マジック9を点灯させている首位ソフトバンクは17日から3ゲーム差の2位オリックスと運命を左右する3連戦。この結果次第で優勝がほぼ決まると言っても過言ではない中、今季3度目の6連勝と上昇気流に乗った状態で“鬼門”の敵地・京セラDに仙台から乗り込む。
17日は11連戦の8戦目。大阪→福岡→仙台→大阪と“移動疲れ”も大きな敵だが、何より京セラDでは今季、主催試合(鷹の祭典)を含めて3勝8敗と大きく黒星が先行する。同球場でのオリックス戦は今年7月まで7カード連続負け越し。11連戦のスタートだった今月10、11日は1勝1敗で乗り切ったものの、勝った11日も薄氷の1点差と苦手意識を払拭できていないと言える。藤本監督は「(最初は)一番しんどい『魔の11連戦』とか言ってたからさ。あと残り4試合、マジックは意識しません。最後まで乗り切れるように頑張ります」と気を引き締めた。
そんな現状を打破するため、先発は初戦に板東、2戦目からはともにチーム最多の10勝を挙げている千賀、東浜の2枚看板を送り込む。特に前回対戦で7年連続2ケタ勝利に到達したエース千賀はオリックス戦を得意にしており、今季は3試合で2勝0敗、防御率1.64。京セラDでも同2.40と安定した数字を残している。「あとの残り試合、僕が投げる試合は勝てるように準備していきたいなと。それだけかなと思います」という言葉が何より頼もしい。
打線では明確なキーマンがいる。初戦は相手の絶対エース山本との再戦。10日の試合では7回4安打2失点に封じられ、白星を献上したが、今季の対戦は2勝2敗の五分。中でも3番に入ることが予想される牧原大は11打数6安打1四球の打率5割4分5厘と打ちまくってきた。前回も初回にタイムリー内野安打を放った“由伸キラー”の前に走者を1人でも多くためたいところだ。
オリックスの先発は2戦目以降、ともに中5日で宮城、田嶋の両左腕が予想される。難敵との対戦が続く打線で鍵を握るのは“猛牛キラー”の3人になるだろう。2番で好調を維持する三森、左投手の先発時は3番(右投手の場合は下位打線)に入る今宮、そして主砲の柳田。オリックス戦の今季打率は全員が3割4分を超えている。
さらに今宮は宮城から14打数7安打(1本塁打)の5割、田嶋からも9打数3安打の3割3分3厘と相性が良く、相手に脅威の上位打線を形成することができる。不安要素といえば、柳田が16日の楽天戦(楽天生命)で5回に背中に死球を受け、7回の守備から退いた。指揮官は「心配ですよね、だいぶ痛がってるんで。当たったところは筋肉やから、骨には異常ないけど」と説明した。ただ、超人ギータなら決戦に間に合わせてくるはずだ。
現状、最短Vは23日のロッテ戦(ペイペイD)となっており、本拠地で背番号81が宙を舞う可能性は十分にある。歴史的な大混戦を抜け出しつつある藤本ホークスが、勢いそのままに2年ぶりの頂点まで駆け上がる。
文・中村晃大
1991年10月19日生まれ。30歳。東京都出身。法大から2014年に報知新聞入社。15年巨人担当、16~17年ヤクルト担当、19~21年阪神担当、22年からソフトバンク担当。
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