5月25日に日本生命セ・パ交流戦2021が開幕する。昨年は新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、2005年の導入以来で初めての中止となった。それだけに2年ぶりとなる今シーズンは、ファンにとっても待ち望んだビッグイベントだ。
そこでDAZN NEWSでは『セパ交流戦特集』として、DAZNで解説を務める秦真司氏と飯田哲也氏にインタビューを実施。第2弾は、秦氏に交流戦の見どころを語ってもらった。※成績は5月17日時点
交流戦でも阪神の戦いぶりに注目
──今シーズンは阪神タイガースが好調で、交流戦でも期待が持てます。
阪神だけでなく、セ・リーグ全体でパ・リーグをやっつけて欲しいなと思いますね。毎年毎年、パ・リーグが勝っている状況なので、今回の交流戦ではセ・リーグに勝ってもらいたいです。
阪神はやはり得点圏打率が注目ポイントです。得点圏打率10人の中に梅野隆太郎、マルテ、サンズ、佐藤輝明、糸原健斗の5人がいます。彼らがセ・リーグ球団との対戦のように結果を残せるかどうが、阪神のカギを握っているように思います。また、中継ぎ、抑えの投手で負けがついていませんので、パ・リーグの打者相手にその記録がどこまで伸ばせるかは興味深いですね。
──交流戦でも阪神の好調は変わらない?
ここで一呼吸置くことなく、逆に他のセ・リーグ球団との差を広げるようなことになれば、優勝にかなり近づくと思いますね。
──今回は2年ぶりの交流戦です。久しぶりの対戦ということで情報が少ないなかですが、そこで大事になるポイントは?
交流戦はぶっつけ本番ですので、投手の能力を優先したローテーションを組むでしょう。やはり1回しか当たらない短期決戦ですし、相手どうこうではなく自分の球を投げ込むスタイルになると思います。だからこそキャッチャーがポイントになると思います。
勝敗の分かれ目は捕手
──捕手の差が勝敗を分ける?
1打席目は投手の能力に任せていいと思います。ただ、相手打者が狙い球を絞っているなと思ったときに配球を変えることができるか。打者の見逃しかた、ファウルのしかたを見て、2打席目以降に変化できるか。
打席にいるバッターが、自分たちの投手能力で抑えられるバッターなのか、狙い球を絞ってきているバッターなのか、主軸のバッターなのか、タイミングがあっているバンターなのか。様々なことに対応して配給を変えられるかが大事です。
捕手として「この投手のいい球を打たれてしまったなら仕方がない」という、投手目線の考え方をしてしまうと2打席目、3打席目以降もつかまってしまうでしょう。試合のなかで臨機応変に対応できるかどうかは見どころですし、捕手にはそこを感じてもらいたいなと思います。
──大事なポイントと語る捕手ですが、セ・リーグ球団で注目の捕手は。
阪神の梅野、巨人の大城卓三、ヤクルトの中村悠平といった上位チームの捕手たちは、相手を見ながら配給を組み立てることができるようになっています。特に中村は、落ち着いたリードができるようになったと思いますし、それがヤクルト投手陣の成長の要因だと思いますね。
高津監督は去年のチームを見て、改めて投手力が課題だと感じたはずです。そこで捕手の中村を中心にバッテリーの立て直しに着手し、その成果が徐々に出ていると思います。
佐藤輝明らルーキーの活躍に期待
──選手個人の話でいうと、ファンは佐藤輝明選手とパ・リーグ投手陣の対戦を楽しみにしていると思います。この対戦をどのように見ますか?
対戦回数が増えれば、佐藤選手がパ・リーグの投手に対応してくるでしょう。ただ、短期決戦でパ・リーグ投手のベストボールを打てるかと言えばそれは難しいかなと。彼は自分のスタイルを変えないタイプの選手ですからね。今年はこれからの試金石として引き出しを増やすことが、今後の大きな財産になると思います。
もし今回の交流戦からすぐに大活躍するようだと、もう阪神が突っ走るでしょうね。しかし短期決戦でパ・リーグの投手を攻略できるほど甘くない。それに苦しんだ方が、彼にとってはいいかなとも思っています。どちらにしても今回は対戦することが彼の財産になります。
──佐藤選手以外にもヤクルトの村上宗隆選手の活躍も楽しみです
村上は結果を残すと思いますよ。スイング力がついてきたこともありますし、何よりも打席内で変化できるタイプの選手です。配球の絞りかたもうまくなっていますし、相手にとってはかなり手強いと感じる選手になりました。
捕手としてもかなり対応が必要となるバッターですね。佐藤の場合は投手の能力優先でいけますが、村上はそれだけでは抑えられない。かなり早く成長していて今ではセ・リーグを代表するバッターです。正直にいうと岡本和真を抜いているように思います。
──そのほかに注目すべき選手は?
ベイスターズは牧秀悟選手がいいのでそこは注目ですし、阪神は佐藤だけでなく同じルーキーの中野拓夢も注目ですね。彼らのように新しい力は見ていて新鮮ですし、楽しみでもあります。
好調な選手としては菊池選手も楽しみ。交流戦でも変わらず1番打者としていい成績を残せるかどうか見ものですね。
投手では、パ・リーグのフルスイングするバッターとの対戦に注目です。柳田悠岐、山川穂高、吉田正尚など強力なバッターを相手に、セ・リーグの投手がどう向かっていくか。どういう対戦になるか楽しみですね。
──それでは最後に、秦さんが考える優勝チームはどこでしょう。
うーん、楽天か阪神だね。
──共に各リーグの首位チームでお互いに投打に安定感があるチームですね。
ここで下位チームから優勝することは考えづらいですからね。この2チームはバランスがいいです。そのなかでどちらかというと、阪神ですかね。ポイントはやはり捕手。
お互いに打撃力、投手力が高いチームです。守備能力は若干ですが楽天がいいかな。ただ、捕手の部分は梅野の方が一枚上手だと感じています。臨機応変さでいうと梅野に軍配が上がるので、阪神が優勝です。
インタビュー・構成=川嶋正隆
1986年5月9日生まれ、福岡県福岡市出身。大学卒業後に携帯サイト『超ワールドサッカー』のライター兼編集者として勤務。2018年からフリーライターとしての活動を開始し、『フットサル全力応援メディアSAL』の立ち上げに参画。2018年には、Fリーグに参戦したロベルト・カルロスの単独インタビューを行った。現在は『ABEMA TIMES』などに寄稿している。
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