現役時代は読売ジャイアンツや横浜ベイスターズ(現:横浜DeNAベイスターズ)で、内野手として活躍し、現在はDAZNのプロ野球放送で解説を務める仁志敏久氏。論理的な野球理論に定評がある仁志氏が、新型コロナウイルスの感染拡大によってこれまでとは異なるシーズンを戦っているプロ野球について語った。※インタビューは10/3に実施
(インタビュー・構成=川嶋正隆)
──今シーズンは様々な場面で新型コロナウイルスの影響を感じていると思います。
日程に関していえば、パ・リーグは同一カード6連戦をやるなど特別感がありました。一方でセ・リーグは通常の1カード3試合でしたし、合間に雨での中止などもあって、選手たちにとってはそこまで変わらないと思います。
──日程以外での影響はいかがでしょう。
外出できないストレスはかわいそうですよね。自宅ならば色々と(ストレスを)発散できますけど、ビジターだと同じホテルでずっとベットの上。そこにじっとしていることを考えると、選手たちはかわいそうだなと思います。
──普段とは違うなかで開幕となりました。今シーズンは120試合を約6カ月で消化する過密日程で、投手陣の起用も通常とは変わってくるのではないでしょうか?
ずっと連戦が続くので、投手の頭数がいないと大変ですね。ベイスターズなんかは、ブルペンデーをやっていましたが、やはり(先発の)頭数が揃う揃わないでチームの勝敗が大きく変わると思います。あとは、リリーフ陣。勝てば毎日出場することになりますし、先発が早く降りてしまうとリリーフ陣の出番は増えます。先発もリリーフもかなり大変なシーズンですね。
──同じように野手陣にとっても難しいシーズンだと思います。
投手陣もですが、ビジターではホテルに缶詰状態で、精神的な部分で厳しさがありますよね。そういう状況でも毎日毎日、同じように試合がある。ただ、各チームでもそれなりに対応していると思います。
──具体的にどのような対応をしているのでしょうか?
試合に向けて、練習ばかりやっているようなことはないでしょう。巨人なんかは練習しない日もあるくらいです。今までも取り組めばよかったことなのですが、コロナの状況で練習を調整することができるようになりました。
これで選手たちへの負担を減らすことができます。選手のコンディションを重視した動きになるきっかけとなるでしょう。別にコロナがなくても、選手たちのコンディションを重視するべきなのですが、キャンプとかでもそうで、昔からある習慣はなかなか崩せません。選手たちに気を配って、練習内容だとか、スケジュール的なところも色々考えるシーズンになったと思います。
──選手のコンディションを守るという意味では、登録選手やベンチ入りメンバーなどのルールも変更となりました。
連戦をやらざるを得ないので、登録の枠が増えるのはいいことだと思います。
──そんななか8月6日に行われた阪神タイガース戦で、読売ジャイアンツの増田大輝選手が投手起用されて注目を集めました。これも新型コロナウイルスの影響かと思います。
別に驚くことではないのかなと。あの時は残っている投手の立場(セットアッパー)、点差を考えると驚くことではないですね。論争になること自体が不思議で、今更論争するほどのものでもないかなと。
お客さんは日本の野球をたくさん観ていて、あまりそういうことに慣れていないかもしれないですね。ただ、マスコミを含めて論争になっていたので、個人的には野球の報道をしている側もその程度のことに対応し切れないのかなと思いましたね。
僕はメジャーの中継を長いことやっていて、向こうではよくあることです。一方で、観ているお客さんは「今日はゲーム捨てちゃったな」ってわかっちゃうので、それはそれでお客さんには申し訳ないですよね。
ただ今年は特に連戦ですし、選手の枠が広がったということもあり、同じメンバーでやりくりをしなければいけないです。ゲームが動けばどんな状況になるかわからないですし、荒れた状況になるとたくさんの選手を起用しないといけない。そうすると、野手が投手をできるように準備しておくというのも1つの方法ですね。
仁志敏久氏 インタビュー
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