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【2021シーズンのヒーローは誰だ？】注目を集める田中将大の復帰「フルモデルチェンジしてやってくる」｜パ・リーグ｜プロ野球

川嶋正隆

時事通信

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【インタビュー】3月26日に開幕する2021シーズンのプロ野球を前に、DAZNで解説を務める秦真司氏と飯田哲也氏による対談を実施。パ・リーグ注目の選手について語ってもらった。

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3月26日に2021シーズンのプロ野球が開幕を迎える。そこでDAZN NEWSでは、『2021シーズンのヒーローは誰だ？』をテーマに、今シーズンもDAZNで解説を務める秦真司氏と飯田哲也氏にインタビューを実施した。

第4弾は、日本球界に復帰した楽天の田中将大投手や期待のルーキー・早川隆久投手、その他の注目の若手選手たちを聞いた。

投手が捕手を育てていけばいい

──パ・リーグといえば、楽天に田中将大投手が復帰を果たしました。

秦本当にパ・リーグは話題が多いよね。

飯田あれくらいの選手だから、普通にやっても結果を残しますよ。

秦そもそも日本での経験が長いからね。

飯田向こうだと動かす球をよく投げますが、それに頼りすぎてまっすぐが走らなくなることがある。日本だとまっすぐとスプリットで抑えていたので、アメリカの感覚を一回外して、フルモデルチェンジしてやってくる気がしますね。

秦日本で最後のシーズンは、日本シリーズで菅野智之と投げ合って、最後の試合でも登板しましたよね。投手としての向かってくる姿勢を持っていますし、野球脳もある。相手を見ながら投げられて、コントロールもしっかりしている。経験値はあるので、自分で調整しながらピッチングプランも立ててくるでしょうね。

飯田ただ、楽天の場合は言ってしまえば捕手が弱点だからね。

秦嶋基宏のような洞察力がある捕手が今はいないからね。一昨年まで巨人の3軍で見ていた田中貴也が楽天に行ったのですが、「チャンスはあると思うからがんばれ」と話をしました。田中将大は太田光を気に入っているようですけど、それでも田中貴也にチャンスはある。巨人では大城卓三や小林誠司がいますが、楽天では一皮むけ切れていない感じの選手が多い。去年もトレードされた後に結果を残しましたし、チャンスはあると思っています。

飯田投手が捕手を育てていけばいいんですよ。ベテランの涌井秀章がいて、則本昂大もいて、岸孝之もいる。いい投手がいっぱいいるので、捕手は投手に育ててもらう。

秦今はそういう時期だよね。

──ホークスでも工藤監督が城島捕手を育てた話は有名ですね。

飯田そうそう。それでいいんですよ。個人的には誰か一人に決めて、どっしりと守らせた方がいいと思いますよ。

楽天が打倒・ソフトバンクの筆頭

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──捕手が決まれば打倒・ソフトバンクの一番手？

秦楽天は打てるバッターが多いですし、投手も揃っている。打倒・ソフトバンクの筆頭だと思いますね。戦力はかなり整っているので、十分に優勝を狙えると思います。そして僕が今シーズン期待している若手の早川隆久もいますから。彼はかなりやると思っていますね。将来的には楽天のエースになると思っています。彼は力感なく投げられていて、すでに投球のコツを掴んでいるなと。バッターからすると打席内ではベンチからや映像とは違う球に感じると思います。とても面白いですね。

──楽天投手陣は右が多いなかで左の早川投手は1年目から出番も多そうですね。

飯田本当にいい選手がいっぱいいますからね、今の時点でローテーションの4人は決まっていて、早川と後一枚。そこで一番いい投手、調子が良い選手を取っ替え引っ替えやればいけるでしょうね。

秦一番楽しみな球団ですよね。石井一久監督になって、ヤクルトのメンバーも多くなってるので、頑張って欲しいですね。ただ、やっぱりソフトバンクが強い（笑）。他ではオリックスの若手が伸びてきている印象あるな。

飯田確かに若手の意識改革ができれば徐々に強くなるとは思いますね。

秦捕手出身の中嶋聡が監督になってそこそこ変わってくるんじゃないかな。若手で楽しみな選手が多いし、そもそも出られるポジションが多い。

飯田レギュラー白紙で、そこを取りにいけって感じでできますからね。ただ、オリックスって本当にいい若手、育てたい選手がいるんですけど、そこで結果が出ないと変えちゃう。我慢して育てて欲しいなって思いますね。

秦似たような選手が多いからかな？

飯田そうなんですよね。一昨年までは中川圭太を使っていたんですけど、彼がダメだとすぐに変えてしまう。そこを我慢して一人前に育てたら面白いのになって思うんですよね。

秦あとは日本ハムにも頑張ってもらいたいね。西武やロッテにも力があってパ・リーグは面白い戦いになりそうですね。

──その他でお二人が注目する若手選手はいらっしゃいますか？

秦昨年の新人王である西武の平良海馬はいいよね。球が早くて強いし、今年も結果を残しそうだね。

飯田僕は栗原陵矢と周東佑京ですね。僕がホークスでコーチをやっていた時に、彼らを見ていたんでね。特に栗原は、捕手としては難しだろうなと思っていましたが、うまくコンバートして花咲いてよかったです。

秦そもそも二軍でも三軍でも捕手としては出ていないよね？

飯田彼はバッティングがいいのでね。当時のホークスは、細川亨が退団して（2016年）鶴岡真也（2017年12月）もいなくなり、山下斐紹をトレード（2017年11月）に出したことで捕手がいなかったんですよ。それから、捕手をたくさん獲って、そのおかげて栗原が外野手に回れるようになったんですよね。

秦周東もいいけど僕はロッテの和田康士朗が楽しみですね。BCリーグの時から足が早くて面白いなって思ってました。もともと陸上部で野球の経験はあまりないんですけど、当時からしっかりとバットを振っていた。足も早くて、守備では飯田さんじゃないけどボールの落下地点まであっという間に入るし、守備範囲が広い。今年はレギュラー掴んでくるんじゃないかなって思ってますね。僕が巨人にいる時からこういう選手を育成で取ろうよって言ってたんですけどね（笑）

飯田ロッテに関して言えば藤原恭大もですね。去年の終盤からバンと出てきてとても能力が高いですよ。きっと今年はブレークするね。

インタビュー・構成＝川嶋正隆

1986年5月9日生まれ、福岡県福岡市出身。大学卒業後に携帯サイト『超ワールドサッカー』のライター兼編集者として勤務。2018年からフリーライターとしての活動を開始し、『フットサル全力応援メディアSAL』の立ち上げに参画。2018年には、Fリーグに参戦したロベルト・カルロスの単独インタビューを行った。現在は『ABEMA TIMES』などに寄稿している。