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【パ・リーグ展望】群雄割拠の混戦パ。最注目の『令和の怪物』佐々木朗希は「進化の年になる」|プロ野球

【パ・リーグ展望】群雄割拠の混戦パ。最注目の『令和の怪物』佐々木朗希は「進化の年になる」|プロ野球時事通信
【プロ野球 インタビュー】2022年のプロ野球が3月25日に開幕する。DAZNで解説を務める飯田哲也氏に、パ・リーグの展望を語ってもらった。
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2022年のプロ野球ペナントレースが、3月25日に開幕する。

昨年は、前年度最下位だったオリックス・バファローズが、25年ぶりとなるパ・リーグを制覇。千葉ロッテマリーンズと東北楽天ゴールデンイーグルスがAクラス入りを果たし、福岡ソフトバンクホークス、北海道日本ハムファイターズ、埼玉西武ライオンズがBクラスに沈んだ。

新シーズンはどのチームがパ・リーグを制するのか。

連覇を目指すオリックス、期待の若手・佐々木朗希を擁するロッテ、ウィークポイントを補った楽天、世代交代を進めるソフトバンク、ビッグボスが注目を集める日本ハム、最下位からの巻き返しを誓う西武など、DAZNで解説を務める飯田哲也氏に今季の注目ポイントを伺った。

※インタビューは3月17日に実施。

オリックスは盤石の投手陣

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──2022年のプロ野球が3月25日に開幕します。早速ですが今年の見どころをお伺いしていきます。

飯田哲也(以下、飯田) 今年はセ・リーグもパ・リーグもどこが優勝してもおかしくないと思っています。選手のレベルは拮抗していて、ずば抜けたチームはいない。だからこそチーム力の差が勝敗を分けると思います。両リーグともに順位予想は難しいですね。

──今年を語る上で1つのポイントが延長戦の復活です。昨年とは違い投手の層が大事になるのでは?

飯田 実際に延長になる試合は、年間で考えても数回です。ただ、去年は9回までだったこともあって、7回、8回、9回にいい投手をどんどんつぎ込むことができました。ヤクルトが優勝した要因はその戦い方がハマったからです。

ただ、今年は12回まで戦う可能性があるので、同点の早い段階から主力選手をつぎ込めない。そこをどうカバーするかが見どころですね。

先発に自信があるチームは、7回くらいまで引っ張るでしょう。中継ぎの層に自信があるチームは早めに交代するかもしれません。そこの駆け引き、選手起用の部分は監督の手腕が試されると思います。

──チームごとの見どころについてもお伺いします。昨年はオリックスの25年ぶりとなるパ・リーグ制覇で幕を閉じました。今年も優勝候補に挙げられていますが、飯田さんはどのように見ていますか?

飯田 間違いなく優勝を争うチームだと思っています。やはり投手陣がいい。山本由伸に宮城大弥の左右のエースがいて、今年は山岡泰輔が復活すると盤石ですね。打線も吉田正尚、ラオウ(杉本裕太郎)がしっかりしている。このままいけばいい戦いをすると思います。

──昨年優勝した経験が今年にも生かされそうですね。

飯田 優勝した経験は大きいです。緊迫した試合や状況でも冷静になれます。あれだけの大舞台を経験すると、気持ちは大きく変わります。それに昨年は日本一を逃しています。「今年はやってやる」とみんながその目標に向かって戦っていくでしょう。

──オープン戦で気になる選手はいらっしゃいましたか?

飯田 太田椋がカギを握っていると思います。4番までがしっかりしていて、その後ろを誰が打つかがポイントの1つです。太田はオープン戦でその5番を打っていましたし、期待されている。去年のラオウのように大化けすると選手層が厚くなります。いい選手なので、もう少し伸びるとさらに強くなりますね。

──連覇に期待がかかるオリックスですが、今年のキーマンは?

飯田 この選手がキーマンだと言うよりも、主力選手たちがそれぞれの持ち味を発揮することが大事かなと思います。やや気になるのは野手陣の選手層の薄さ。でもそこは中嶋聡監督が、調子のいい選手を当てはめながら回すでしょう。あとは外国人選手がどれだけやれるか。あの投手力なので、打線が機能すると連覇の可能性はぐっと高くなります。

ロッテ・佐々木朗希は年間通した活躍ができるか?

