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【コラム】ソフトバンクの「ジョーカー」牧原大成。交流戦逆転優勝へ絶好調のバットに期待|プロ野球

【コラム】ソフトバンクの「ジョーカー」牧原大成。交流戦逆転優勝へ絶好調のバットに期待|プロ野球球団提供
【プロ野球 コラム】福岡ソフトバンクホークスは、6月7日からの3連戦で阪神タイガースと対戦する。報知新聞社・中村晃大記者に注目選手を挙げてもらった。
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ソフトバンクの「ジョーカー」こと牧原大成内野手(29)がセ界に猛威をふるっている。交流戦はここまで12試合に出場し、12球団2位の打率4割3分2厘、2本塁打、9打点。球団では16年の城所龍磨以来となる交流戦首位打者が現実味を帯びてきた。

「(好調の)秘けつはあまりないですね。その試合で『しっかり結果を出していこう』という気持ちだけです。いつどこでどうなるか分からないので、必ず結果を出したい」

本職は二塁だが、内外野こなせるユーティリティー選手。新型コロナ感染の影響で2月の春季キャンプはC組(3軍)スタートとなり、A組(1軍)の宮崎合流は同19日と大きく出遅れた。右肩の不調で二塁守備の動きに不安があることから、今季は中堅の定位置奪取を目標に始まった。

3月25日の開幕はベンチで迎えた。しかし、代打などで当然のように結果を出していくと、徐々に右投手の先発時にはスタメン出場の機会も出てきた。他の選手の調子次第で二塁、中堅、不慣れな三塁、遊撃もこなす。強い打球の多い三塁の時は大きめの外野用グラブを使っているというから驚きだ。

藤本監督は牧原大を「ジョーカー」と名付けた。「本当はジョーカーとして、代打の切り札として置いておきたい。アイツの場合は(投手の)左右関係ないんでね」と絶大な信頼を置いている。

最近では試合中、球団広報を通じて送られてくる談話やヒーローインタビューでは「byジョーカー」で締めるのがお決まり。愛称が自分の中でもお気に入りのようだ。「最初はものすごいプレッシャーがありました。今まで代打でいくようなキャラではなかったので、俺で大丈夫かなという不安はもちろんあったんですけど、それでも、監督は使ってくださるので、あとはしっかり自分の準備をして、結果が出る、出ないではなくて後悔しないようにやるだけです」。同僚、関係者の間でもジョーカーの呼び名が定着。注目度は日増しに高まるが、後悔だけは残さない。

長谷川打撃コーチは牧原大の好調の要因を「ちゃんと自分のやることやってるんで」という。「アイツはみんなが見てないところで早く来てティー(打撃)とかやってますし、そういう積み重ねが打席に立った時の自信になるんで。そういう段階を踏んでの打席。ブレることなくやってるなと感じてます」と認めるほど陰の努力を行ってきたのだ。

上林の離脱後、主にセンターを守ってきた柳町が下半身のコンディション不良で登録抹消。指揮官は「周東か牧原大に補ってもらう形になるかな」。交流戦歴代最多を更新する9度目の優勝に向け、三塁か中堅での先発出場が続きそうな背番号36。チャンスをつくる2番、ポイントゲッターの6番など、守備位置も打順も様々な役割が回ってきそうだが「僕の中では何番を打っても自分のやるべきことは変わらない。らしさのあるプレーをしていきたいです」

チームは交流戦7勝5敗で3位タイ。7日からはホームで現在交流戦8勝4敗で2位の阪神、9勝3敗で同首位のヤクルトとの6連戦に臨む。逆転優勝の鍵はジョーカーが握っている。

文・中村晃大

1991年10月19日生まれ。30歳。東京都出身。法大から2014年に報知新聞入社。15年巨人担当、16~17年ヤクルト担当、19~21年阪神担当、22年からソフトバンク担当。

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