2020年ドラフト総評
投打に将来性を重視した指名
公表通りに近畿大の佐藤輝明を1位で入札したオリックス・バファローズだったが、阪神タイガース、福岡ソフトバンクホークス、読売ジャイアンツの4球団による競合の末に交渉権を獲得できなかった。すると、野手の即戦力から投手の将来性へと方向転換し、スケールの大きさが高く評価されていた福岡大大濠高の山下舜平大の指名に成功した。
2位には中京高の元謙太、3位には明石商高の来田涼斗と高校屈指のスラッガーたちの指名に成功。5位には打てる捕手として期待がかかる豊橋中央高の中川拓真など、全体的に未来を見据えた指名となった。
育成では6選手を指名。本来はドラフト候補として考えられていた大分商の川瀬堅斗、仙台大の宇田川優希をそれぞれ育成1位、育成3位で指名に成功するなど満足の補強となった。
選択選手一覧
| 指名順 | 名前 | ポジション | 所属 |
|---|---|---|---|
| × | 佐藤輝明 | 内野手 | 近大 |
| 1位 | 山下舜平大 | 投手 | 福岡大大濠高 |
| 2位 | 元謙太 | 外野手 | 中京高 |
| 3位 | 来田涼斗 | 外野手 | 明石商高 |
| 4位 | 中川颯 | 投手 | 立教大 |
| 5位 | 中川拓真 | 捕手 | 豊橋中央高 |
| 6位 | 阿部翔太 | 投手 | 日本生命 |
| 育1位 | 川瀬堅斗 | 投手 | 大分商高 |
| 育2位 | 辻垣高良 | 投手 | 学法福島高 |
| 育3位 | 宇田川優希 | 投手 | 仙台大 |
| 育4位 | 釣寿生 | 捕手 | 京都国際高 |
| 育5位 | 佐野如一 | 外野手 | 仙台大 |
| 育6位 | 古長拓 | 内野手 | 福島レッドホープス |
選択選手紹介
1位指名・山下舜平大（やました・しゅんぺいた）
福岡大大濠高では、1年生の秋からベンチ入りを果たし、2年の春からは主軸として活躍する。甲子園への出場経験はないが、甲子園で開催された練習会では、高い潜在能力を見せつけ、各球団のスカウトの目にとまった。
189cm93kgの恵まれた体格から、最速153km/hの角度のあるストレートが武器。落差のあるパワーカーブと急速差のスローカーブを織り混ぜる投球を見せる。山岡泰輔、山本由伸に次ぐ将来のエース候補として早くも期待されている。
| ポジション | 投手 | 生年月日 | 2002年7月16日 |
| 身長 | 188cm | 体重 | 93kg |
| 投打 | 右投右打 | 経歴 | 福岡大大濠高 |
2位指名・元謙太（げん・けんだい）
思い切りのいいスイングで、左右に長打を弾き飛ばす右の強打者。左翼兼遊撃手兼投手として3番を任され、高校通算18本塁打を記録。高校2年生で夏の甲子園に出場し、本塁打を放っている。また、外野手として肩の強さも魅力の一つで、将来のクリーンナップ候補。
| ポジション | 外野手 | 生年月日 | 2002年5月17日 |
| 身長 | 186cm | 体重 | 78kg |
| 投打 | 右投右打 | 経歴 | 中京学院大中京高 |
3位指名・来田涼斗（きた・りょうと）
小学校6年生時にオリックスJr.としてプレーした。明石商業では入学直後から外野手のレギュラーに定着し、春夏合わせて4度の甲子園を経験している。強いスイングが魅力の左の強打者で、足の速さからリードオフマンとしても起用されてきた。ドラフト2位の元とともに左右のスラッガーとして期待。
| ポジション | 外野手 | 生年月日 | 2002年10月16日 |
| 身長 | 180cm | 体重 | 85kg |
| 投打 | 右投左打 | 経歴 | 明石商高 |
4位指名・中川颯（なかがわ・はやて）
桐光学園時代から主に救援として活躍するも、甲子園の出場経験はない。立教大に進学後は、1年時から持ち味の強心臓を買われて抑えを務めた。長身サブマリンで、ストレートは最速136km/hながらも浮き上がる軌道で打者を幻惑する。
| ポジション | 投手 | 生年月日 | 1998年10月10日 |
| 身長 | 184cm | 体重 | 80kg |
