日本シリーズ進出を懸けたヤクルトとのクライマックスシリーズ(CS)ファイナルステージ(最終S)でも巨人・戸郷翔征投手のフル回転に期待がかかる。
阪神とのファーストステージ(第1S)第2戦ではリリーフとして3回から3番手で登板。1イニング目の3回1死一、二塁のピンチでは三塁・若林の好守もあり、3回を3安打無失点に抑えた。
最少リードを守って後続にバトンをつなぎ「調整の仕方とかが難しかったですけど、何とかゼロに抑えられて良かったです。ワカさん(若林)がファインプレーをしてくれたので、僕も気持ちを乗せて(投げられた)。ピンチがいっぱいありましたけど、粘れて良かった」と安堵の表情を浮かべた。
昨年のソフトバンクとの日本シリーズでも、本職の先発ではなくリリーフとして奮闘。4試合中3試合に登板し、敢闘選手賞も受賞した。とはいえ、リリーフはこの時以来1年ぶりだった。「やっぱり中継ぎはコースを間違えられないというのがあるので。そこの難しさっていうのは改めて痛感しました」と振り返った。
ヤクルトとの最終S戦の初戦先発は山口、2戦目は第1S第1戦で先発した菅野が中4日で登板予定。3戦目はメルセデスが濃厚となっている。第1Sではメルセデス、戸郷がブルペン待機していたが、宮本投手チーフコーチは「ファイナルも誰かしら先発陣が2番手といったところでね、いくつもりではいます」と短期決戦仕様で臨むことを明かしていた。
昨年リリーフ適正を示した戸郷が、最終Sも引き続きブルペン待機する可能性は十分にある。今年も短期決戦で力を発揮し、「CS男」としてチームに勢いをもたらしたい。
今季登板した26試合は全て先発。昨年に並ぶ9勝(8敗)をマークし、防御率4・27。前半は2度の登録抹消があったが、後半戦は離脱することなく投げ抜いた。中5日、中4日と短い間隔での先発を続け、3年目で自身初の規定投球回にも到達。だが、レギュラーシーズン終了後に口にしたのは悔しさだった。
「去年よりいろんなことが分かって、逆に苦しんだ。勝ち星もいかなかったし防御率も悪かったし、三振も取れなかった。僕の中では悔しいシーズンだった。それが一番」
昨年は高卒2年目ながら1年間ローテを守り抜き、リーグ連覇に大きく貢献。今年、周囲からの期待は自然と大きくなった。相手にも研究された中で2年連続の9勝を挙げたが、後半戦は3か月以上白星から遠ざかるなど苦しんだ。
「(プレッシャーとかは)気にはならなかったけど、自覚は出ました。いいところもあったし、悪いところもあった。研究されるのは当たり前のこと。(やるべきことが)できていない自分にいら立つこともあった」と胸中を告白。それでも「いい経験ができた」と前を向き、ポストシーズンでの巻き返しを誓っていた。
「日本一にならないと」と語気を強めていた戸郷。ここ2年は頂点まであと一歩のところで辛酸をなめた。過去の悔しさも原動力に、チームのために全力で腕を振る。(報知新聞社・河原崎 功治)
文・河原崎功治(スポーツ報知)
1994年4月25日生まれ。27歳。茨城県つくば市出身。茗渓学園高から日本大学に入学。2017年報知新聞社に入社。レイアウト担当を経て19年から巨人担当。主に高橋優貴、戸郷翔征ら若手投手を中心に取材。
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