2023シーズンのF1は当初24戦で行われる見通しだったが、新型コロナウイルスの影響で中国GPが見送りとなり、エミリア・ロマーニャGPは豪雨災害により中止に。これで22戦での開催となった。
そして2024年は全24戦で実施される予定。これは過去最多のグランプリ数となる。
F1第24戦アブダビGP 概要
長いシーズンを戦ってきたF1も、いよいよ今週末開催のアブダビGPでフィナーレを迎える。今季コンストラクターズタイトルの争いは、首位を走るマクラーレンをフェラーリが猛追する形で最終盤までもつれ込み、タイトルの行方は最終戦の結果に委ねられることとなった。
前戦のカタールGP決勝ではマックス・フェルスタッペンが完勝。ランド・ノリスはレース中盤まで2位を走行していたものの、黄旗無視のペナルティにより最終順位は10位まで後退。代わって2位に入ったのがチャールズ・ルクレールだった。この結果によりマクラーレン(640点)とフェラーリ(619点)の差は21ポイントに縮まり、逆転の可能性を残す形で最終戦を迎えることになった。ノリス(349点)とルクレール(341点)はドライバーズランキングでも8ポイント差と競っているため、最終戦では激しい攻防が見られるだろう。
中位に目を向けると、6位アルピーヌ(59点)から角田裕毅所属8位RB(46点)までは13ポイントと、こちらも接戦だ。ドライバーズランキングでも、現在12位の角田(30点)は10位(ニコ・ヒュルケンベルグ)まで7ポイント差のため浮上の可能性がある。ひとつでも上の順位を目指したいところだ。シーズンの終わりにはどんなドラマが待っているのか。世界が注目する最終戦がいよいよ始まる。
なお、今回のアブダビGPフリープラクティス1回目ではルーキードライバー起用制度消化のため、各チームはヤングドライバーを走らせる見通し。VCARBは岩佐歩夢、マクラーレンは平川亮が参加することになっており、日本人ドライバーが複数参加する金曜日の公式セッションから要注目となる。
レース開催日程・DAZN配信予定
F1 第24戦 アブダビGP / ヤス・マリーナ・サーキット
日時(日本時間) | 配信内容 | 解説・実況 |
---|---|---|
12月6日(金)18:30~ | フリー走行1回目 | 実況:サッシャ コメンテーター:浅木泰昭 |
12月6日(金)22:00~ | フリー走行2回目 | 解説:柴田久仁夫 実況:笹川裕昭 |
12月7日(土)19:30~ | フリー走行3回目 | 解説:小倉茂徳 田中健一 |
12月7日(土)23:00~ | 予選 | 解説:中野信治 実況:サッシャ |
12月8日(日)22:00~(21:20配信開始) | 決勝 | 解説:中野信治 実況:サッシャ |
F2 ラウンド14 アブダビ
日時(日本時間) | 配信内容 | 解説・実況 |
---|---|---|
12月6日(金)16:05~ | フリー走行 | 実況:笹川裕昭 |
12月6日(金)20:00~ | 予選 | 実況:笹川裕昭 |
12月7日(土)21:15~ | 予選 | 解説:中野信治 実況:笹川裕昭 |
12月8日(日)18:25~ | 決勝 | 解説:中野信治 実況:笹川裕昭 |
第24戦アブダビGP / ヤス・マリーナ・サーキット
Getty Images
アラブ首長国連邦のアブダビにあるヤス島に建設されたサーキット。市街地コースではなく、完全なパーマネントサーキットとして2009年に建設され、現在に至るまでアブダビGPの舞台として使用されている。
2020年までは高速コーナーから低速コーナーまでバラエティ豊かな21のターンがあるコースとなっていたが、2021年より複合カーブや一部シケインなどが統合されてターン数は16に減少。セクター2序盤にあったシケインからのヘアピンカープも構成が大きく変更され、ゆるかやなヘアピンへと変わっている。
その他、セクター3の複数コーナーも統合されるような形でターン数が減り、2021年から高速コース特性が強まることとなった。
オーバーテイクポイントはDRSとストレートエンドのターン6、ターン9となる。2021年の最終戦アブダビGPでは、ファイナルラップのターン5でマックス・フェルスタッペンがルイス・ハミルトンのインを突き、最後の1周で逆転したことも。同年のドライバーズタイトルはこれで決した。この区間も要注目の勝負どころとなる。
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2023年のレース結果
Red Bull Content Pool
2023年のF1最終戦、第23戦アブダビGP決勝は2023年11月26日に行われた。
ヤス・マリーナ・サーキットの同年最終戦では、ドライバーのほとんどである17名がミディアムを第1スティントに選択。13番グリッドのランス・ストロール、16番手カルロス・サインツ、18番手バルテリ・ボッタスの3名がハードを装着した。
レースがブラックアウトとなり、ポールスタートのマックス・フェルスタッペンがトップでターン1へと飛び込んでいく。6番グリッドの角田裕毅はフェルナンド・アロンソに抜かれて7番手となったが、ターン6の飛び込みで6番手を奪い返した。前方ではフェルスタッペンとチャールズ・ルクレールがやり合うが、フェルスタッペンがトップでオープニングラップを終えている。
