【F1・1994年イモラの悲劇】A・セナ最後のチームメイト｜デイモン・ヒル｜LEGEND OF F1

1994年のF1第3戦、サンマリノGPは複数の重大な事故が起こったことから“イモラの悲劇”と呼ばれ「F1史上最悪の週末」として知られている。

1994年4月29日、フリー走行でルーベンス・バリチェロ（ブラジル）がウォールフェンスに激しく激突。この事故で鼻の骨を折る怪我を負った。

そして翌土曜日の予選ではシムテックのローランド・ラッツェンバーガー（オーストリア）がヴィルヌーブカーブを曲がりきれず、高速でウォールに激突し命を失った。迎えた5月1日、日曜日の決勝ではアイルトン・セナ（ブラジル）がタンブレロコーナーに衝突。そのシーンは生中継で放送され、世界中のF1ファンが事故をリアルタイムで目の当たりにすることとなった。セナはヘリコプターで緊急搬送されたが、帰らぬ人に。

DAZNで配信されている『Legend of F1：A・セナ最後のチームメイト』は、当時ウィリアムズ・ルノーでセナの同僚だった、デイモン・ヒル（イギリス）がサンマリノGPの舞台であるイタリア・イモラを訪れるというもの。本動画ではシムテックでラッツェンバーガーのチームメイトだった、デヴィッド・ブラバム（オーストラリア／3度の世界王者、コンストラクターズチームもジャックの実息）も登場し、ヒルとともにイモラでかつての出来事を振り返った。

ヒルはテストドライバーを経て1993年よりウィリアムズのレギュラードライバーに。1994年はセナの事故死に伴い、そこからエースドライバーへと昇格した。

当時ヒルは「セナにはかなわない」と痛感するほど劣等感を抱いていたことを明かしている。かつて不世出の天才ジム・クラーク（イギリス）を失ったロータス・チームを立て直した実父、故グラハム・ヒル（1962年、1968年王者）の姿に自らを重ね合わせ「運命のめぐり合わせなのか」とも述べている。セナの死後、ヒルはミハエル・シューマッハと3年連続でタイトルを争い、1996年に悲願だったワールドチャンピオンに輝いている。ヒルは当時、F1史上初となる父子2代でのワールドチャンピオンとなった（後にケケ＆ニコのロズベルグ親子も2代王者に）。

1994年、ヒルはどのような心境でレースへ臨んでいたのか、当時の実情を包み隠さず口にしている。あの悲劇を知るF1ファンはもちろんのこと、当時のF1を知らないモータースポーツファンも必見のドキュメンタリーと言えるだろう。『Legend of F1：A・セナ最後のチームメイト』の視聴期限は、2020年4月30日までとなっている。

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