2023シーズンのF1は当初24戦で行われる見通しだったが、新型コロナウイルスの影響で中国GPが見送りとなり、エミリア・ロマーニャGPは豪雨災害により中止に。これで22戦での開催となった。
そして2024年は全24戦で実施される予定。これは過去最多のグランプリ数となる。
F1第22戦ラスベガスGP 概要
近日公開予定
レース開催日程・DAZN配信予定
日時(日本時間) | 配信内容 | 解説・実況 |
---|---|---|
11月22日(金)11:30~ | フリー走行1回目 | 解説:田中健一 コメンテーター:浅木泰昭 |
11月22日(金)15:00~ | フリー走行2回目 | 解説:柴田久仁夫 実況:サッシャ |
11月23日(土)11:30~ | フリー走行3回目 | 解説:小倉茂徳 実況:サッシャ |
11月23日(土)15:00~ | 予選 | 解説:中野信治 実況:サッシャ |
11月24日(日)15:00~ | 決勝 | 解説:中野信治 実況:サッシャ |
第22戦 ラスベガスGP / サーキット(ラスベガス市街地コース)のレイアウト
DAZN
ラスベガス・ストリップ・サーキットは華やかな街の中心部を突っ切るロケーションとなっており、全長は6.201km、50周で決勝レースを競う。
ブタの貯金箱を上下ひっくり返したようなレイアウトと言われるが、エンジンの全開率が高く、シーズンでも指折りの高速特性とされる。ターン4~5、ターン13~14にかけてのストレート区間がDRSになるため、ターン5、ターン14の飛び込みが最大のオーバーテイクポイント。ホームストレートエンドのターン1でも、ポジションのアップダウンが多く見られる。
レースは11月ラスベガスの夜。気温及び路面温度が冷え込む可能性もあり、この環境がタイヤの機能性に大きく影響を及ぼす。各チームはウイングを寝かせた高速特性強めのセッティングを突き詰めつつも、コーナー時のダウンフォースをどこまで確保するか、そのバランスを見つけることが重要となる。
パーマネントサーキットではなく、公道を使った新設のストリートトラックということもあり、路面のグリップ力は低め。コース脇はすぐさまウォールやフェンスが設けられているため、ブレーキングポイントでミスした場合、エスケープがない区間ではそのままクラッシュという状況も十分に考えられる。
最初の公式セッションとなった2023年のFP1では、トラック上にあるマンホールのフタが走行するマシンの風圧によって浮き上がり、カルロス・サインツのマシンが大きく破損するというトラブルも起こった。
トラックの特性上、セーフティーカーやバーチャルセーフティーカーの導入が高確率で起こるだろう。波乱が巻き起こる可能性もあるだけに、展開を読みつつ戦局に乗れるかで順位は大きく変動することになりそうだ。
レース開催時は日本時間の日中ながら、現地ラスベガスは22時決勝開始となる。“眠らない街”ラスベガスの風光明媚なナイトレース、第2回目のウィナーは誰になるのだろうか。
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2023年ラスベガスGPのレース結果
Getty Images
2023年のF1第22戦ラスベガスGP決勝は2023年11月18日に行われた。
ネバダ州現地時刻土曜22:00スタートの決勝は、外気19度、路面温度20度のドライコンディションでレース開始時刻を迎えた。
各ドライバーのほとんどとなる15名は第1スティントにミディアムを選択。10番グリッドのルイス・ハミルトンと後方のチョウ・グァンユ、オスカー・ピアストリの3台がハードを選んだ。そして19番グリッドのランス・ストロール、最後尾角田裕毅の2人はソフトを選択している。
レースがブラックアウトとなり、2番手スタートのマックス・フェルスタッペンがポールスタートのチャールズ・ルクレールを押し出すような形でターン1へと入っていく。
各車タイヤが冷えていることもあり、ここのブレーキで止まれないクルマが続出する。後方ではフェルナンド・アロンソが止まりきれずにスピン。バルテリ・ボッタスもからんでターン1で一時ストップした。角田はこの混乱に巻き込まれることなく、20番手から12番手まで大幅ジャンプアップしている。
すると1周目の終わりにバーチャルセーフティーカー導入となった。ここでセルジオ・ペレス、アロンソなどはピットに入り、ウイングの交換を行っている。
バーチャルセーフティーカー終了後の3/50周目、ターン12の手前でランド・ノリスのマシンに異変。スピンからエスケープゾーンのタイヤバリアに激突し、これでレースはセーフティーカーとなった。
ここでストロールやカルロス・サインツなどがピットに入り、タイヤ交換を行っている。角田はソフトタイヤを履いたままで10番手まで浮上した。
セーフティーカー先導は6/50周で終了。ローリングスタートで7周目からレース再開となった。角田は再開後のターン1でピアストリにインを突かれ、P11ダウンとなった。