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──昨年2位に終わったロッテですが、今年はいかがでしょうか。

飯田 今年も成績を残すと思います。特に注目は佐々木朗希。オープン戦の投球を見ましたが、期待しかないです。

野手もマーティンとレアードのいい外国人選手2人がいます。今年も結果を残してくれるでしょう。一方で荻野貴司がオープン戦に出ていないのが心配です(※石垣島キャンプで新型コロナウイルスに感染し、その後は調整が続いている)。個人的にロッテのキーマンは荻野だと思っていて、昨年くらいの成績を残すと一気に優勝候補ですね。

今のロッテはチーム力が高く、ここぞの局面で点を取る勝負強さがあります。一発がある外国人が2人もいるし。投手力も佐々木が入って厚くなりました。今年のパ・リーグを面白くするチームだと思います

──佐々木投手は、昨年は中10日での投球など登板間隔をあけて起用されました。今年はローテーションを回っていきますが、どれくらい勝てそうでしょうか?

飯田 ローテーションを回りきれれば、10勝は楽にいくでしょう。ヤクルトの奥川恭伸もそうですが、昨年はかなり大事に起用されてきました。今年は進化の年になる。ヤクルトにとってもロッテにとっても、奥川や佐々木には今年ローテーションを回ってもらうプランで育てているはずです。プラン通りにいけば、今年はやってくれるでしょう。期待しかないですね。

──チームにとっても佐々木投手にとっても大事な一年になりますね。

飯田 1試合全力でいけば、打たれない投球をしてくれます。ポイントはそれを1年間続けられるかどうか。ローテに入ると週に一回投げるので、体力面や精神面が大事になります。そこを耐えられるかが、飛躍できるかどうかにつながる。そこがロッテの見どころでもあり、楽しみでもあるところですね。日本を背負う大投手になると思いますよ。

楽天のウィークポイントを埋めた西川遥輝

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──昨年3位の楽天はいかがでしょうか?

飯田 西川遥輝が加入したことで、外野手争いが激化していますね。チームとしては、彼が入ったことで、昨年までのウィークポイントだった一番打者を固定できる。打線はさらにパワーアップすると思います。

昨年は成績を落としていた西川ですが、日本ハムでは一番打者として機能していました。楽天にない盗塁という武器を持っています。彼の後ろには浅村栄斗や島内宏明といった勝負強いバッターがいるので、チームとして面白い打線になると思います。

また、去年の誤算は外国人選手。彼らが機能しなくての3位だったので、逆に言えば今年は外国人がうまく機能すると優勝もあるでしょう。

──MLBでも活躍したギッテンス選手とマルモレホス選手は前評判が高いです。一方で新型コロナウイルスの影響で、どの球団も外国人選手の調整に遅れがあります。

飯田 開幕まで時間はないので、ぶっつけの形になると思います。今、外国人が揃っているチームは有利ですよね。まだ来日していない人や、今隔離されている人は、開幕に間に合わない。そこで若干のハンデがあると思います。ただ、結局大事なのは夏場以降なので、そこで大爆発してくれればいいでしょう。

──昨年、楽天のウィークポイントに挙げられていた捕手はいかがでしょうか?

飯田 今年も決め手がないですね。炭谷銀仁朗が一番しっかりしていますが、体力の問題で全試合は無理でしょう。ただ、今年はドラフト2位で入団した愛知大の安田悠馬が、かなりいいバッティングをします。正捕手を取れれば、打てるキャッチャーとして活躍してくれるでしょう。

──楽天といえば、昨年復帰した田中将大投手を擁する投手陣が話題になりました。今年も豪華な先発陣が注目されていますね。

飯田 昨年も言われていたように、先発の頭数はいます。その中で期待しているのは、田中将大です。オープン戦で打たれる場面がありましたが、今年はやってくれると思います。

昨年は防御率3.01と良い数字を残しているのですが、4勝9敗と結果を残せませんでした。本人が一番悔しい思いをしているでしょうし、反骨真の強い選手です。去年の悔しさをバネに、今年はやってやるという思いが伝わっています。

本来の力を発揮すれば去年の勝ちと負けが逆になる。それ以上の成績を残すでしょう。彼が結果を残せば、今年は優勝すると思っています。

──一方で中継ぎ陣はやや選手層が薄いように思います。

飯田 おっしゃるように、楽天の問題点は抑えと中継ぎです。昨年は安楽智大や西口直人が頑張りました。今年はそこにもう一枚や二枚欲しい。若い投手が出てくると良いですよね。抑えの松井裕樹は決まっているので、そこまでどう繋ぐかが課題です。

