東北に歓喜の日本一をもたらした2013年の楽天には、アンドリュー・ジョーンズとケーシー・マギーがいた。ジョーンズはMLBで10年連続のゴールドグラブ賞に輝き、05年には51ホーマーで本塁打王を獲得するなど、掛け値なしの大物。マギーもタイトルやオールスター戦には縁が無かったが、来日前はミルウォーキー・ブルワーズで三塁のレギュラーとして鳴らしていた。
この2人は日本でも結果を残し、日本一の立役者となったが、その後楽天が獲得した大物助っ人たちはことごとく期待を裏切っている。
14年に来日したケビン・ユーキリスはオールスター3回の実力を発揮できず、わずか21試合の出場で打率.215・1本塁打の数字しか残せなかった。メジャー通算61本塁打のギャビー・サンチェスは日本では7本塁打に終わり、同通算162本塁打で熱血漢としても名の知れていたジョニー・ゴームズは、わずか18試合で打率.169・1本塁打と失望だけを残した。
果たしてマイケル・フランコは、「楽天が獲る大物助っ人失敗しがち」というあるあるに終止符を打つことができるか。
メジャー130発を誇るスラッガー
ドミニカ共和国出身のフランコは、10年に国際フリーエージェントでフィラデルフィア・フィリーズに入団。未来の正三塁手として期待を集め、マイナーリーグのオールスターゲームに13~14年と2年連続で出場し、14年には有望株を格付けするプロスペクトランキングで、全体17位(Baseball America)の評価を得た。
その年の9月にメジャーデビューを果たすと、翌年はシーズンのほぼ半数に当たる80試合に出場し、打率.280・14本塁打を記録。特に6月は打率.352・8本塁打・OPS1.039の猛打で、月間最優秀新人に選ばれた。16年以降は完全に主力として定着し、3年連続で20本塁打以上を記録。王朝が終焉を迎えた後のフィリーズ暗黒期を強打で支えた。
しかし、一発の魅力はあれど確実性に乏しく、三塁守備はエラー数でリーグのワースト5に4回も入る拙守が災いしてその後はジャーニーマンと化し、20年以降はカンザスシティ・ロイヤルズ→ボルティモア・オリオールズ→ワシントン・ナショナルズと毎年のようにユニフォームが変わった。
今季からエンジ色のユニフォームに袖を通すフランコに求められるのは、右の長打力不足の解消。過去2年、右打者でシーズン2桁ホームランをクリアしたのは浅村栄斗だけで、右のパワーヒッター不足はチームにとって悩みの種だった。高打率や四球での出塁など小技を必要とする分野はそこまで望めないだけに、パワフルなバッティングで30ホーマーの大台は突破してもらいたいところだ。
ポジションは三塁には中日から移籍の阿部寿樹や茂木栄五郎がいるため、DHでの起用が既定路線だろうが、守備が得意ではないフランコにとってはむしろ好都合かもしれない。
ただ、守備や走塁での貢献が少ないのなら、なおさらバットでのアピールが必要で、それはそれで大きなプレッシャーになる。今年来日した外国人野手でトップのメジャー130発を誇るスラッガーは、弁慶の泣き所を強みに変えることができるか。
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