4球団競合の末に、埼玉西武ライオンズへの入団が決まった隅田知一郎が、大学時代の思い出の試合について語った。
隅田は150キロを超えるストレートに加え「カウントと三振が狙える使い方ができるところが持ち味」と絶対の自信を見せるツーシーム、スライダー、カーブ、カットボール、スプリット、チェンジアップの6つの変化球を武器とする本格派左腕だ。
大学No.1と呼ばれるまでに成長した隅田にとって、思い出の試合がある。
西日本工業大に進学した隅田は、4年の春に行なわれた第70回全日本大学選手権に出場。1回戦では上武大を相手に8回を被安打4、失点1、14奪三振の好投を見せる。しかしブライト健太(中日ドラフト1位)に浴びた本塁打が勝敗を分けた。
西日本工業大の武田啓監督は当時をこう振り返った。
「ブライト君は、全国大会で一番いいバッターで4番。だから1打席目は3球インコースに投げようと。そこで3つ投げきれば、次の打席、その次の打席が楽になると話していました」
武田監督の要求通り、隅田はインコースを攻めるが初球はボール。2球目は特大のファウルを浴びた。
キャッチャーを務めた山名浩伸さんは、この当たりを見て変化球を要求。しかし隅田はこのサインに首を振り、当初の予定通りにインコースへとストレートを投じる。するとシュート回転したボールは甘く真ん中へと入り、ブライトにスタンドまで運ばれた。
勝敗を分けた1球の失投。それからは右打者のインコースへのストレートを徹底的に磨いた。
「右バッターのアウトコースに投げるストレートはずっと得意としてきた。そこには自信があったので、そこに投げる感覚を徐々に右バッターのインコースにずらしていくような練習にこだわってやっていた」
その練習が功を奏し、秋のリーグ戦では4試合に登板して26回を投げて自責点0、42奪三振と圧巻の投球を見せた。
西武の岳野竜也球団本部編成グループ育成アマチュア担当は「春の全国大会で打たれた1球に対して、秋のリーグ戦で修正してきた。課題を克服してきた彼の姿を見て、これはいけるというポイントになった」とコメント。春から秋にかけて課題を克服した隅田の投球を見て、1位指名を確信したことを明かした。
早くも先発ローテーション入りが期待される隅田は「まずは新人王。ライオンズの優勝のために獲りたい。新人王の対象になるということは、勝ち星もついている。そういう活躍をしたい」と意気込む。
かつて潮崎哲也や菊池雄星が着用した背番号16は、昨シーズン限りで現役を引退した松坂大輔も最後の2年で着用。ライオンズの歴史を作ってきた大投手たちの後を継ぎ、新世代のエースとしての活躍に期待だ。
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