世代交代のソフトバンク。注目は怪力・リチャード

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──昨年Bクラスに沈んだソフトバンクは、藤本博史監督に変わり変革の時を迎えています。

飯田 昨年はチャンスを作りながらもランナーを返せませんでした。そこで今年はキャンプ中からバントやエンドラン、右打ちなど、細かな野球をやっている印象です。「どうやったら1点を取れるか」という野球をキャンプからやっていて、そこはかなり期待しています。

──今年のテーマの1つに世代交代があります。飯田さんが期待する若手選手は?

飯田 ホークス時代に教えていたリチャードです。オープン戦ではいまいち成績が残っていないですが、いいものを持っている。もう少し確率を上げるとレギュラーを取れると思いますね。課題としては、淡白な打席が多いので、そこで粘り強くできるかが今年のポイントになるでしょう。

また、三塁手争いでいうと、マッチ(松田宣浩)も今年は頑張っています。まだまだ退いてほしくないですし、監督はかなり難しい選択を迫られていますね。

今のホークスはちょうど若手とベテランが入れ替わる時期です。チームとして、育てながら起用するならリチャードを使うでしょう。ただ、あれだけあっさりした打撃をしていると、使いにくい。そこの課題を克服して、リチャードに出てきてほしいなと思います。

──指導していた頃のリチャード選手の印象は?

飯田 昔からパワーは凄くて、柳田以上の力を持っていましたね。でも当たらない。全然当たらないんですよ(笑)

根が外国人なので、浮き沈みが激しい。ノったらすごいけど、ダメな時はとことんダメ。全く違う選手のようになってしまう。そういう精神面を、藤本監督がしっかりと教育しているように思います。

──藤本監督はソフトバンクの二軍時代にコンビを組まれていましたが、印象は?

飯田 選手の特徴を知っていますし、点の取り方も熟知している。彼になってホークスは大きく変わると思いますね。

──投手についてはいかがでしょうか?

飯田 チーム全体の課題は、主力のケガ。投手だと千賀滉大が最近は1年間を通して投げられていません。千賀だけでなく、東浜巨や石川柊太がしっかりと 1年間ローテーションを守れれば、投手力は他球団に引けを取らない。外国人もマルティネスが抜けましたが、レイが戻ってきて先発の枚数はあります。さらにホークスの強さは後ろの投手。その点は12回になっての強みになると思いますね。

──全体的なキーマンは誰でしょう?

飯田 やっぱり柳田悠岐ですね。今年からキャプテンになりましたし、彼が元気じゃないとチームは盛り上がらない。そういうタイプじゃないですが、任されたからには若手を引っ張っていってもらいたいですね。そういう自覚が出てくるとさらに強くなると思います。

──今年は変わっていくソフトバンクが楽しみですね。

飯田 レギュラーが決まっているのは柳田、グラシアル、栗原陵矢、甲斐拓也くらい。あとは全てが競争です。一塁は中村晃とマッチ。二塁は牧原大成と三森大貴。三塁はマッチとリチャード、野村勇。遊撃はガルビスと今宮健太。中堅手は、上林誠知、柳町達、佐藤直樹。

レギュラーが決まっていないなかで、若手は伸び出したら止まらない。うまくベテランと入れ替わると面白いですね。

ビッグボス・新庄剛志の手腕はいかに?

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──日本ハムはこれまでチームを支えてきたベテランを一気に放出して、半ば強制的に若手にシフトしました。今年はどのような戦いになるでしょうか?

飯田 厳しいと思いますね。成績をやや落としていたとはいえ、今までチームを支えてきた選手たちを一気に放出して大丈夫なのかなと。

それでも今いる選手のなかでやらなければいけなくて、そうなると今年の打線は近藤健介頼みかなと思います。打順も決まらなければ守備位置も決まらない。それが新庄監督といえばその通りですが、難しいと思います。

見ている方からすると「今日誰が出るんだろう」と楽しみもあるし、どんな野球やってくれるかの興味もある。それが勝ちにつながるとファンも面白く、楽しく見に行きます。ただ、負けが続いた場合にどうなっていくのか。そこが心配な部分であり、気になる部分です。

──話にもあったように、今年の日本ハムのキーマンは新庄剛志監督だと思います。飯田さんは新庄監督をどのように見ていますか?

