元ホンダ・レーシング(HRC)のF1エンジン開発責任者である浅木泰昭氏が、2026年からの新レギュレーションについて、自身の見解を示した。
F1は2026年より新レギュレーションに突入。現在、レッドブル&ビザ・キャッシュアップRBと提携しているHRC及びホンダは、2026年よりアストンマーティンへのパワーユニット供給が決まっている。
だがこの転換期を前に、アルピーヌは自社パワーユニットのワークス体制を諦め、他社からPU供給を受ける、カスタマーチームになるのではないかと、欧州の複数専門メディアで大きく取り沙汰される事態となっている。
『DAZN』の『WEDNESDAY F1 TIME #17』に浅木泰昭氏が出演し、この話題について見識を示している。
DAZN
番組MCのサッシャ氏は「(ワークスから)カスタマーになると(いううわさがある)。アルピーヌというブランドで走るけど、違うパワーユニットを使う……。ホンダって可能性もありますね?」と振ると、浅木氏はこう返答している。
「可能性は、はい。でも(2026年の状況は)難しいですよね。今の兄弟チーム、レッドブルとRBだったら、まだ(同一グループで)やりやすいですけど」
「全然違うところに供給して、体制を整えるってことになると結構大変だと思います」
サッシャ氏は「でも、1チーム(アストンマーティンへの単独供給)って言っていたけど、その(複数チームにパワーユニットを供給する)フレキシビリティはホンダの中で、もし声が掛かればあるんですかね?」と尋ねると、浅木氏は不可能ではないとの見解を口にした。
「やれと言われりゃ、やると思いますけど」
「ただ(現状は)ダブルワークスですからね。今のレッドブルもRBも。優劣はつけていないんで、その(もしも2026年から)カスタマーとワークスっていうことになると、ちょっと違うノウハウが必要になる」
「逆に言うと、ワークス側(アストンマーティン)にどのぐらいメリットを残すのか。とかいう話と、お金の話といろいろ……。まあ(ホンダは)交渉が下手ですからね」
そしてこの後、浅木氏は「(2026年から新規定となる)パワーユニットに関して、ちょっと思うことを言ってもいいですか?」と断ってから、パワーユニット開発競争から離脱するのではないかとうわさのアルピーヌに理解を示しつつ、こう続けた。
「アルピーヌの考えることっていうのはよくわかるんです。F1全体ですけど、パワーユニット供給社は自動車メーカー(フェラーリ、メルセデス、ホンダ/レッドブルPT、ルノー)が多いんですけど、そこはね、エンジンはタダで供給する。なんなら金も持ってこいという歴史ですよ」
「そうするとパワーユニットを開発すると、お金を持ち出すことが前提みたいにF1業界全体がなってるわけですよね。まあ、フェラーリだけはね、余分に分配金貰ってるからできるかもしれないですけど」
ここでサッシャ氏は「最初から(フェラーリはF1に)参戦してますからね。参戦が長いと多く分配金がもらえるというシステムになっています」とすかさずフォローを入れる。
DAZN
浅木氏は現場で陣頭指揮を執ってきた経験を踏まえ、PU開発がいかに苦難の道であるのか、次のように主張した。
「そうじゃないところっていうのは、まあ主に自動車メーカーがお金を持ち出してパワーユニットを供給することで成り立ってるわけです」
「そうするとその価値があるんだっけ?っていう議論がね……。当然、ホンダはパワーユニットしか供給していないですから。ずっとお金を持ち出している」
「そういうところでこういろんな収益を出さなきゃいけないところからの、突き上げ……。よくわかりますよ。アルピーヌがどういう検討をしているかっていうのは、そういうことだと思う」
「私としてはやっぱり、昔と今はパワーユニットに対する位置付けが違うじゃないですか。カーボンニュートラルを含めてパワーユニットメーカーが頑張らないと、F1の存続も難しいっていう状況」
浅木氏は「パワーユニット開発の方にも分配金を回す制度も考えてもいいんじゃないか」と語りつつ、PU開発側の恩恵がもっと大きかったら、メーカー撤退の方針は浮上しなかったのではないかと示唆している。
「チーム側は(財政的に)潤っているかもしれないけど、パワーユニット開発するところは持ち出すのが当たり前だっていうとなかなかね……」
「営利企業がやっている限り、業績のアップダウンがある中でずっと続けるっていうのが……。持ち出しが少なければね。全然も儲けようとまで言わないんですけど。そういうところも考慮した形に変えていかないと」
「そういう意味で言うと、レッドブル・パワートレインズもね。思ったより(PU開発に)お金がかかるな、って(気がついて)。どこかで一緒になって、(分配金の変更のための)取り組みをしてくれると期待しています」
2023年4月限りでHRC退職となった浅木氏。2020年10月にホンダが2021年限りでのF1活動終了を発表し、2021年に翌シーズン(2022年)から導入予定だった新骨格エンジンの投入を前倒しで実現させ、同年マックス・フェルスタッペンの初ドライバーズタイトル奪取に大きく貢献したことでも知られる。
2020年当時は現場の責任者でありながら、ホンダF1活動終了の話を直前に聞かされたと浅木氏は以前明かしていた。それだけにF1で戦い続けることの大変さを人一倍痛感している元技術者でもある。
現場で長らく戦ってきた浅木氏は、ルノーがPU供給側から離脱するのではないかとのうわさに、思うところがあるようだ。
関連記事
直近のDAZN番組表(F1)DMM×DAZNホーダイなら月々割引&ポイント還元でお得!
