5月2日以来となる本拠地・甲子園での広島戦。阪神ドラフト1位ルーキー・佐藤輝明内野手(22)のあの豪快な一発を虎党は忘れていないだろう。
雨上がりのデーゲーム。2点を追う5回無死満塁で、初めて「4番」を任された佐藤輝に打席が回ってきた。堂々と打席に入ると、カウント2―2から広島・野村の真ん中低め129キロのチェンジアップを捉え、最後は右手一本で右翼スタンドまで持っていった。
逆転満塁弾に、ベンチはお祭り騒ぎ。ナインは総立ちで喜んだ。ゆっくりとダイヤモンドを回った黄金ルーキーはベンチの前でこん身の「Zポーズ」を披露。ルーキーが4番でグランドスラムを放つのは71年ぶり3人目で、デビュー戦では球界史上初の快挙だった。
「いい場面で打点挙げられるように、チームが勝てるように、ホームラン打ってZポーズができるように頑張ります」
1946年・大下弘(セネタース)の新人左打者最多の20本を抜き、球団新人最多の1969年・田淵幸一の22本も超え、8月19日のDeNA戦(東京D)で23回目の「Zポーズ」を決めた。しかし、そこからパタリと止まり、同月22日の中日戦(バンテリンD)からは連続無安打記録を更新。35打席に伸び、9月10日に出場選手登録を抹消された。
プロ入り後、初めて2軍での調整。2月の春季キャンプから1軍に帯同していた佐藤輝にとっては新鮮で、練習漬けの毎日が始まった。17~19日のウエスタン・中日戦(ナゴヤ)は2試合が雨天中止となったが、室内練習場でバットを振り込んだ。鏡の前で何度もスイングし、フォームを確認。守備にも力を入れ、いつも以上にノックを受けた。
「やっぱりファームは上と違って、練習時間も長いですし、いろんな練習への意識がファームを経験したことで、いい経験になったので、上に戻ったときも生かしていきたいと思います」
9月22日のウエスタン・広島戦(由宇)では、同点で迎えた9回1死一塁。カウント1―0から中田の真ん中低め直球を捉え、勝ち越し2ランを左翼へ運び、1軍昇格の切符を手に入れた。翌23日の中日戦(バンテリンD)から14日ぶりに1軍に合流。「7番・右翼」でスタメン出場すると、ファウルにはなったが右翼ポール際に大飛球を放ち球場を沸かせた。だが、26日の巨人戦(東京D)まで安打が出ず、2リーグ制後では新人ワーストタイの50打席連続無安打となった。
チームは11試合連続で1ケタ安打だが、3か月ぶりの月間勝ち越しが決定。24日からは3位・巨人との直接対決で2勝1分としてゲーム差を4に広げた。チームの雰囲気は良く、28日からの広島戦は最高の状態で臨める。甲子園で待つ虎党に、佐藤輝が復活の快音を響かせる。
文・森脇瑠香(スポーツ報知)
1997年10月15日生まれ。23歳。和歌山県出身。和歌山大学から2020年に報知新聞社入社。21年から阪神担当。
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