巨人は17日からヤクルトとの2連戦(東京D)に臨む。シーズン終盤、負けられない戦いが続く中、扇の要としてチームを引っ張る3人の捕手に注目だ。
勝ちから遠ざかり苦しい試合が続いていたが、9月12日の広島戦(マツダ)で久しぶりの勝利に貢献したのは小林誠司だった。1―1の7回2死、左翼ポール際2階席へ特大の決勝アーチを架けた。自身、801日ぶりとなる今季1号を放ち、捕手としても先発の菅野智之をはじめ3投手を好リード。自身の放った勝ち越しソロの1点を守り切り、チームに10戦ぶりの白星をもたらした。
昨季は開幕マスクを勝ち取ったが、3戦目の阪神戦(6月21日・東京D)で死球を受け左尺骨骨折で離脱。復帰後も本来のパフォーマンスを取り戻せず、10月半ばには右手人さし指を骨折。戦列復帰することなくシーズンを終え、悔しさは人一倍あっただけに秘める思いは強いはずだ。
原監督は「大城と同じくらいの打撃力があるならば、小林を使います。そこの部分に差がある」と言っていた。課題の打撃力向上を求めるが、裏を返せば小林の守備力への信頼感は揺るがない。その中で出た豪快な今季1号に「このところバッティングは悪くないので練習通り出たというところでしょう」と評価した。
出場機会に飢えていた岸田行倫は今季初スタメンとなった9月9日のDeNA戦(横浜)で、2点を追う4回2死三塁で今季初安打初タイムリーを放った。持ち前の打力をアピールし、首脳陣の期待に応えた。「初スタメンのチャンスをいただけたので、どんな形でも何としてもチームに貢献したい一心でした」と必死だった。6回1死一、二塁の好機ではあとわずかで本塁打という右翼ポール際への特大ファウルで球場を沸かせたように、パンチ力も備え持つ。
プロ4年目の今季は開幕1軍こそならなかったが、シーズン途中から1軍に帯同。昨季は日本シリーズで先発マスクを任されたこともあり、原監督が「悩ませてほしい選手。もっとできる」と期待を寄せている。小林、大城卓三に割って入るだけの力は持っている。
今季、チームで最も出場機会が多い捕手は、自身初の開幕スタメンマスクをかぶった大城だ。9月4日の阪神戦(甲子園)では「(高橋)優貴が頑張ってくれていたので。優貴のために打ちました」と4回2死二塁で先制のタイムリーヒットを放った。それまで無失点投球を続けていた高橋に1点をプレゼントした。
先発投手が「頑張ってくれていたので」というセリフ。これは大城の打点を挙げた直後の口癖だ。理想とする「勝てる捕手」になるべく、マスクをかぶればバッテリーを組む投手を勝たせたいという一心で、バットを振っている。
残りは30試合。それぞれの持ち味を生かしたハイレベルな競争、球界屈指の捕手層の厚さを誇る3人が攻守でどれだけチームに貢献することが出来るか。その結果がリーグ3連覇へもつながってくるはずだ。(報知新聞社・小林圭太)
文・小林 圭太(スポーツ報知)
1993年4月3日生まれ。28歳。愛知県蒲郡市出身。愛知県立豊橋東高から明治大学に入学。2017年報知新聞に入社。2018年シーズンの西武ライオンズ担当を経て2019シーズンから読売ジャイアンツ担当。主に岡本和真、坂本勇人ら野手選手を中心に取材中。
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