第10戦スペインGPを終えたVCARBの角田裕毅が、カタルーニャでの一戦を振り返っている。持ち込んだアップデートは目に見えたポテンシャルアップとはいかなかったが、次戦オーストリアGPでは改めて方針を見極めるようだ。
VCARBは第10戦スペインGPにおいて、複数のパーツでのアップデートを入れた。だが結果としてそれが奏功せず。
むしろ第9戦カナダGPの時に比べると、ポテンシャルが落ちたと見る向きも。この点については角田もVCARB側も、大きな問題だと認識している模様だ。
DAZN
角田は『DAZN』の『WEDNESDAY F1 TIME #18』にリモート出演し、アップデート要素について言及している。
「少し効果を発揮していた部分もあった。クルマのバランスとか全く変わらず、全体的なグリップがただ上がっただけという感じもあった。アップデートとして最高なアップデートかな、っていうことは感じたんですけど……」
だが実際にスペインGPの公式セッションで走行した内容からして、アップデート成功とは言い難いものだった。
「実際に乗ってみたら（うまくいっていたシミュレーターは）サーキットと違いますし。セットアップもおそらく、自分たちができた最高なセットアップかって言われるとそうでもない」
「その時、持っていた中で最高のセットアップはできたんですけど、例えばダウンフォースレベルだったり、そういった部分ではもっといいやつがあった。それを持ってくることができなかった」
Red Bull Content Pool
アップグレードの要素を多く入れていたこともあり、チームとしてもどうすれば機能性が高まるのか、マシンバランスが安定するのかを試行錯誤していたようだ。
「そういうことも踏まえて、チームの中でもどれが今回の成績につながっていないのか、どのパーツが機能していないのかっていうのをチームが（スペインGP決勝終了後の）2日間で調べてくれた」
「それでもまだハッキリと（不振の要因が）分かっていないんですけど、少しずつ分かってきた」
Red Bull Content Pool
そして角田は次戦オーストリアGPで、アップデートの有り無しで実走行し、データを比較すると明かした。
「オーストリアでやってみないと。たぶん2台で比べると思う。そこでわかると思います」
解説の中野信治氏が“次のオーストリア以降にどれぐらいマシンが良くなる可能性があるのか、今回のアップデートをやって、それがポジティブな取り分があったのかというところをみんな聞きたいと思う。裕毅、そのあたりはどうかな？”と質問を投げかける。すると角田は「僕が一番知りたいです……。アップグレードが機能しているのか」と返答した。
「やっぱりデータで見ると本当に理想的なアップグレードなので、そのぶん期待値も高かったですし、このバランスに関して」
「でも実際、レース後のデータを見ても、何個か不振な部分はあるけれど、一応、空力チームが予想しているデータにはなっている」
「先ほど言ったように、最高のセットアップを導き出せていなかったというのもあるんですけど。ただ、それだけのペース（の遅さ）じゃなかったとはチーム全体が理解している」
DAZN
アップデートの取捨選択については次戦実際に走らせてみて、VCARBは方針を見極めるとのこと。
「本当に空力が影響しているかは、本当にオーストリアで早く理解をして、将来のクルマの開発につなげるためにも、いち早く理解すること重要。オーストリアで2台分けて、どういった差なのか見ることができる」
「新型がそこで速かったらそれはそれで一安心なんですけど。（その場合は）逆になんでバルセロナであんなに遅かったのか、というところも理解する必要がある」
「一つひとつ、クルマへの理解は将来に向けて必ず必要だと思う」
次戦、第11戦オーストリアGPはスプリントフォーマットのため、パルクフェルメの予選終了までマシンセッティングのチェンジは可能ながら、スプリント予選前までにトラック上でマシンバランスを見る時間はFP一度のみの60分しかない。
DAZN
角田が語ったとおり、VCARBは2人のドライバーでアップデート前寄り、アップデート後寄りマシンバランスで両方走行させて、方針を判断する模様。すると解説の中野信治氏は“どっちのクルマ？”と角田に質問。角田とダニエル・リカルドでどのように新旧セットを振り分けるのか聞くと、角田は笑顔のまま無口に。
