今年もセ・パ交流戦の季節がやってきた。あまり見る機会のない異なるリーグのチームとの対戦は、やはり心が躍る。
豪快なホームランに圧巻の奪三振ショーや夢の対決──。見どころはたくさんある。そのなかで今回はセ・パ交流戦で注目したい球際に強い内野手をそれまでに見せたファインプレーとともに紹介する。
セカンドコンバート1年目で抜群の動きを見せる中野拓夢:阪神タイガース
3月に行われたワールド・ベースボール・クラシック(WBC)でも日本代表侍ジャパンとして活躍した中野は、昨シーズンまでショートが定位置だった。しかし岡田彰布新監督はセカンドへコンバート。それが現時点では成功している。
セカンドはショートと比べるとファーストへの距離が近い。そのため余裕を持って送球ができているのも気持ちの面で大きそうだ。
5月18日の中日ドラゴンズ戦ではセンター前へ抜けようかというヒット性のあたりをダイビングキャッチ。すぐさま起き上がってファーストへきっちり送球しアウトを奪った。
ショートとしては2022年にベストナインを受賞しているが、ゴールデングラブ賞は受賞できなかった。今シーズンはセカンドで両獲りを狙う。
ルーキーながらサードのポジションを掴みつつある門脇誠:読売ジャイアンツ
読売ジャイアンツのドラフト4位ルーキー門脇誠も好守備を連発している。門脇は開幕からショート、セカンド、サードの内野3ポジションで起用されてきた。ほぼ途中出場だったが、5月のGW明け頃からは中田翔の故障の影響で岡本和真がファーストへまわり、門脇がサードで起用されるようになった。
大学時代の本職はショートながら、サードでも好プレーを連発。5月13日の広島東洋カープ戦では3つの好プレーを見せチームを救った。とはいえレギュラーを確約されている立場ではない。生き残るためには中田が戻ってくるまでアピールをし続けることが重要だ。
スペシャリストは今年も健在──菊池涼介:広島東洋カープ
セカンドのポジションで10年連続ゴールデングラブ賞を受賞している菊池も健在だ。忍者と形容されることもある機敏な動きやアクロバティックで花のあるプレーを随所に見せ、新井貴浩新監督率いるチームを助けている。
それだけではない。4月29日の巨人戦ではグラブの網の部分で芸術的なトスを魅せた。咄嗟の機転が利いたからこそのアイデアは芸術そのもの。アクロバティックだけでなくファンタスティックなプレーにも注目だ。
2021年支配下ドラフト最終指名から”神”になった上川畑大悟:北海道日本ハムファイターズ
新庄剛志監督は多くのポジションで選手を固定せず併用している。そのなかでショートだけは上川畑がほぼスタメンで起用されている。その大きな理由が守備面だ。堅実でありつつときにはアクロバティックなプレーも見せている。
5月2日の埼玉西武ライオンズ戦では7-1と6点リードの9回裏1死一塁の場面では、サードよりのゴロを滑り込みながら正面に入ってキャッチ。大きくリードした9回裏でも集中力を切らさず流れるようにセカンドへ送球しフォースアウトを奪った。
ファンから”神”川畑と称される守備は見逃せない。
3年連続ゴールデングラブ賞を目指す宗佑磨:オリックス・バファローズ
パ・リーグ3連覇を狙うオリックス・バファローズの宗は2年連続サードのゴールデングラブ賞を受賞中。身体能力が高くファインプレーが多い。とくに三塁線へのあたりを捕ってからの一塁送球は必見。力強い送球をファーストへ投げ込みアウトを奪ってきた。
3年連続ゴールデングローブ賞へ向けてセパ交流戦でも好プレーを見せてくれるはずだ。
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