F1公式がアルファタウリをプレビュー「2021年は希望と恐れの両方を抱く」躍進予感の一方、不安要素も指摘｜F1

アルファタウリは2021シーズン、躍進を見せる可能性が高いと『Formula1』公式が予想している。

『F1』は開幕に向けて各チームのプレビューを紹介しており、現地時間18日にはアルファタウリについてもフォーカスした。「アルファタウリ全てのファンが、2021年は希望と恐れの両方を抱く」という見出しで紹介している。

「ピエール・ガスリーが昨季、モンツァの表彰台で頂点に立った光景は、2020年のシーズンを代表するワンシーンだったと言える。多くのティフォーシ（ファン）が表彰台の下に群がる光景はこの年見られなかったが、そのインパクトは揺るぎないものだった」

「シーズン後半にはアルファタウリが中団チームの中でも、時折最速であると示したレースもあった。昨年はその傾向がある程度見受けられたが、2021年はそれが当たり前の光景となるかもしれない」

「ガスリーは、マシンの性能を最大限まで引き出せるドライバーだと証明している。昨年彼が見せた一貫性は、2021年の定期的なトップ10入りが当然のようになってもおかしくないレベルだった。そう思わせるのに十分な説得力を備えていた」

そして記事では、ルーキーの角田裕毅についてもクローズアップし「この日本人がジュニアカテゴリーからF1に到達するまでの急上昇スピードは目を見張るものがあった」と紹介している。

「レッドブルとホンダのサポートを受けてトップカテゴリーまで上がってきた角田は、開幕前のプレシーズンテストにおいて最も話題になるシーンを演出した。彼は印象的な速さをトラック上で見せたが、それは今後何度も目にするであろうリアルな才能であったことは確かだ」

そしてホンダの最新パワーユニットRA621Hについても「ホンダは新たなパワーユニットをもたらした。それは当初、2022年に計画していたものだった。だがそれを前倒して実戦投入。そしてテストでは確実に機能した。ライバルメーカーに比べてパフォーマンスは明らかに前進しており、3日間のテストで大きなトラブルに見舞われることもなかった」と伝え、ホンダのエンジンも信頼性があると強調している。

一方でルーキーの角田を採用したことについては、やや懐疑的な見方もしているようだ。

「アルファタウリは2020年、ポイントを15レースで獲得した。そのうち、2台そろって（ポイント圏内の）トップ10入りしたのは2レースだけだった」

「これまでのコンストラクターズ最上位フィニッシュは6位。それを上回るためには、両ドライバーがポイントを確実に奪取すること。それがアルファタウリにとって大きな改善点と言える。だが、ダニール・クビアトをルーキーに置き換えたことは、一つの矛盾が起こっているようにも思える」

そしてアルファタウリが今季大躍進を見せるかもしれないと含みを持たせつつ、同時に失敗の危険性もはらんでいると分析。次のように記事を締めくくった。

「アルファタウリにとって今後数シーズンを見据えた場合、2021年がビッグシーズンを迎える最後のチャンスになるかもしれない。2022年からは新たな規制が適用となるが、ホンダのパワーユニットにとって最終シーズンだからこそ、大きなプレッシャーが掛かっているという特別な1年でもある。競争の激しい中団グループでは、成功と失敗の境界線は紙一重で薄いものだ」

2020年はガスリーが1勝をマークしたものの、コンストラクターズランキングでは7位。マクラーレン、レーシング・ポイント（現アストンマーティン）、ルノー（現アルピーヌ）、フェラーリら中団グループでは後れを取ったアルファタウリ。

今季はどの位置までジャンプアップすることができるのか。ガスリー、そしてF1初年度に挑む角田の奮闘ぶりが期待されるところだ。