| 投打 | 右投左打 | 経歴 | 桐光学園高−立教大 |
5位指名・中川拓真（なかがわ・たくま）
豊橋中央高では1年生の秋から正捕手として活躍。打撃にも自信があり、1年生から4番・5番の中軸を務めてきた。成績は愛知県大会のベスト4が最高で、甲子園の出場経験はない。強肩強打の捕手として高校通算44発を誇るスラッガーで、将来の正捕手候補。
| ポジション | 捕手 | 生年月日 | 2002年7月17日 |
| 身長 | 177cm | 体重 | 87kg |
| 投打 | 右投右打 | 経歴 | 豊橋中央高 |
6位指名・阿部翔太（あべ・しょうた）
酒田南高時代は当初捕手としてプレーするも途中から投手にコンバートされた。成美大に進学後は投手に専念し、度重なるケガを追いながらも不死鳥のようにカムバック。日本生命では主にリリーフとして登板した。最速150km/hのストレートを投げる本格は右腕。
| ポジション | 投手 | 生年月日 | 1992年11月3日 |
| 身長 | 178cm | 体重 | 78kg |
| 投打 | 右投左打 | 経歴 | 酒田南高−成美大−日本生命 |
育1位指名・川瀬堅斗（かわせ・けんと）
大分商業では1年生秋からエースとして活躍。最速148km/hのストレートの他に、スライダー、カーブ、チェンジアップを織り混ぜて投球を組み立てる。ケガの影響で育成指名となったが、将来性は高い。兄はソフトバンクの川瀬晃。
| ポジション | 投手 | 生年月日 | 2002年6月18日 |
| 身長 | 185cm | 体重 | 82kg |
| 投打 | 右投右打 | 経歴 | 大分商高 |
育2位指名・辻垣高良（つじがき・たから）
学法福島高では1年生からベンチ入りを果たし、2年秋からエースとして活躍したが甲子園の出場経験はない。馬力とボールのキレで勝負する左腕。
| ポジション | 投手 | 生年月日 | 2002年6月10日 |
| 身長 | 181cm | 体重 | 83kg |
| 投打 | 左投左打 | 経歴 | 学法福島高 |
育3位指名・宇田川優希（うだがわ・ゆうき）
八潮南高時代に甲子園の出場経験はない。仙台大進学後は、高校時代よりも球速が高まりリリーフエースを任せられた。ストレートの最速は152km/hで、他にはスライダー、カーブ、フォークなどを操る。ドラフト指名されてもおかしくなかった素材。
| ポジション | 投手 | 生年月日 | 1998年11月10日 |
| 身長 | 184cm | 体重 | 95kg |
| 投打 | 右投右打 | 経歴 | 八潮南高−仙台大 |
育4位指名・釣寿生（つり・じゅい）
京都国際高では、2年生春から正捕手を務めた。高校通算25発を放った右の強打者。捕手としても二塁送球の最速タイムで1秒90を叩き出すなど強肩も魅力の1つ。
| ポジション | 捕手 | 生年月日 | 2002年6月30日 |
| 身長 | 181cm | 体重 | 87kg |
| 投打 | 右投右打 | 経歴 | 京都国際高 |
育5位指名・佐野如一（さの・ゆきかず）
霞ヶ浦高では甲子園の出場経験はない。仙台大に進学後は1年時からスタメンに名を連ね、外野手として2度のベストナインを受賞した。広角に打てる中距離バッターで、主に2番打者を務めてきた。
| ポジション | 外野手 | 生年月日 | 1998年9月2日 |
| 身長 | 174cm | 体重 | 80kg |
| 投打 | 右投左打 | 経歴 | 霞ヶ浦高−仙台大 |
育6位指名・古長拓（こちょう・たく）
九州国際大付高、九州共立大と進み、BC福島でプレー。小柄ながらも内野の全ポジションを守れるユーティリティ性が魅力。フルスイングも持ち味。
| ポジション | 内野手 | 生年月日 | 1994年8月5日 |
| 身長 | 164cm | 体重 | 67kg |
| 投打 | 右投右打 | 経歴 | 九州国際大付高−九州共立大−BC福島 |
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