ここからレースはしばらくトレイン状態が続き、3/58周からDRS使用可能となる。角田は前にジョージ・ラッセル、後ろにアロンソという立ち位置ながらレースペースは悪くなく、ラッセルの1秒以内で周回を続けていった。
11周目のターン9で、ラッセルはオスカー・ピアストリを抜いて4番手に浮上。角田の前はこれでピアストリとなった。
14/58周目にピアストリがピットに入り、角田は前がクリーンエアになったこともあってペースを上げる。
フェルスタッペンは17周目にタイヤ交換を行い、ハードにつないでいる。18周目にルクレールがピットに入り、まだピットに入っていない角田が19周目より、初めてF1でのラップリーダーとなった。
ミディアムスタートのクルマでロングランをしているのが角田のみ。ハードからハードにつないだドライバーもいるため、ライバル勢が軒並み2ストップ作戦確定となる中、アルファタウリ&角田は1ストップ作戦で勝負をかける。
23/58周目に角田はピットイン。ハードの第2スティントにつなぎ、角田は12番手でトラック上に戻った。その後、すぐさまボッタスを抜いて11番手に順位を上げている。
ほぼ一通りタイヤ交換を行った24/58周目時点で、トップはフェルスタッペン。5秒後方に2番手ルクレール、そこから2秒差で3番手ラッセルとなった。
角田はハードを履いてから1分29秒台のラップを安定して刻んでいき、前のハミルトンを追っていく。
32/58周目から、徐々に2度目のピットストップへ入るドライバーが出てくる。角田は第2スティントでもロングランしているため、一時は3番手を走行。だが後方から迫る第3スティント勢、ルクレールやラッセルに38~39周目にかけて抜かれる。角田は42周のターン6でノリスにもかわされ、6番手となった。
トップのフェルスタッペンは中盤からクルーズ状態でペースをコントロールし、44/58周目に2度目のピットインを行う。
上位勢のほとんどが第3スティントに入った49周目時点で、フェルスタッペン、ルクレール、ラッセル、ペレス、ノリス、ピアストリと続き、7番手に1ストップ作戦の角田となった。角田は残り10周で7番手となり、後方のアロンソとは5秒差。アロンソは1ラップあたり角田より1秒ほど速く、最後までP7を守れるかどうかが最大の焦点となった。
そして残り3ラップの56/58周目、角田とアロンソの差はDRS圏内の1秒以内に入ってくる。それでも角田はロングスティントのハードながら、自己ベストを叩き出し、懸命の抵抗を続けていく。だが57周目のターン9でアロンソにパスされ、P8となってしまった。
Red Bull Content Pool
残り2周となり、今度は後方からハミルトンが迫って1秒以内に差が詰まる。ファイナルラップのターン9ではハミルトンが先にターンインしていったが、7度の王者がコーナリング中にスナップして修正。ここで角田が抜き返し、P8を死守した。
結局フェルスタッペンが17.9秒差で同年19度目のトップチェッカーを受けた。年間最多勝記録を19に更新するとともに、通算勝利数54勝はセバスチャン・ベッテルを抜いて歴代単独3位(当時)となった。
終盤に2番手ルクレールはペレスを先に行かせ、意図的にポジションを下げる。ペレスは5秒加算ペナルティがあるため先行させ、コンストラクターズ争いをしているラッセルよりもペレスを先にフィニッシュさせる作戦に出た。
だがこの狙いは奏功せず。結局ルクレールは2位フィニッシュとなったものの、3位表彰台はラッセル。5秒加算のペレスが4位となった。コンストラクターズ順位は総合2位がメルセデス(409点)、3位がフェラーリ(406点)となっている。
5位ノリス、6位ピアストリ、7位アロンソと続き、8位にワンストップで粘り続けた角田裕毅となった。9位ハミルトン、10位ストロールまでが入賞となっている。
同年6度目の入賞で4ポイントを加えた角田だったが、アルファタウリはウィリアムズに3ポイント及ばず、コンストラクターズ8位でシーズンを終えた。
なお、同レースでは角田が世界中のF1ファンによる投票で決まる、ドライバー・オブ・ザ・デイのトップに選出されている。ミディアム、ハードのワンストップで粘り続け、全車完走の中でのP8死守に、多くのモータースポーツファンから支持を集めた模様だ。
DAZN
2023年第23戦アブダビGP・決勝結果
1/マックス・フェルスタッペン/レッドブル
2/チャールズ・ルクレール/フェラーリ
3/ジョージ・ラッセル/メルセデス
4/セルジオ・ペレス/レッドブル
5/ランド・ノリス/マクラーレン
6/オスカー・ピアストリ/マクラーレン
7/フェルナンド・アロンソ/アストンマーティン
8/角田裕毅/アルファタウリ
9/ルイス・ハミルトン/メルセデス
10/ランス・ストロール/アストンマーティン
11/ダニエル・リカルド/アルファタウリ
12/エステバン・オコン/アルピーヌ
13/ピエール・ガスリー/アルピーヌ
14/アレクサンダー・アルボン/ウィリアムズ
15/ニコ・ヒュルケンベルグ/ハース
16/ローガン・サージェント/ウィリアムズ
17/チョウ・グァンユ/アルファロメオ
18/カルロス・サインツ/フェラーリ
19/バルテリ・ボッタス/アルファロメオ
20/ケビン・マグヌッセン/ハース