飯田 個人的な意見で言えば、楽しみでしかないです。「日本の野球を変える」と言って監督になりました。実際に変えてくれるという期待はあります。どんなことをやるのか楽しみです。

一方で、変えるためには勝ち星が必要かなと。ファンサービスだけでお客さんを呼んでも、そこに勝利がついてこないといけない。今は野球を見るファンの目も肥えています。野球以外の部分を楽しみにしてくれる人がいる一方で、野球そのものを楽しみにしている方もいます。新庄監督のやり方で、そこがどっちに転ぶかは気になるところですね。

──その新庄監督の起用に応えるように、新庄チルドレンと呼ばれる万波中正選手がオープン戦で好調でした

飯田 本塁打も打って結果を残しましたが、まだまだ難しいかなと思っています。荒さが目立ちますし、シーズンに入れば投手陣もガラッと変わってきます。ただ、オープン戦の勢いのままシーズンも打つ可能性がある。いいバッターだと思いますが、個人的にはまだ時間はかかると思います。

──そうなると日本ハムのキーマンは?

飯田 やっぱり監督でしょうね。誰も思いつかないような奇想天外な采配をしてくれるでしょう。そして彼はいい加減な人間ではないのでね。これからいろいろな批判を受けたとしても、その全てを受け入れるでしょう。自分がやることに対する責任はとるはず。とにかく期待しています。

西武は山川穂高の復活がカギ

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──昨年最下位の西武は主力のケガや不調が大きかったですね。今年は復活するでしょうか?

飯田 西武も入れ替わりの時期を迎えています。中村剛也、栗山巧のベテランに変わる選手が出てきてほしいですが、もう1つ若手が伸びきれていないですね。それでも一番で起用されている鈴木将平が成長しています。今年は山川穂高も調子がいいし、森友哉もやるでしょう。

問題なのは中村への期待度の大きさ。少し落ちてきたところで、最近は本塁打も減っている。でも使わなければいけない事情が苦しいですね。

──中村選手に代わって今年は呉念庭が三塁手で起用されています。

飯田 呉も色々できる選手です。昨年はブレイクして、レギュラーで使いたいところですが、なかなかポジションが定まっていない。それはいいところでもあり悪いところでもあると思います。

──外野手は、若手の鈴木選手が活躍し競争が激しくなっていますね。

飯田 おそらく鈴木を1年間使うでしょう。良い選手ですし、センスもある。個人的に好きなタイプで、足もあるので面白い一番打者になるでしょう。他にも昨年の春先に調子が良かった若林楽人がいます。岸潤一郎や愛斗も良い選手ですし、今後2、3年が楽しみですね。これから西武を担っていく選手が、今年どのような活躍をするかに注目したいと思います。

──今年の山賊打線のキーマンは?

飯田 山川です。彼の復活がなければ西武の浮上はないでしょう。昨年は色々と苦しみ、二軍にも落とされました。

今年のオープン戦は、いろいろな打順を試しているなかで、4番の山川は固定されています。辻監督からの「今年はここでいくぞというメッセージ」でしょう。実際に昨年より断然いい状態なので、今年はやってくれるでしょう。

──一方で投手陣についてはいかがでしょうか?

飯田 先発の3人、高橋光成、今井達也、松本航は評価しています。問題は中継ぎです。昨年は先発が6回くらいで降りたあとに、中継ぎが打たれてしまう場面が何度もありました。平良まで繋げられずに負けてしまう試合があったので、中継ぎの強化が必要です。

またドラフト1位の隅田知一郎は、去年の早川隆久(楽天)のような活躍ができるかがポイントです。西武は右投手で似たようなタイプが多いので、そこに隅田がうまくハマれば面白いですよね。

──昨年は途中から平良海馬投手が守護神を務めました。

飯田 彼がいなかったらどうなっていただろうというほどの活躍でした。それだけ平良にかかる負担は大きいです。手術をして、今年はまだ出てきていないので、心配です。

どちらにしても西武の場合は打ち勝つしかない。打線の復活なくして西武は良くならないですよ。

インタビュー= 川嶋正隆

1986年5月9日生まれ、福岡県福岡市出身。大学卒業後に携帯サイト『超ワールドサッカー』でライター兼編集者として勤務。2018年からフリーライターとしての活動を開始し、2020年からは念願かなってDAZN NEWSでプロ野球を担当している。

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