5月26日にバンテリンドームナゴヤで行われた中日ドラゴンズ対横浜DeNAベイスターズの試合で、福敬登（中日）が好リリーフを披露。試合後のヒーローインタビューでの言葉がプロ野球ファンの感動を呼んだ。
福は1点リードの8回一死二塁の場面で3番手として登板。ともに左打者の佐野恵太を見逃し三振、関根大気を空振り三振に打ち取り、見事な火消しを見せた。
試合後のヒーローインタビューでマイクを向けられた福は「ドラゴンズファンの皆様、ちょっとすみません」と言い、お立ち台を降りてDeNAファンの待つレフトスタンドを向き一礼。DeNAファン、そして三嶋一輝（DeNA）への感謝の言葉を述べた。
DAZN公式Twitterはこれに「『三嶋さんのおかげで僕はここにいる』難病から復活の福敬登 お立ち台から降りてレフトスタンドへ 口にしたのは三嶋一輝への感謝の言葉 場内からは大きな拍手」とコメントをつけて映像を公開。
ファンからは「本当に感動しました」「感動しました」「こういう発言ができる福投手を一野球ファンとしてとても尊敬します」「ベイスターズファンですが、福選手これからも頑張って下さい！」「なんだか目頭熱くなるわ」「本当に人柄がいい」「プロ野球っていいなぁ」などと、称賛と感動の声が相次いで寄せられた。
2019年から3年連続で50試合以上に登板、2020年には最優秀中継ぎ投手のタイトルも獲得した福だったが、昨季は思うような成績が残せず、オフには国指定の難病である黄色靭帯骨化症の手術を受けた。
これまでにも大隣憲司（ソフトバンク）、越智大祐（巨人）らが手術を受けながらも完全復活には至らなかった難病。しかし昨季、やはり黄色靭帯骨化症で手術を受けた三嶋が一軍に復帰、今季はここまで17試合で防御率1.93と完全復活を果たした。
福が復活へ向けてリハビリを続ける中、三嶋は4月9日の中日戦（横浜スタジアム）の試合後「福投手も、きっと大丈夫」と書いたサインボールを、中日側のスタンドへと投げ込んだことが話題となった。これだけでなく、同じ病気で苦しむ福に自身の経験などを伝えていたという。
今回の福の行動は、こうした三嶋への感謝を表すものだった。福は今季、ここまで11試合に登板して防御率1.17と好投を続けている。
祖父江大輔、福敬登、ライデル・マルティネスという中日が誇る「大福丸」トリオの完全復活へ向けて、全力で左腕を振るう福に注目したい。
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