2024シーズンのF1は24戦で行われ、同一シーズンにおける過去最多のレース数となった。現行レギュレーションの最終シーズンとなる2025年も、同様に年間24レースとなる。
各チーム、及びパワーユニットメーカーは早くも新規定の2026年に向けて注力する向きがある中、2025シーズンはどのようなシーズンになるのだろうか。
F1第1戦オーストラリアGP 概要
2025年のF1グランプリ開幕戦の舞台はオーストラリア。コロナ禍前の2019年以来となる開幕レース実施となる。
今季のF1初戦、オーストラリアGPの舞台アルバート・パーク・サーキットは、人造湖を囲む公園内の公道を一部使用する半公道コース。例年セーフティカーの出動率が高く、不確定要素を読み切る戦略も重要になる。今年はどんな展開が待ち受けているのだろうか。
また、オーストラリアGPは時差が少ないため、日本のファンにとっては数少ない観戦しやすい時間帯のグランプリでもある。さらに日本GP直前のレースでもあるため、注目度の高い一戦と言える。シーズン開幕戦は見逃せない。
オーストラリアGPの成り立ち
(C)Getty Images
舞台はメルボルンにあるアルバート・パーク・サーキット。近年は第3戦だが1996年以降、ほとんどの年で開幕戦の舞台となっていたため「開幕=オーストラリアGP」という印象の方も多いだろう。
この市街地コースでは、毎年F1以外のレースは行われていないのだが、中止となった2021年にサーキットのレイアウト変更を実施。コーナーの角度を緩くしたり、右・左と続く連続シケインを全開走行可能ななだらかなカーブに変更。よりレースを盛り上げるために、平均走行速度もラップタイムも早める方針で大型改修を行った。
コース幅が狭く、ストレートが短いため、比較的コース上での追い抜きは少ないオーストラリアGPだが、2022年より細かなレイアウト改修が重ねられており、ドライバー間の駆け引きも見どころ十分。2023年は3度赤旗の荒れた展開に。2024年は終盤にジョージ・ラッセルがターン6でクラッシュし、セーフティーカーのままフィニッシュチェッカーとなった。今季はどのようなバトルが繰り広げられるのか、とても興味深い。
レース開催日程・DAZN配信予定※日本時間
第1戦 オーストラリアGP / アルバート・パーク・サーキット
日時 | 配信内容 | 解説・実況 |
---|---|---|
3月14日(金) | フリー走行1回目 | |
3月14日(金) | フリー走行2回目 | |
3月15日(土) | フリー走行3回目 | |
3月15日(土) | 予選 | |
3月16日(日) | 決勝 |
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サーキット(アルバート・パーク・サーキット)
DAZN|Getty Images
オーストラリアのメルボルンにあるアルバート・パーク内の湖を周回する道路を使った半公道サーキット。1周は5.303km、全58周で行われる。
常設のサーキットではないため、ランオフエリアが狭い。そして路面はバンピーで滑りやすいことから、荒れたレース展開になることでも知られている。
DRSが4カ所あり、そのDRSが2度続くセクションが大まかに2つとなる。そのため、DRS計測地点で相手の後ろに付け、そこから2つのDRSを使ってどうオーバーテイクを仕掛けるのかという点が大きな注目ポイントとなる。
ターン8~9にかけてのDRS区間は、危険だという指摘もあり、2022年には廃止となったが、2023年はDRS区間復活となった。今季もターン9の飛び込みに向けたアプローチ、その駆け引きに注視したい。
2024年オーストラリアGPの結果
Getty Images
2024年のF1第3戦、オーストラリアGP決勝は2024年3月24日に行われた。
現地アルバート・パーク・サーキットはF2のレース2から引き続きドライコンディションで決勝スタート時刻となる。
決勝では第1スティントのタイヤ選択がバラバラとなった。トップ9台含め多くのドライバーはミディアム。10番グリッドのフェルナンド・アロンソと16番グリッドのケビン・マグヌッセンがハード。11番グリッドのルイス・ハミルトン、18番グリッドのダニエル・リカルドがソフトを選択している。
