2024年の第6戦マイアミGP決勝で7位入賞を果たした角田裕毅が、ミディアムの第1スティントを長めに引っ張った理由について明かしている。
角田はマイアミGP予選でQ3進出を果たし、決勝では10番グリッドからのレース開始となった。第1スティントにミディアムを選ぶと、そこからロングスティントを敢行。前方のメルセデス勢を追いかけ、安定したラップペースを刻みながら走り続けた。
28/57周目のターン3でローガン・サージェントとケビン・マグヌッセンが接触すると、状況が一変する。サージェントがターン3奥でマシンストップとなり、レースはセーフティーカー導入となった。
このタイミングで角田はすぐさまピットに入り、ハードタイヤにスイッチ。これでピットアウト後はメルセデス勢よりも前の7番手。前方にはレッドブル、フェラーリ、マクラーレンの3チーム6台しかいない状況となった。
セーフティーカーからの再開後、角田はラップペースの速いルイス・ハミルトンに抜かれてしまったものの、その後はすぐ後方、同じくハードタイヤを装着するジョージ・ラッセルとの差を徐々に広げていく。
レース終盤にはカルロス・サインツがオスカー・ピアストリとの接触を引き起こし、ピアストリはフロントウイング交換で入賞圏内から脱落となった。これで角田はP7に浮上し、そのまま7位でフィニッシュチェッカーを受けている。今季3度目の入賞で獲得ポイントを14まで伸ばし、ドライバーズランキングでもランス・ストロールを抜いて総合10位に浮上した。
角田は『DAZN』の『WEDNESDAY F1 Time #11』にリモート出演。番組MCのサッシャ氏、師でもあるレーシングドライバーの中野信治氏とともに、マイアミGP決勝を振り返った。
DAZN
スタート時、実は角田の後ろにいたピエール・ガスリーがイン側で行き場所がなく、エイペックスに付けずにコース外を走りながらポジションを落としていく映像が流れた。この時、角田は思わず「うわ、危なっ!こんなに危なかったのか」と口に。盟友ガスリーとターン1であわや接触だったことに驚きつつ、こう説明した。
「スタートはRBとしては昔から苦戦していた。スタートをとにかく見つめ直して、少しやり方を変えた。RBとしては(ダニエル)リカルドもそうですけど、スプリントレースでも良いスタートができて。今回、僕も良いスタートができた。(決勝では)ポジションを一つ上げられたのかな」
Getty Images
第1スティントからミディアムでステイアウトし続け、29/57周目セーフティーカー導入がまさしく“渡りに船”となった。この狙いについては、RB&角田として9番グリッドのニコ・ヒュルケンベルグを意識した、明確な意図があったとのこと。
「タイヤが“意外と持つな”ということもあったし、ペースも正直すごく良かった。まあヒュルケンベルグとは真逆のことをしようと最初から思っていた」
「特にヒュルケンベルグは本当にその週クルマが速かった。ストレートが毎回そうなんですけど(ハースのマシンは)抜きにくいというのもあって。戦略でオーバーカットかアンダーカットどっちかにしようと」
VCARB 01を駆る角田は、ヒュルケンベルグに限らずマグヌッセンなど、今季ハース勢と何度となく接近戦を繰り広げていた。コンストラクターズランキングでも現在RBが6位、ハースが7位となっている。それだけに対ハースを意識した、レース戦略を想定していたようだ。
「真逆の戦略を取って、ヒュルケンベルグが早々にピットイン(13周目)した時、フリーエアーを使ってペースを上げて。多分セーフティーカーが入らなくてもポイントは取れたと思うんですけど。本当にペースが良かった」
Getty Images
29周目のセーフティーカー導入は、ロングスティント中だった角田にとっては、明確な追い風となった。
もしこのセーフティーカーがなかった場合、もしくはSC導入前にピットインしていた場合、メルセデス勢の後ろでラストスティントに入り、アストンマーティンのフェルナンド・アロンソと戦っていた可能性が高い。
RBとしては、今季ここまで6ポイントを獲得しているドライバーズランキング13位のヒュルケンベルグは、直接的なライバルとして注意していたようだ。だがヒュルケンベルグは前述のとおり、早々に第1スティントに見切りを付け、セーフティーカー時に再度ピットに入ったこともあり、入賞圏内から脱落して11位フィニッシュとなっている。
レース中の状況変化に応じて対ヒュルケンベルグから対ラッセルに切り替え、最後は8位ラッセルとの差を8.6秒まで広げ、7番手でチェッカーを受けた。この結果は、RBとしても、角田としても、大きな成果だったと言えそうだ。
第7戦以降も角田はどこまで上位勢を崩していけるのかが、引き続き今季の注目ポイントとなる。
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チーム・ドライバー
日程・番組表
レース | フリー走行・予選 | 決勝 | |
---|---|---|---|
第1戦 | バーレーンGP | 2月29日(木) ~3月1日(金) | 3月2日(土) |
第2戦 | サウジアラビアGP | 3月7日(木) ~8日(金) | 3月9日(土) |
第3戦 | オーストラリアGP | 3月22日(金) ~ 3月23日(土) | 3月24日(日) |
第4戦 | 日本GP | 4月5日(金) ~ 6日(土) | 4月7日(日) |
第5戦 | 中国GP | 4月19日(金) ~ 20日(土) | 4月21日(日) |
第6戦 | マイアミGP | 5月3日(金) ~ 4日(土) | 5月5日(日) |
第7戦 | エミリア・ロマーニャGP | 5月17日(金) ~ 18日(土) | 5月19日(日) |
第8戦 | モナコGP | 5月24日(金) ~ 25日(土) | 5月26日(日) |
第9戦 | カナダGP | 6月7日(金) ~ 8日(土) | 6月9日(日) |
第10戦 | スペインGP | 6月21日(金) ~ 22日(土) | 6月23日(日) |
第11戦 | オーストリアGP | 6月28日(金) ~ 29日(土) | 6月30日(日) |
第12戦 | イギリスGP | 7月5日(金) ~ 6日(土) | 7月7日(日) |
第13戦 | ハンガリーGP | 7月19日(金) ~ 20日(土) | 7月21日(日) |
第14戦 | ベルギーGP | 7月26日(金) ~ 27日(土) | 7月28日(日) |
第15戦 | オランダGP | 8月23日(金) ~ 24日(土) | 8月25日(日) |
第16戦 | イタリアGP | 8月30日(金) ~ 31日(土) | 9月1日(日) |
第17戦 | アゼルバイジャンGP | 9月13日(金) ~ 14日(土) | 9月15日(日) |
第18戦 | シンガポールGP | 9月20日(金) ~ 21日(土) | 9月22日(日) |
第19戦 | アメリカGP | 10月18日(金) ~ 19日(土) | 10月20日(日) |
第20戦 | メキシコGP | 10月25日(金) ~ 26日(土) | 10月27日(日) |
第21戦 | サンパウロGP | 11月1日(金) ~ 2日(土) | 11月3日(日) |
第22戦 | ラスベガスGP | 11月21日(木) ~ 22日(金) | 11月23日(土) |
第23戦 | カタールGP | 11月29日(金) ~ 30日(土) | 12月1日(日) |
第24戦 | アブダビGP | 12月6日(金) ~ 7日(土) | 12月8日(日) |