(C)DMM.com
DAZNで配信されるプロ野球は、DMMプレミアムとDAZN Standardがセットになった『DMM×DAZNホーダイ』でも視聴することができる。
通常DMMプレミアムとDAZNを別々に契約すると月額4,750円(税込)かかるところ、『DMM×DAZNホーダイ』なら月々1,270円分お得な月額3,480円(税込)で2サービスを楽しむことができる。
なお、DAZNのスタンダードプランからの切り替えも可能(一部は不可)なので、まずは公式サイトをチェックしてみてほしい。
▶【DMM×DAZNホーダイがお得】今すぐ公式サイトから登録
DAZNについて
DAZNなら好きなスポーツをいつでも、どこでもライブ中継&見逃し配信!今すぐ下の記事をチェックしよう。
● 【番組表】直近の注目コンテンツは?
● 【お得】DAZNの料金・割引プランは?
チーム・ドライバー
日程・番組表
レース | フリー走行・予選 | 決勝 | |
---|---|---|---|
第1戦 | バーレーンGP | 2月29日(木) ~3月1日(金) | 3月2日(土) |
第2戦 | サウジアラビアGP | 3月7日(木) ~8日(金) | 3月9日(土) |
第3戦 | オーストラリアGP | 3月22日(金) ~ 3月23日(土) | 3月24日(日) |
第4戦 | 日本GP | 4月5日(金) ~ 6日(土) | 4月7日(日) |
第5戦 | 中国GP | 4月19日(金) ~ 20日(土) | 4月21日(日) |
第6戦 | マイアミGP | 5月3日(金) ~ 4日(土) | 5月5日(日) |
第7戦 | エミリア・ロマーニャGP | 5月17日(金) ~ 18日(土) | 5月19日(日) |
第8戦 | モナコGP | 5月24日(金) ~ 25日(土) | 5月26日(日) |
第9戦 | カナダGP | 6月7日(金) ~ 8日(土) | 6月9日(日) |
第10戦 | スペインGP | 6月21日(金) ~ 22日(土) | 6月23日(日) |
第11戦 | オーストリアGP | 6月28日(金) ~ 29日(土) | 6月30日(日) |
第12戦 | イギリスGP | 7月5日(金) ~ 6日(土) | 7月7日(日) |
第13戦 | ハンガリーGP | 7月19日(金) ~ 20日(土) | 7月21日(日) |
第14戦 | ベルギーGP | 7月26日(金) ~ 27日(土) | 7月28日(日) |
第15戦 | オランダGP | 8月23日(金) ~ 24日(土) | 8月25日(日) |
第16戦 | イタリアGP | 8月30日(金) ~ 31日(土) | 9月1日(日) |
第17戦 | アゼルバイジャンGP | 9月13日(金) ~ 14日(土) | 9月15日(日) |
第18戦 | シンガポールGP | 9月20日(金) ~ 21日(土) | 9月22日(日) |
第19戦 | アメリカGP | 10月18日(金) ~ 19日(土) | 10月20日(日) |
第20戦 | メキシコGP | 10月25日(金) ~ 26日(土) | 10月27日(日) |
第21戦 | サンパウロGP | 11月1日(金) ~ 2日(土) | 11月3日(日) |
第22戦 | ラスベガスGP | 11月21日(木) ~ 22日(金) | 11月23日(土) |
第23戦 | カタールGP | 11月29日(金) ~ 30日(土) | 12月1日(日) |
第24戦 | アブダビGP | 12月6日(金) ~ 7日(土) | 12月8日(日) |