「昨日……。まあちょっと決めた」
ここで中野氏は“あ、これ言えないか。オッケー、言わなくてもいいよ”と戦略上の守秘義務があることを察して、フォローしている。
「（2台走らせてみて）速いほうが良いということで……。ええ、オーストリアの後に話します（笑）」
Red Bull Content Pool
なお、角田は新旧セッティングを分けると語った一方で、60分のFPを終えた後に、すぐさま遅かったほうを調整するのか、それとも週末を通して2つのマシンバランスで分けたままにするのかは明言していない。ただ、FP時点でデータに明確な差があった場合は、金曜日の昼過ぎにVCARBのメカニックたちが、ガレージ内で急ぎの軌道修正をすることになるかもしれない。
第9戦カナダGPまでは好調を維持していたが、アップグレードを入れた第10戦スペインGPでは失速してしまったVCARB。それから立て続けに行われる第11戦オーストリアGPのFPでは、2台のVCARBでどちらのセッティングが速いのか。これから数戦の勢力図を占ううえでも、要注目となりそうだ。
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日程・番組表
| レース | フリー走行・予選 | 決勝 | |
|---|---|---|---|
| 第1戦 | バーレーンGP | 2月29日（木） ～3月1日（金） | 3月2日（土） |
| 第2戦 | サウジアラビアGP | 3月7日（木） ～8日（金） | 3月9日（土） |
| 第3戦 | オーストラリアGP | 3月22日（金） ～ 3月23日（土） | 3月24日（日） |
| 第4戦 | 日本GP | 4月5日（金） ～ 6日（土） | 4月7日（日） |
| 第5戦 | 中国GP | 4月19日（金） ～ 20日（土） | 4月21日（日） |
| 第6戦 | マイアミGP | 5月3日（金） ～ 4日（土） | 5月5日（日） |
| 第7戦 | エミリア・ロマーニャGP | 5月17日（金） ～ 18日（土） | 5月19日（日） |
| 第8戦 | モナコGP | 5月24日（金） ～ 25日（土） | 5月26日（日） |
| 第9戦 | カナダGP | 6月7日（金） ～ 8日（土） | 6月9日（日） |
| 第10戦 | スペインGP | 6月21日（金） ～ 22日（土） | 6月23日（日） |
| 第11戦 | オーストリアGP | 6月28日（金） ～ 29日（土） | 6月30日（日） |
| 第12戦 | イギリスGP | 7月5日（金） ～ 6日（土） | 7月7日（日） |
| 第13戦 | ハンガリーGP | 7月19日（金） ～ 20日（土） | 7月21日（日） |
| 第14戦 | ベルギーGP | 7月26日（金） ～ 27日（土） | 7月28日（日） |
| 第15戦 | オランダGP | 8月23日（金） ～ 24日（土） | 8月25日（日） |
| 第16戦 | イタリアGP | 8月30日（金） ～ 31日（土） | 9月1日（日） |
| 第17戦 | アゼルバイジャンGP | 9月13日（金） ～ 14日（土） | 9月15日（日） |
| 第18戦 | シンガポールGP | 9月20日（金） ～ 21日（土） | 9月22日（日） |
| 第19戦 | アメリカGP | 10月18日（金） ～ 19日（土） | 10月20日（日） |
| 第20戦 | メキシコGP | 10月25日（金） ～ 26日（土） | 10月27日（日） |
| 第21戦 | サンパウロGP | 11月1日（金） ～ 2日（土） | 11月3日（日） |
| 第22戦 | ラスベガスGP | 11月21日（木） ～ 22日（金） | 11月23日（土） |
| 第23戦 | カタールGP | 11月29日（金） ～ 30日（土） | 12月1日（日） |
| 第24戦 | アブダビGP | 12月6日（金） ～ 7日（土） | 12月8日（日） |