レースがブラックアウトとなり、ほぼグリッド順のままでターン1へと飛び込んでいく。角田裕毅はセクター1区間でランス・ストロールに抜かれ、9番手に順位を落とし、オープニングラップを終えた。
カルロス・サインツはDRSオープンとなった直後の2周目のターン9で仕掛け、マックス・フェルスタッペンを抜いてトップに躍り出た。
すると4周目の途中、フェルスタッペンのマシンに異変が発生。右リアのブレーキから火が出る状態となり、レースはそのままリタイアとなった。開幕2連勝のフェルスタッペンは、今季3戦目は序盤で無念のレース続行断念となっている。
7/58周目でトップはサインツ、2秒後方に2番手ランド・ノリス、3番手チャールズ・ルクレール、4番手オスカー・ピアストリ、5番手ジョージ・ラッセル、6番手セルジオ・ペレス、7番手ストロールと続き、角田は8番手となった。
8周目に入るタイミングで、早々にタイヤ交換を済ませるドライバーも出てきた。角田は10/58周目にミディアムからハードにつなぐも、ピットアウト後はハミルトンにアンダーカットを許し、事実上1つポジションを落とす結果となった。
ノリス、ペレスは15周目にピットイン。だが第1スティントを粘ったペレスはハミルトンの前、10番手でトラックへと戻った。17周目の途中にはハミルトンがマシントラブルにより、ターン10過ぎのウォール奥に退避し、マシンストップとなった。このあとレースはバーチャルセーフティーカーとなる。
ここまで第1スティントを引っ張っていたアロンソ、ピエール・ガスリー、ニコ・ヒュルケンベルグはこぞってタイヤ交換に入り、大きく得する流れとなった。VSC終了となり、全車がタイヤ交換義務を終える状況に。19/58周目でトップはサインツ、2番手ルクレールでフェラーリ1-2となった。3番手からはピアストリ、ノリス、アロンソ、ラッセル、ペレス、ストロールと続き、角田は9番手となっている。
レース中盤、30周に近づくと第2スティントの各ドライバーはラップタイムの低下が目立ってくる。トラック上のデグラデーションが、想像以上に大きいという点が明るみになった。
サインツがファステストラップを更新しながら、トップを快走する。一方で2番手ルクレールはレースペースが上がらず、33/58周目には前方ルクレールとの差が8秒まで広がった。そこに後方から3番手ノリス、4番手ピアストリのマクラーレン勢がどんどん差を詰める状況に。
ルクレールは35周目にピットへと入り、ハードの第3スティントに入った。角田は37周目にピットインを敢行し、ミディアム、ハード、ハードとつないだ。ヒュルケンベルグの3秒前方、10番手でトラックへと復帰している。あとは最後まで走り切る流れに。角田のピットインを見て、ストロールはその次の周にタイヤを交換している。
42周目にはトラック上のほぼ全車が第3スティントに入り、サインツがトップ。5秒後方に2番手ルクレール、そこから4秒差で3番手ノリスと続いた。
4番手からはピアストリ、ペレス、アロンソ、ラッセル、ストロールと続き、角田は前方ストロールと3秒差の9番手となっている。一時角田は後ろのヒュルケンベルグとの差が1.7秒まで詰まったが、50周を過ぎるとヒュルケンベルグのタイムが落ちてきたこともあり、徐々に差を広げていった。
Getty Images
すると58周目のファイナルラップに入った直後、アロンソとバトルしていたラッセルがターン6でクラッシュし、レースはバーチャルセーフティーカーとなって追い抜き禁止のままフィニッシュとなった。
結局、前レース虫垂炎で欠場し復帰初戦のサインツが今季初優勝。昨季シンガポールGP以来となる勝利で、キャリア3勝目をマークしている。2位ルクレールでフェラーリが1-2フィニッシュとなった。
3位ノリスまでが表彰台となり、ノリスはこれでキャリア14度目の表彰台。ニック・ハイドフェルトが保持していたF1未勝利ながら表彰台13回という記録を抜き、ノリスが未勝利の表彰台経験単独最多ドライバーとなった。
4位ピアストリ、5位ペレス、6位アロンソ、7位ストロールと続き、角田は8位フィニッシュ。だがアロンソは57周目のターン6で不必要な減速をしたとされ、後ろのラッセルがクラッシュする要因を創出したとのスチュワード裁定になった。アロンソには20秒のタイムペナルティが課され、8位降格。繰り上がりで6位ストロール、7位角田となった。