フェルスタッペンはトップを快走するも、8/50周目にはフェルスタッペンに5秒のタイムペナルティが発表された。スタート直後のターンインで、ルクレールよりも後ろでターン1に入り、押し出したというスチュワードの裁定となっている。
角田はソフトで走り続けるも周囲のドライバーに比べてペースが上がらず、ハミルトン、チョウに抜かれて11/50周目にはピットイン。ミディアムに履き替えてボッタスの21秒後方、最後尾の19番手でトラック上に戻った。
フェルスタッペンは16/50周目のターン14でルクレールに抜かれ、この周の終わりにピットイン。ここで5秒ペナルティを消化したあと、ミディアムからハードにつないだ。この後、第1スティントミディアム勢が続々ピットに入っていく。
レース中盤を迎え、角田はミディアムでもペースの低下が見られ、22/50周目に第3スティントのハードに入った。ここから最後まで走り切る流れとなる。
25/50周目のターン12で、フェルスタッペンとジョージ・ラッセルが接触。これでフェルスタッペンのフロントウイングからパーツが飛んだ。直後の26周目、レースはセーフティーカーとなった。ここで各車は続々ピットに入ってくる。この後、ラッセルには5秒加算のペナルティが科された。
ワンストップ作戦のルクレールがステイアウトとなり、トップに浮上。2番手は新品ハードに履き替えたペレス。以下ピエール・ガスリー、ピアストリ、フェルスタッペン、エステバン・オコン、ストロール、アレクサンダー・アルボン、ラッセル、サインツというトップ10の並びになった。
これでセーフティーカー先導で隊列が詰まり、29/50周目よりローリングスタートで再開。ここからはトップのルクレールをペレスが追い詰める展開となった。
32/50周目のターン14でペレスがルクレールのインを突き、これでペレスがトップに立つ。そして3秒後方では、接触でフロントウイング右の翼端板を失った4番手フェルスタッペンがファステストラップを連発し、前方3台との差を詰めていった。
すると35周目のターン14でルクレールがペレスを抜き返し、トップの座を取り戻した。後方からはフェルスタッペンが迫り、ここからはルクレール、ペレス、フェルスタッペンの3台がトレインになる。次の周にはフェルスタッペンがペレスをパスして2番手に浮上。あとは前にルクレールだけという状況となった。
37周目のターン14でフェルスタッペンがルクレールのインに入り、これでフェルスタッペンはトップに返り咲いた。2番手ルクレールにDRSを使わせないように、フェルスタッペンはルクレールを1秒以上まで突き放したい状況下、ルクレールはペースを落とさずついていく。
すると残り8周となる43/50周目、ルクレールがターン12で止まりきれず、これでフェルスタッペン、ペレス、ルクレールの並びとなった。
角田は17番手を走行していたが、残り3周の48周目にギアボックスに問題があるとチームから無線が入る。ターン14奥にマシンを退避させ、リタイアとなった(周回数から18位完走扱い)。
レースはフェルスタッペンがペレスとの差を4.5秒まで広げたが、ファイナルラップでは後方ペレスにDRSを使わせるためにスローダウン。だが最終周の50周目、ターン14でルクレールがペレスのインに飛び込み、2番手の座を取り戻した。Getty Images
結局フェルスタッペンが5秒加算や他車との接触を物ともせず、同年の18勝目となるトップチェッカーを受けた。キャリアとしては通算53勝をマークして、セバスチャン・ベッテルに並ぶ歴代勝利数3位タイ(いずれも当時)となっている。
最後2位に浮上したルクレールが18ポイントを手にした。レッドブル1-2を最後逸したものの、3位ペレスまでが表彰台となった。3位で15点加算のペレスは残り1戦を残してハミルトンとのポイント差を41点まで広げたため、2023年のドライバーズ総合2位が確定となっている。
4位オコン、5位ストロール、6位サインツ、7位ハミルトン、8位ラッセル、9位アロンソ、10位ピアストリまでがポイントを手にした。
2023年第22戦ラスベガスGP・決勝結果
1/マックス・フェルスタッペン/レッドブル
2/チャールズ・ルクレール/フェラーリ
3/セルジオ・ペレス/レッドブル
4/エステバン・オコン/アルピーヌ
5/ランス・ストロール/アストンマーティン
6/カルロス・サインツ/フェラーリ
7/ルイス・ハミルトン/メルセデス
8/ジョージ・ラッセル/メルセデス
9/フェルナンド・アロンソ/アストンマーティン
10/オスカー・ピアストリ/マクラーレン
11/ピエール・ガスリー/アルピーヌ
12/アレクサンダー・アルボン/ウィリアムズ
13/ケビン・マグヌッセン/ハース
14/ダニエル・リカルド/アルファタウリ
15/チョウ・グァンユ/アルファロメオ
16/ローガン・サージェント/ウィリアムズ
17/バルテリ・ボッタス/アルファロメオ
18/角田裕毅/アルファタウリ
19/ニコ・ヒュルケンベルグ/ハース
-/ランド・ノリス/マクラーレン