うタイプの2人が同じチームにいることで、最終的にはうまく機能していると思う。それぞれ責任もあるからね」

ガスリー本人が今すべきことは、オコンと協力してチームの競争力を高めることだと説いている。だが、チーム間でのライバル意識はやはり明確にあるようだ。

「僕にとっての大きな関心事は、エステバンとうまく協力してクルマのポテンシャルだったり、チームの機能性を高めることなんだ。2人とも同じ目標に向かって進んでいくことが大事だし、健全な競争は常に存在している」

「一方で、僚友には負けたくないという気持ちも明確にある。ただ、その大前提として、チームの前進やクルマの開発にマイナスの影響を与えないという状況が大切なんだ」

アルピーヌのドライバーとして協力し合っているが、ガスリーとオコンの仲はあくまで仕事としての割り切りであり、プライベートでは互いを干渉しない模様だ。

「僕らは一緒に多くの時間を過ごしているわけではない。でもサーキットに着いたら仕事だからね。しっかりすべきことに集中する。僕らの関係は形式的なものかもしれないが、求めていることはそれだけなんだ」

「エステバンが僕をディナーに招待しないことは承知している。でもそれで構わないと思っているよ。あくまでチームとしての競争力を高めたいだけだからね」

Getty Images

ガスリーは昨季まで2年一緒にいた角田裕毅についても言及。オコンとの関係とはまったく違った構図だったと振り返っている。アルファタウリで2年僚友だった角田とはその後も仲良しの関係であり、今夏はガスリーの自宅を訪れた角田がコックの格好をして、友のために卵チャーハンを作ったことも。そのシーンはガスリーのSNSで公開されていた。

「ユウキと僕の関係は、エステバンとは大きく違うね。ユウキはとても面白いやつなんだ。それと、サー・ジャッキー（スチュワート）とオースティンで話してね。フランソワ・セベールとの関係についてエピソードを聞いたんだ」

「ジャッキーが（後輩の）セベールに対してどう接し、サポートしていたのかを聞いたら、それは僕とユウキの関係に近いような、共感できるものだった。僕とユウキの間柄はとても誠実で、健全な関係だと思うよ」

3度の王者（1969年、1971年、1973年）スチュワートはセベールを弟のように可愛がった一方で、ジム・クラークやヨッヘン・リントなど、戦友たちがレース中の事故でこの世を去ったことに心を痛め、モータースポーツの安全性向上を強く提唱していた。1973年のアメリカGPでは、予選中にティレルの僚友セベールが事故死。スチュワートは大きなショックを受けて決勝レースには参加せず、それ以降F1から完全引退となった。

それから50年が経過し、フランス人ドライバーの先輩であるセベールのヘルメットデザインを、ガスリーは2023年のアメリカGPにてトリビュートしていた。

Getty Images

そしてガスリーは、チーム内でバチバチにあるオコンとのライバル関係をアルピーヌの戦力底上げに結びつけたいと強調。その心中を明かしている。

「今、エステバンと僕は2人ともキャリアのために戦っているんだ。僕らはどちらも互いに頂点に上り詰めたいと思っているし、それぞれがチームリーダーになりたいという意欲がある。それは明白だし、僕はこの状況や挑戦を受け入れている」

「もちろん、エステバンはとても速く、才能があるドライバーだ。このチーム間競争を歓迎しているよ。彼が僕のことをどれほど倒したいのか、絶対に負けたくないという気持ちをよく知っているからね」

「でも、これは僕らが下部年代にレースしていた頃から、ずっとやってきたことだ。この関係は大きく変わらない。他の人から見たら、何かもっと大規模な衝突とか、ドラマ的なものを期待しているのかもしれないけど、そのようなことはないからね」

なお、今季は第21戦サンパウロGPを終えて、アルピーヌはコンストラクターズ6番手の位置にいる。ポイントランキングでは新加入のガスリーが62点、古株のオコンが46点と、ガスリーのほうが多くのポイントを手に。もちろん両者はアルピーヌを成功に導くために力を合わせている状況ながら、水面下にある2人の激しいライバル意識は今後も要注目と言えそうだ。

関連記事

DAZNについて

DAZNなら好きなスポーツをいつでも、どこでもライブ中継&見逃し配信！今すぐ下の記事をチェックしよう。

●  【番組表】直近の注目コンテンツは？
●  【お得】DAZNの料金・割引プランは？