角田はメルボルンで6ポイント奪取。フェラーリで前レース7位入賞を果たしたオリヴァー・ベアマンとポイント数で並ぶも、完走回数の多さから角田がドライバーズランキング11位浮上、ベアマンは総合12位となった。
コンストラクターズランキングでRBは一気に6位までジャンプアップしている。
2024年第3戦オーストラリアGP・決勝結果
1/カルロス・サインツ/フェラーリ
2/チャールズ・ルクレール/フェラーリ
3/ランド・ノリス/マクラーレン
4/オスカー・ピアストリ/マクラーレン
5/セルジオ・ペレス/レッドブル
6/ランス・ストロール/アストンマーティン
7/角田裕毅/RB
8/フェルナンド・アロンソ/アストンマーティン
9/ニコ・ヒュルケンベルグ/ハース
10/ケビン・マグヌッセン/ハース
11/アレクサンダー・アルボン/ウィリアムズ
12/ダニエル・リカルド/RB
13/ピエール・ガスリー/アルピーヌ
14/バルテリ・ボッタス/キックザウバー
15/チョウ・グァンユ/キックザウバー
16/エステバン・オコン/アルピーヌ
17/ジョージ・ラッセル/メルセデス
-/ルイス・ハミルトン/メルセデス
-/マックス・フェルスタッペン/レッドブル
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チーム・ドライバー
日程・番組表
レース | フリー走行・予選 | 決勝 | |
---|---|---|---|
第1戦 | オーストラリアGP | 3月14日(金) ~15日(土) | 3月16日(日) |
第2戦 | 中国GP | 3月21日(金) ~22日(土) | 3月23日(日) |
第3戦 | 日本GP | 4月4日(金) ~ 5日(土) | 4月6日(日) |
第4戦 | バーレーンGP | 4月11日(金) ~ 12日(土) | 4月13日(日) |
第5戦 | サウジアラビアGP | 4月18日(金) ~ 19日(土) | 4月20日(日) |
第6戦 | マイアミGP | 5月2日(金) ~ 3日(土) | 5月4日(日) |
第7戦 | エミリア・ロマーニャGP | 5月16日(金) ~ 17日(土) | 5月18日(日) |
第8戦 | モナコGP | 5月23日(金) ~ 24日(土) | 5月25日(日) |
第9戦 | スペインGP | 5月30日(金) ~ 31日(土) | 6月1日(日) |
第10戦 | カナダGP | 6月13日(金) ~ 14日(土) | 6月15日(日) |
第11戦 | オーストリアGP | 6月27日(金) ~ 28日(土) | 6月29日(日) |
第12戦 | イギリスGP | 7月4日(金) ~ 5日(土) | 7月6日(日) |
第13戦 | ベルギーGP | 7月25日(金) ~ 26日(土) | 7月27日(日) |
第14戦 | ハンガリーGP | 8月1日(金) ~ 2日(土) | 8月3日(日) |
第15戦 | オランダGP | 8月29日(金) ~ 30日(土) | 8月31日(日) |
第16戦 | イタリアGP | 9月5日(金) ~ 6日(土) | 9月7日(日) |
第17戦 | アゼルバイジャンGP | 9月19日(金) ~ 20日(土) | 9月21日(日) |
第18戦 | シンガポールGP | 10月3日(金) ~ 4日(土) | 10月5日(日) |
第19戦 | アメリカGP | 10月17日(金) ~ 18日(土) | 10月19日(日) |
第20戦 | メキシコGP | 10月24日(金) ~ 25日(土) | 10月26日(日) |
第21戦 | サンパウロGP | 11月7日(金) ~ 8日(土) | 11月9日(日) |
第22戦 | ラスベガスGP | 11月20日(木) ~ 21日(金) | 11月22日(土) |
第23戦 | カタールGP | 11月28日(金) ~ 29日(土) | 11月30日(日) |
第24戦 | アブダビGP | 12月5日(金) ~ 6日(土) | 12月7日(日) |